M.C.ビートン 『アガサ・レーズンの困った料理』2012/05/15

アガサ・レーズン・シリーズの一作目。
この本の舞台があの英国一美しいと言われるコッツウォルズです。
コーンウォール・ミステリが終わってしまったので、次なる風光明媚な場所を描くミステリとして期待できるかなと思って読んでみました。


主人公のアガサ・レーズンは元キャリア・ウーマンで、自分の会社を売ったお金でコッツウォルズに家を買い、悠々自適の暮らしを始めます。
ところがなかなか村人と馴染めません。
なにしろ自分の会社を持つぐらいの人ですから、押しが強いは、ズルはするは、人の掃除の女性をとるは、元部下をこき使うは etc.。
信じられないのは、キッシュのコンテストにロンドンのお店で買ったものを出すのです。
それで悪いことをしたという後ろめたさも感じないし、その上、一位にならないのはおかしいと思うのですから信じられない性格をしてます。
コーンウォール・ミステリのローズとは大違いです。
それでも最後の方に、牧師の奥さんの影響か、まともな大人のようになってきているので、次回は少しはいいかもしれませんね。

事件はアガサがズルをしたキッシュを食べた審査員が死ぬというものです。
アガサがどのように村に溶け込み、事件を解決していくのかが読みどころになっています。
性格が悪いわりにさびしがり屋というところがいいのかもしれませんね。
このシリーズを次も読んでみようかしら。