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このブログについて

小説、映画、美術展などの覚え書きがメインのブログです。
覚え書きなので、ややネタバレしているところもありますので、あしからず。

2012年9月からハーフ犬(チワワとマルチーズ)、2014年11月からヨークシャテリアを飼い始めました。
愛犬の話題も適時載せます。

古くなりましたが、頸椎症手術(2005年)、緑内障(2010年手術)、原発性アルドステロン症(2016年検査入院)について詳しく知りたい方はhttp://www.ne.jp/asahi/ange/lazydays/diseases.htmlをご覧ください。
術後何事もなく、過ごしています。

*おことわり*
当ブログへのコメント、トラックバックは、記事の内容に関するものに限らせていただいております。
 

 

 

 

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読んだ本とまんが ― 2021/09/13



早見和真 『店長がバカすぎて』
書店のお話です。題名では店長をおちょくっているようですが、読んでいくと違うことがわかります。バカでも愛すべきおバカです、笑。

谷原京子、28歳、吉祥寺にある書店、<武蔵野書店>吉祥寺本店の契約社員です。時給998円という薄給に耐えています。
店長の山本猛、推定年齢40歳が「非」敏腕で名前ばかり勇ましく、人を苛立たせること世界一という奴です。苛立ちも朝礼でピークになります。
自己啓発本にどハマりしていて、朝礼で紹介するなよ!書店なのに本を貸してやるって、ふざけんなぁ~!
「辞めてやる!」と何度思ったことか…。でも本に対する愛が強すぎて(?)辞められない京子です。

書店員のお仕事、とんでもない神様(お客様)たち、覆面作家は誰かとか、濃いキャラばかりでしたが、結構読んでいて面白かったです。
読んでいくと、店長が本当に天然のおバカなのかどうか、わからなくなります。
京子さんはそんな店長にちょっと愛着が湧いたようですけど、私は絶対に無理だな。
ドタバタコメディタッチ+ちょっとミステリー。
仕事に煮詰まっている女性が読むといいかも。

平岩弓枝 『花ホテル』
南仏エズでリゾートホテルを経営する朝比奈杏子にマネージャーとして雇われた佐々木。
彼はホテル業は初めてながら、ホテル経営の専門書や知人のホテルマンに訊いたデータなどを参考にし、やがて杏子の頼れる片腕となっていきます。

何かの本にこの本のことが書いてあったので、読んでみました。海外旅行ができない今、風光明媚な南仏に行ったつもりになれるのですが、ホテルの宿泊客たちがあまり好きにはなれなかったです。
1983年の作品なので、少し古い感じで、ラストがなんだかなぁ…。

金子成人 『かぎ縄おりん』『初手柄 かぎ縄おりん』
日本橋堀留の「駕籠清」の娘のおりんは目明かしに憧れています。いつも町に騒動が持ち上がると真っ先に駆けつけ、捕縛の道具のかぎ縄を持ち歩き、せっせと練習に励んでいます。祖母にはもう18歳なのだから早く婿を取って商売を継いでくれと言われています。
ある日、罪人を得意のかぎ縄で捕らえたことから、父の目明かしの嘉平治におりんはやっと自分の気持ちを伝えられます。
とりあえず下っ引きとなり、目明かしとしてやっていけるか、嘉平治が見極めることとなります。
果たしておりんは目明かしになれるのか。

おりんが浮ついたところのない娘なので、目明かしとしてなんとかやっていけそうです。
目明かしって男性ばかりかと思っていましたが、女性もいたということでしょうか。他の本にも女目明かしが出ていましたものね。
おりんの成長が楽しみなシリーズです。

ジェシカ・ブルーダー 『ノマド 漂流する高齢労働者たち』
映画「ノマド」を観たので、原作はどうかと思い読んでみました。
本では様々な背景を持ったノマドたちが紹介されています。
映画ではその人たちのことを少しず取り上げていってキャラクターを作っていったという感じです。

