上野歩 『就職先はネジ屋です』2019/04/09



神社に行ってみると、能舞台の上で結婚式をしていました。
結婚式は他の場所でやっているとばかり思っていましたが、こういう風に能舞台の上でもできるのですね。
式に出席している親族は親と兄弟しかいないようです。
神前結婚式に出席したことがないのでわからないのですが、一般的なのでしょうか?



お仕事本として読んでもらいたい本です。
題名そのままのネジ屋のお話です。

三輪勇(ユウ)はことごとく採用試験に落ちまくり、頼みの綱の第一志望の商社は最終面接で落とされてしまいます。
最後の手段として選んだのは、母親が社長のミツワネジ。
コネ入社ではなく、親に内緒でエントリーし、ちゃんと試験を受けました。
入社後、営業部に2名が配属されましたが、ユウだけが長谷川螺子兄弟社というネジ会社に三ヶ月の現場研修に行かされ、実際にネジを作ることとなります。

現場研修後、「新しいネジを提案するネジ屋」になるべく営業として取引先の会社を回りますが、行く会社はネジを扱う商社のみ。
ユウは直接メーカーにネジを提案する営業もしたいと思い始め、飛び込みでメーカーを回り始めますが、全く相手にされません。
しかし、ある日、荒川の河川敷で消波ブロックを作る現場を見ていると、「もっと簡単に締まるボルトがあれば・・・」という言葉が聞こえてきます。
そこでユウはそういうボルトを作れないかと考えます。

前例のないことを始めようとするユウに対し協力者が現れますが、昔からいる従業員の中には面白く思わない人もいました。
そういう声を物ともせず、ユウは仲間と一緒に自由な発想で次々と新しいネジを作っていきます。

どんな物を見ても必ず使われているネジ。
そのネジのことを全く自覚せずにいた私ですが、眼鏡のつるから橋までを考えてみると、ネジって様々な所で使われていて、色々な大きさや形があります。
日本はこういう「ものづくり」を大事にしていかなくてはならないと思いますが、今はどこも人手不足で大変なんでしょうねぇ。

ユウの奮闘する姿に勇気づけられます。
就活中の大学生や若い社会人におすすめの本です。