「五時から七時までのクレオ」を観る2021/03/07

何でなのかわかりませんが、この映画の題名が私の脳の中に強烈にインプットされています。
前に観ていたからかと思いましたが、観てみても、以前に観た記憶はありません。
1962年の作品ですから、観たはずありませんね。
たぶん題名の何かが私の心を掴んだようです。


有名な映画なのか、色々なポスターがあります。
白黒で好きなのがありましたが、小さいのでこのポスターを載せることにしました。
夏至の日の5時から7時まで、クレオがパリの街を彷徨う姿が描かれた映画です。
(ネタバレあり)

クレオは歌手で3枚レコードを出しており、そこそこに人に知られています。
ある日、病院で検査を受け、自分が癌ではないかという思いに囚われてしまいます。

5時。
タロットカードで占ってもらいますが、出たのは「死」のカード。
(タロットカードだけがカラーです)
手相をみてもらいますが、チラッと見た後、占い師は私は手相を見ないと言ってごまかします。
アンジュールとカフェで会い、泣き出すクレオ。隣では別れ話をする男女。
アンジュールは火曜日には新しいものを身に付けてはいけないと言いますが、帽子屋で帽子を試し、季節外れの黒い帽子を買うクレオ。
タクシーに乗ろうとしますが、ナンバーが不吉だというアンジュール。
他のタクシーに乗り家に着くと、すぐに靴を脱ぎ、タバコを吸うクレオ。
恋人が急にやって来て、すぐに帰って行きます。
ボブたちが白いコートを着てやって来ます。薬剤師の真似をしてクレオを笑わせようというのです。
ボブのピアノの伴奏で歌うクレオ。どの歌も気にくわない。
ボブたちを置いて、一人で外へ出かけます。
街をブラブラとあてもなく歩くクレオ。
カフェに入ったり、蛙を飲み込む男を見たり…。
友人のドロテがモデルをしている彫刻家のアトリエに行きます。
二人で車で出かけ、病気のことを話すクレオ。
ドロテのバッグが落ち、鏡が割れます。不吉な予感…。
ドロテと別れ、モンスリ公園の中に入っていくクレオ。
天文台や木馬の前を通り過ぎます。
川の側の階段で立ち止まっていると、帰休兵のアントワーヌが話しかけてきます。
彼に検査結果を待っていることを話すクレオ。
愛について熱心に語るアントワーヌ。
クレオの苦悩に気づき、病院に行こうというアントワーヌ。病院まで送った後で隊に戻ると言います。
二人はバスに乗り、病院に行きます。
受付で医師は帰ったと言われますが、アントワーヌは彼は戻ってくる、待とうと言います。
ベンチに座っていると、医師が車でやって来て…。

監督がアニエス・ヴァルダ。この前観た「顔たち、ところどころ」の可愛いおばあさんです。
彼女ってなかなかアート感溢れる映画を撮るのですね。
どのカットも写真的と言えば言えますね。
パリの街をスタイリッシュに撮った映画で、クレオの心の機微がよくわかる演出でした。

白黒映画も素敵ですね。