日本も年金が減らされ、アメリカと同じように年金だけでは暮らしていけなくなっているようです。私がもらえるようになる頃にはどうなるのか…。
高齢者の仕事ってどんなのがあるのかしら。アメリカのノマドたちと同じような低賃金の季節労働のようなものしかないのかしら。
私のような体力のない、病気持ちには無理ですわぁ。

ノマドたちの最期がどうなるのか、この本の続きを読んでみたいです。

キャシー・アーロン 『トリュフチョコと盗まれた壺』
『やみつきチョコはアーモンドの香り チョコ職人と書店主の事件簿』の次の本です。

ミシェルとエリカが経営する書店併設のチョコレートショップ<チョコレート&チャプター>でレセプションパーティが開催されました。
町の名家、リバー家がボルティモア人類博物館にマヤ文明の出土品を寄贈したことを発表するパーティで、多くの人たちが集まりました。
しかしその夜、出土品が博物館に輸送中に盗まれてしまい、ミシェルとエリカは容疑者になってしまいます。それだけでも大変なのに、過去にエリカと何かあったらしい博物館のキュレーターのアディソン・ムーディが遺体で見つかります。
自分たちの無実を証明するために、ミシェルとエリカは再度事件解決に乗り出します。

ごめんなさい、チョコレートとヒロインたちがあまり私の好みではなかったです。
高校生がやったマヤ文明のフラッシュモブが観たかったです。
そうそう、猫のココが出てきました。次回も出てきて欲しいですわ。

ここからは漫画です。

ジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール 21』
アニメになっているようですね。原作の絵が今一ですが、あのままなのかな?

ゲイリーから留学の資金援助を得られることになり、潤平はビザ取得のため、日本に一時帰国します。
12月には『くるみ割り人形』の王子を踊り、3月には『コッペリア』のフランツを踊ることになります。日本人が不得意だと言われているマイムをものにできるのか、潤平。
ゲイリーの知り合いから映画の代役の話が来ますが…。

潤平の今後に目が離せません。

小玉ユキ 『青の花 器の森8』
青子と龍生は一緒に暮らすまでになっていました。しかし龍生が展示会でフィンランドに一ヶ月行くことになり、青子は苦しみます。
かつての元彼が北海道へ行って帰って来なかったことがあり、それがトラウマになっていたのです。
龍生の今後のことを考えるとフィンランドに行ってもらいたい青子。
青子のためにフィンランド行きを断念しようと思う龍生。
二人はどうするのか…。

たった一ヶ月ぐらい、いいんじゃないと思うのですが、最初の男が悪かったのね。
一緒にフィンランドに行ってしまえばいいのに。そうなれば話が続かないか。
陶芸の話かと思って読み始めたら、恋愛話でした。

みやうち沙矢 『DOG SIGNAL 6』
佐村未祐は神業ドッグトレーナーの丹羽に弟子入りし、やっとお店の初心者コースの担当になりました。
自分の犬のサンジュを使い、見本を見せていますが、そんなある日、サンジュが言うことを聞かなくなります。未祐はサンジュが何故そういう態度を取るのかわかりません。丹羽はわかるまで店に来るなと言います。

犬を飼う参考になる漫画です。
これから犬を飼おうと思っている人は読んでから飼ってもいいかも。

桜井海 『おじさまと猫 8』
びっくりしました。なんとおじさまの家族が登場します。
奥様だけかと思っていたのに…。

いつも癒やされる漫画です。犬もいいけど、猫もいいわぁ。

いくえみ稜 『おやすみカラスまた来てね 1~6』
十川善十はひょんなことから、亡き先代マスターの娘・一葉とふたりで、とある札幌のバーを営むこととなります。

「最強にふがいない男子と、タイプも異なる女子たちの恋愛劇」だそうです。
善十、一体誰が本命なのかわかりません。ホント、ダメダメ男です。
幽霊マスターも気になります。なんで彼は店を善十に託したのか?
最後は一葉と?気になるお話です。

