「ブリティッシュ・ベイクオフ シーズン1 エピソード3&4」を観る2021/08/10

続けて「ブリティッシュ・ベイクオフ」を紹介します。
「ソーイング・ビー」と似ているなと思ったら、こちらの方が先なのですね。
「ソーイング・ビー」は今年で7シリーズで、こちらは昨年まで11シリーズも続いているようです。
どちらも人気があるんですね。


<エピソード3>
さて、三週目のテーマは「パン」です。
ケント州のサンドイッチ近郊のセア風車のところにテントを張り行われました。

最初はオリジナルレシピのパン作り。
残った6人はそれぞれクミンとフェンネル入りのオリープパンやクルミとアプリコットのパン、アンチョビとオレガノ、スイートパプリカの白パン、唐辛子パン、フォカッチャ、メープルシロップとピーカンナッツ入りのパンを作ります。

パンは石器時代にイギリスに伝わったそうです。
パン発祥の地は中東で、穀物が栽培され、6000年前にヨーロッパに伝わったそうです。穀物を碾くための水車の技術はローマから伝わったそうです。
サンドイッチ伯爵の話も紹介されていましたが、有名な話なので、ここには書きません。

テクニカルチャレンジはレシピを使い、英国の伝統的なパンであるコブローフを作ります。コブローフは簡単に作れる丸いイーストパンです。
材料は同じでも、手順やこね方、発酵のさせ方、焼く時間などが違うと上手くいったり、いかなかったり。
ここで参加者の上手いか下手かがよくわかります。

最後のチャレンジでは「パンのバスケット」を作ります。
甘いパンとセイボリー(塩味の食べ物)を12個ずつ。各3種類まで。
時間以内にできるかどうか心配しましたが、全員見事に作り上げました。

今回は6人のうち1人脱落しました。
残った5人を紹介しましょう。
ミランダはウエスト・サセックス在住の二児の母。家族や友人に喜んでもらいたくてベイキングをしています。娘にも教えるようになりました。
エドは一番若い24才、銀行の法務部で働いています。ヨークシャーで生まれ育ち、母にミンスパイを習い、パン作りは祖母に習いました。ベーカーになることが夢だそうです。
ルースはチェシャーで夫と三人の息子がいます。大学に行かなかったことがコンプレックスで自分に自信がありませんが、ベイキングを始めてから自信が持てたそうです。
ディビッドは実業家で、いつもチャレンジして失敗しがちです。
ジャスはバーミンガムで与信管理の仕事をしているインド系女性。両親はインドのパンジャブ出身で、1歳半の時に家族で渡英し、インド流の教育方針で育ちました。大学生の息子がいます。
私はミランダとエド、ルースが最後まで残ると思っています。
ジャスはいつも脱落しそうなのですが、もっとダメな人がいるので生き残っているという感じですが、自信があるみたい。その自信はどこから来るのか…。

<エピソード4>
4週目のテーマは「プディング」です。
ダービーシャーのプディングの聖地・ベイクウェルで行われました。
日本では「プリン」のことだと思われていますが、ちょっと違います。
「牛乳や卵などを用い、蒸す・煮るなどしてゆるやかに固めた菓子または料理の総称。菓子にはカスタードプディング(日本のプリンね)・ライスプディング・プラムプディングなどがある。料理にはヨークシャープディングなどがある」
        (「和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典」より)

オリジナルレシピではミランダはスティッキー・トフィー・プディング、ルースは米国風プディング、エドは特性ソースのリンゴ&プラム・プディング、ディビッドはカラメルナッツの洋梨プディング、ジャスはトフィー・プディングを作りました。
パンの時はエド君がなかなかよかったのですが、プディングは苦手のようです。
頑張れ、エド!応援していますよ。(エド君は私の一番のお気に入りです)

プディングの歴史が面白かったので、紹介しますね。
プディングの語源はフランス語の「boudin(フランスの腸詰めの一種)」から来ていて、初期の主材料は肉でした。1430年に元祖の英国プディングができ、肝臓と心臓に卵を混ぜてスパイスで味付けし、羊の腸に詰め、茹でました。

1617年に甘い材料が使われるようになります。この頃には庶民も砂糖や果実が買えるようになったからです。羊の腸の代わりに再利用できるプディングクロスが登場し、肉を使わず、小麦粉とスエット、砂糖、干しぶどうを入れて混ぜ、クロスに入れ、口を縛って茹でました。

ビクトリア時代には磁器のボウルとベーキングパウダーが発明され、蒸しプディングが登場しました。

1714年にドイツ人でありながら母がスチュアート家の血筋であったことからグレートブリテン王国の王となったジョージ1世がクリスマスに食べたプラム・プディングが気に入り、英国人の証とし、世界進出をしていく上でプラム・プディングは大英帝国の象徴になりました。

産業革命後、缶詰や菓子が肉や果物に取って代わり、栄養不良という問題がでてきました。人びとが仕事を求めて都会に集まり、生活水準の低い貧困地区に人があふれます。1880年に義務教育が始まりましたが、最初の学校が創設されたのは貧しい地区だったので、子ども達は朝食を食べずに登校し、放課後は家に帰ろうとはしなかったそうです。マーガレット・マクミランという女性が救済の必要性を感じ、無償の給食を導入しました。この時にプディングを出すと、元気な子ども達が教室へやって来たそうです。

1926年には大英帝国領の材料だけで使った究極のクリスマス・プディングが式典で作られ、王に献上されると共に各地の女性にレシピが配られ、各家庭でクリスマス・プディングが作られるようになります。

1931年にはアルバート・ホールで10トンのエンパイア・プディングが作られました。

テクニカルチャレンジでは40分でレモンスフレを作ります。
審査員のメアリー・ベリーが厳選したレシピを提供しました。

スフレはフランス語の「souffle(膨らませた)」が語源。
ベストな状態は完成してからの2分です。
小麦粉をバターで炒めルーを作ります。火を止めて砂糖を入れ、さまし、最後に泡立てながら牛乳と卵を入れて混ぜ合わせます。
卵白の混ぜ具合がカギになるそうです。

この時、デイビッドがとんでもない間違いを犯します。
なんと黄身を入れるのを忘れたのです。デイビッド、ピンチ!

最後のチャレンジは3種類のプディングです。
クランブルとブレッドプディング、スエットプディングを作ります。

クランブルは第二次大戦中が発祥で、基本は果実にバター、砂糖、小麦粉を振りかけるだけです。
伝統のブレッドプディングはパンにレーズンを散らし、卵と牛乳の液を上からかけます。
伝統的なスエットは牛や羊の腎臓部の脂肪ですが、今は主に植物性のスエットが使われているそうです。

5人の中で特に今回あぶなさそうなのがエド君です。
最後の逆転といくか・・・。
結果はとんでもない失敗をした人でした。
仕方ないですね。絶対にやってはいけないことでしたから。

次回はコーンウォールでペイストリー対決です。