読んだ本2021/08/30

また本が溜まったので、まとめて紹介します。


ほしおさなえ 『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』
大学院生・遠野守人は家の声が聞こえるという不思議な力を持っていました。
川越にある築七十年の古民家<月光荘>の住み込み管理人になってから数ヶ月が経ち、落ち着いた生活を送っていました。
そんなある日、古書店「浮草」に久しぶりに行ってみると、店主はいなく、若い女性が店にいました。話してみると、彼女は同じ大学に通っていました。彼女が言うことには、店長の病気は重く、彼亡き後に店を頼むと言われているそうです…。

ほしおさなえ 『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』
ひょんなことから二軒家の改修プロジェクトに関わることになった守人は、べんてんちゃんに言われ片付けのボランティアに参加することになります。
声に導かれて天袋で見つけたのが、お雛さまでした。しかし何故か三人官女のひとりがいません。二軒家に住んでいた人たちから話を聞きますが…。
お雛さまは二軒家に残されることになりますが、とりあえず今年は<月光荘>で飾ることになります。

ほしおさなえ 『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
<月光荘>の管理人になってから一年が経ち、そろそろ将来のことを考えなければならなくなります。
守人は川越に住み、人と繋がる楽しさを知り、川越で働きたいと思い始めますが、何をしたらいいのかはまだわかりません。
そんな頃、友人の田辺と隣町の農園を訪ねた帰りに、自分と同じように家の声が聞こえるという田辺の祖母・喜代と会います。
そして自分の曾祖父のことを知ることになります。

孤独な守人が、川越に住み人との関係が広がるにつれ、変っていきます。
家と会話するようになって、ちょっとホラーが入った…笑。
活版印刷とか和ろうそく、切り紙とか、次に紹介する「紙屋ふじさき記念館」シリーズにも出てきますね。彼女の書くシリーズ物は少しずつリンクしているのでしょうか?

ほしおさなえ 『紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色』
巡ってくる4月。百花たちは新入生オリエンテーションの準備で大わらわ。
なんとか新入生も入ってくれて、みんなで新歓遠足に行くことになります。
場所は川越。(そうです、ここで菓子屋横丁月光荘や活版印刷三日月堂とリンクします)
活版印刷所・三日月を見学し、観光名所を回り、美味しい物を食べ…。
一方、記念館の方は、とうとうビルの取り壊しが決定してしまいます…。

百花も大学三年ですから、そろそろ将来のことを考えなければならない時期になります。まあ彼女の方は一成の祖母に気に入られているので、将来は安泰でしょうね。
「菓子屋横丁月光荘」シリーズも「紙屋ふじさき記念館」シリーズも、どちらもほんのりとしたこころあたたまるお話です。
一時、浮世のことを忘れたい時に読むといいかもしれません。
川越には小学校3年生の頃に一回行ったことがありますが、今のような観光地化はしていませんでした。コロナ禍が終わったら行ってみたいです。

福澤徹三 『俠飯7 激ウメ張り込み篇』
新米刑事の乾成悟は張り込みに失敗し、いつ左遷されるかと怯える毎日。
そんな時に暴力団の捜査で本庁の応援に行くことになります。
本庁からの連絡を待っていても来ず、コンビニに寄って帰ろうと歩いていると、何者かに拉致され、連れて行かれたのがヤクザの事務所。
そこにいたのは口髭の男と頬に傷がある男で、彼らは警視庁特務部の捜査官だと言うのですが…。
彼らに成悟は毒島組の本部事務所と組長の自宅を監視するように指示されます。

残念なことに今回はそれほど料理が私好みではなく美味しそうではなかったです。
ビビる乾が面白かったですが、こんなんでまっとうな刑事になれるのかしら?
そうそう、座布団の向き、私も知らなかったわ。今時座布団って滅多に使わないわよねぇ。お茶の出し方もちゃんと出来る人がどれほどいることか。
マナーを学ぶことは大事だなぁと思わせられました。
安定した面白さのシリーズです。

望月麻衣 『京都寺町三条のホームズ17 見習いキュレーターの健闘と迷いの森/                      後編』
小松探偵事務所に地下クラブを経営する敦子から奇妙な依頼が…。
葵は円生の展覧会を開催しようとしますが、何故か円生は中止にしてほしいと言い出します。
さて、どうなるのか…。

京都が舞台なのが楽しみに読んでいましたが、もういいかなぁと思ったりもして。
葵がそれほど有能に思えないのですけど…。大学を卒業してNYに行くということで、終わってもいいかもね。

豊田巧 『駅に泊まろう! コテージひらふの短い夏』
今回はコテージのお客さんに焦点を当てていますが、ごめん、今回はそれほど面白いと思わなかったです。
書かれているのは遠距離恋愛のカップルとシングルファーザーと彼の娘のお話です。
特に娘の勝手な振る舞いには呆れてしまいました。そのことをちゃんと怒れない父親も困りますね。わざわざ美月が山を登って行くというのはやり過ぎです。そこまで面倒みなけりゃならないのかと、ちょっとイラっときました。

中島久枝 『あしたの星 日本橋牡丹堂菓子ばなし八』
急展開にびっくりしました。伊佐と小萩が結婚ですか。そんなに仲がよかったかしら。早すぎる展開です。
伊佐は小萩の気持ちに無頓着で、結婚してからも二人が上手くいくかどうか、ちょっと心配です。
あんなにお菓子のことが好きだったのに、お菓子作りを続けたいと何故はっきりと伊佐に言えないのかしら。江戸時代だからと言ってしまえばお終いだけどね。
せっかく<小萩庵>も上手くいっていることだし、もう少し続けていって、後に二人で店を出せるようになるといいですね。
あれ、この二人が一緒になってしまったら、話はどういう風に続いていくのでしょうね。

どの本も軽い内容なので、お暇な時に手に取ってみてください。
お勧めはほしおさんと福澤さんかな…。

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