お勧めは『店長がバカすぎて』と『かぎ縄おりん』、『ノマド』、漫画はどれもいいですが、私の一番のお気に入りは『おやすみカラスまた来てね』です。

by coco [外国ミステリ] [日本文学] [歴史・時代小説] [まんが] [ノンフィクション] [コメント(0)|トラックバック(0)]

「BOSCH/ボッシュ」シーズン3を観る ― 2021/09/15

面白くて今は読書よりも「ボッシュ」です。
今回は色々と事件が入り組んでいて、わかりずらいかもしれません。

とにかくボッシュの家の夜景が素敵です。特に今回はクリスマスツリーのイルミネーションがいいですわ。


前の事件から1年4ヶ月後。
元妻のエレノアが香港にいるため、ボッシュの娘・マディはボッシュの家に滞在し、LAの高校に通っています。バレーボールのチームに誘われています。
車の仮免を取ったばかりで、ボッシュが娘の運転する車にビクビクしながら乗っている姿が、父親らしくていいですね。
何者かがネットにボッシュとオシェイが言い争っている動画を載せます。
母親のこともあり、機嫌の悪いボッシュ。娘に「殻にこもって誰も入れてもらえない。娘の私も」と言われてしまいます。

アーヴィングは息子が殉死してから妻と離婚することになります。
市長から本部長になってくれと言われていますが、断ります。
その後、コリアンタウンキラー事件で出逢った韓国系の女性と付き合うようになります。

ボッシュたちの上司・グレイス・ビレッツ警部補は警部への昇進試験を受けます。
グレイスの上司は元夫の妻で、彼女が同性愛者であることをよく思っていない感じです。

前回の続きのヴェロニカ・アレン事件は、ボッシュが不正を働いたと見られ、信用がないので、裁判が不利になると思ったバカ検事(笑)オシェイが再審理を請求しないとしました。

新しい事件は、初っぱなからキャンピングカーに住んでいた男が殺されます。
彼はウィリアム・メドーズと言い、陸軍の特殊部隊に属していた元軍人でした。
彼が殺されるちょうどその時に、一人の少年が壁にグラフィティ(いたずら書き)を描いていました。彼は車の中を見て、驚いて逃げ出しました。
ボッシュはこの少年を探すと共に、メドーズが残した写真に写っている元軍人たちに話を聞きにいきます。

同じ頃、ボッシュが個人的に調べていたエドガード・ガンが転落死したという連絡がきます。ガンは2008年に若い2人の女性を拉致・暴行し路上に遺棄したと見られていましたが、確証がなく不起訴となっていました。
ボッシュは彼を見張るために違法な監視カメラを仕掛けていました。
部屋の中からボッシュの指紋のついたグラスと画家のヒエロニムス・ボッシュの言葉の書かれたフクロウが見つかった上に、首の絞め方が警官のやり方だったのでボッシュが疑われます。

女優殺しの疑いで自宅拘禁されていた映画監督のホランドはボッシュの悪評をsnsで流します。
彼はボッシュを攻撃することで自分の罪を逃れようと画策していました。

コリアンタウンでは、自転車に乗った男(コリアンタウンキラー)が携帯を盗み、人を殺していました。

ボッシュの母の殺害事件担当だった元刑事のジョン・カフリーのいる老人ホームが火事になり、カフリーは亡くなります。
彼の遺品としてボッシュは母殺しの犯人の男の卒業アルバムを受け取ります。そのアルバムからボッシュは真犯人に辿り着きます…。

壁にいたずら書きをしていた少年がボッシュと同じような家庭環境であったため、ボッシュが彼のことを気遣っていたことがよくわかります。
彼は誰が加害者で、誰が被害者かに関わらず、全力で捜査に当たるのです。
今回はボッシュの元軍人だった頃の様子が垣間見られる銃撃戦もあり、見がいがありますよ。

