畠中恵 『まんまこと』2012/02/09



宮部みゆきの江戸物が気に入ったので他にないかと思っていたところ、図書館で見かけたのがこのシリーズ。
本屋では「しゃばけシリーズ」の文庫本が目立つところに置いてあったのを思い出しました。「しゃべけ」は長そうなので、まだ三作しかでていないこのシリーズをまず読んでみることに。

江戸神田の古名主高橋宗右衛門の息子、麻之助は16歳になったとたんに今までの”いい子”とは大違いの”お気楽”若者になってしまいます。
親たちの心配をものともせず、いつもつるんでいる悪友二人―おなごに強いイケメン、町名主の息子の清十郎と武家のお城の石垣よりも固い石頭の吉五郎―と町の難問奇問を解いていきます。

シリーズは『まんまこと』から始まり、『こいしり』、『こいわすれ』と続きます。三馬鹿トリオの活躍がおもしろいです。
ある人に思いを寄せる麻之助が、シリーズが進むにつれ吉五郎の親戚のお寿ずと出会い、結婚し、子供ができ・・・と続いていきますが、どこに転ぶのか気になります。まさか・・・ね。(ネタバレになるので書きませんが)

江戸時代のことはあまり知りませんが、読んでいてとても身近に感じました。
このシリーズ、おもしろかったので「しゃばけ」も読もうと思っています。

気になった麻之助の言葉を載せておきます。

「後悔は、齢を重ねる内に数多く積み重なる。重くなっていくのがたまらぬな」

この後悔の気持ちが麻之助のやる気のなさの原因のようです。
ちょっと女々しいぞ!朝之助。
ままならぬが世の常。
ですよね。