ボッシュが隠し事をしているので、エドガーはボッシュの何を信じたらいいのかわからず、悩みます。そのためボッシュが「俺を犯人だと思ったのか」と怒ってしまい、メドーズ事件が終わったらパートナーを解消すると言い出します。
ボッシュとエドガーとの仲もこれまでか…と思ったら、エドガーにピンチが訪れます。

ますます面白くなった「ボッシュ」です。

by coco [映画・ドラマ他] [コメント(0)|トラックバック(0)]

「BOSCH/ボッシュ」シーズン4を観る ― 2021/09/16

続けてシーズン4まで観てしまいました。
ますます面白くなっていきます。


三ヶ月後。

母親殺しの犯人が警察委員会の委員長のブラッドリー・ウォーカーではないかとボッシュは思い、彼を尾行します。

ボッシュの元妻のエレノアがLAに住むことになります。
香港ではFBIの潜入捜査をしていたようです。
夫のレジーの伯父と中国人マフィアの関係をエレノアが調べていたのがわかり、レジーからFBIか俺かどちらかを選べと言われたようです。
マディはレジーとスカイプで話をしようとしますが、なかなか通じません。
エレノアはLAでも中国人たちの裏カジノに潜入し、探っていましたが、身元を疑われてしまいます。

エドガーは警察官を続けることにし、久しぶりに警察署に現れます。
しかし彼の机の上はゴミ箱状態で、椅子は誰かに盗まれたようです。
(犯人は…楽しい二人組の片方、笑。この二人、大好きです)
とりあえず内勤の仕事をして過ごすことになります。

8歳の女の子の誘拐・殺人の罪でマイクル・ハリスが逮捕されましたが、彼は自分は無実で、警察官から拷問を受け、虚偽の証言をさせられたと訴えます。
示談金42万ドルで手を打つはずだったのに、弁護側は法廷で戦うと言い出します。

ボッシュがウォーカーをつけていき、パーティに潜入していた時に、ハリスを弁護していた、有名な人権派弁護士で、警察による暴力事件が専門のハワード・エライアスが、LAにあるケーブルカー、エンジェルズ・フライトの山頂駅で殺害されます。
エライアスを警官が殺したと警察署の前でデモ隊が騒ぎ出します。このままでは暴動が起りそうです。
アービィン・アーヴィングは特捜班を作り、ボッシュをリーダーとします。
メンバーはボッシュと浅からぬ因縁のあるロバートソンとピアス、内部監査官のスナイダーとリンカーンの女性警官たちで、後でエドガーが入ります。
なんかボッシュ、この女性警官たちに冷たいです。スナイダーに取り調べをされたことを未だに恨んでいるのかな?
彼らはハリスの事件に関係する警官たちを調べますが、そのうちのエライアスを殺害したと思われる警官が行方をくらまします。

エライアスの後をチャンドラーが引継ぐことになります。
エライアスは裁判に勝てる隠し玉を持っていたようですが、誰もその存在を知りません。
ボッシュが調べていくと、隠しカメラの存在が明らかになり、ハリスを拷問している映像がどこかに隠してありそうです。

アーヴィングはなんとかして暴動を回避しようとします。
しかし市長はデモ隊と行動を共にするとアーヴィングに告げます。
彼は市警の腐敗した文化を改善するために、民間人の有識者会議を設置する予定だと発表しますが、ウォーカーがこの新しい委員会の資金提供者でした。
二人の癒着を疑うアーヴィング。

警察官の離婚が多いといいますが、このシリーズに出てくる警察官はほとんど離婚しているようです。(ジョンソン&ムーアのおちゃらけコンビは幸せな結婚生活を送っていると思います。そうそうコリアンタウンキラーはあっけなく彼らが解決しましたよ!)
命がけの仕事ですから、無事に帰ってくるのかと毎日ハラハラして待っているのが嫌になるんでしょうかねぇ。

今回は娘のマディに「痛みは消えない。箱に入れて置き、箱から出てきたらやり過ごすんだ」と言うボッシュの悲しみが身に染みました。

「守れない約束はもうごめんだわ。よりを戻すつもりもない」と元妻に言われたエドガーも辛いですね。
ボッシュとのパートナー関係を解消するとは言ってはいても、最後の場面で二人は最高のパートナーであることがわかります。

残るは3シーズンです。9月中には見終りそうです。


今週のおやつ。


缶とクッキーの形が可愛いので、頼んでみました。

by coco [映画・ドラマ他] [美味しいもの] [コメント(0)|トラックバック(0)]

波木銅 『万事快調<オール・グリーンズ>』 ― 2021/09/17

第28回松本清張賞受賞作ということなので、読んでみました。
松本清張賞だからミステリーかと思って読んでいったら、いつまで経っても死人はでずに終わってしまいました、笑。
松本清張賞って「ジャンルを問わない広義のエンターテイメント小説が対象」なのだとか。知らなかった…。


なんの変哲もないクソ田舎(東海村)の底辺工業高校機械科に通う、三人の女子。

朴秀実は高校での人間関係なんて卒業したら無意味という感じで、学校では孤立を回避するために、なんとなく同じような立場の岩隈真子とつるんでる。
放課後が彼女の時間。
夜の駅近くの公園で、彼女の名はニューロマンサーことニューロ。
仲間とフリースタイル・ラップで盛り上がる。ラップこそ命!

岩隈真子は目つきも性格も人当たりも頭も口も悪い、周りから浮いてる奴。
図書館だけが唯一の彼女の居場所。人格を否定されることもなく、中心人物としてリーダーシップを発揮でき、ウィットに富んだ冗談も言えるし、知識を披露さえできる。

矢口美流紅(みるく)は女子が三人しかいないクラスの中で的確な立ち回りをもって男子社会に上手く溶け込んでいる。モテるし、教師受けもそこそこよく、陸上部の優秀な選手。よく朴の椅子に尻をのっけて、男子と話してる。

ある日、朴に仲間内では最も名の知れたラッパー画餅児からレコーディング話が舞い込む。友だちに朴のことを話したんだとか。喜んでリリックを書き、音源を作り渡すと、タダでレコーディングもミックスもしてくれるとか。
ただし制服を着てこいだとぉ。
会いに行くと、とんでもないことが…。

やがて朴に誘われ、岩隈と何故か矢口も、それから男子も巻き込み、屋上で園芸同好会やっちゃいます。カネを儲け、こんなクソ田舎、出て行くぞ!
育てるのは…。

波木銅は茨城県日立市出身の21歳。若いからこそ書けた小説ですねぇ。
ホント、「ハチャメチャ」、だけど面白い。
ミステリーじゃなかったけど、一気読みでした。
音楽や小説、漫画、映画などが沢山でてきますが、ほぼ私みたいなおばさんが知っているもので、そこがちょっと今の若者らしくないかも。
それに煙草も。今の高校生は前ほど煙草を吸わないんじゃないかな。そんなお金があったら別のところで使いますよね。
登場人はクレバーだけど、行動はおバカという感じです。若さ故ということで許してあげてね。
伊坂幸太郎の作風や文体に影響を受けたというのがうなずけます。

読む人を選ぶ作品かもしれません。
暴力や反社会的行為に嫌悪感を抱く人は読まない方が良いかもしれません。
私的にはお勧めですが。

by coco [日本文学] [コメント(0)|トラックバック(0)]

ほしおさなえ 『東京のぼる坂くだる坂』 ― 2021/09/19



学術書の編集者の蓉子は、仕事や用事などで行ったついでに、坂を訪れています。

五年前に七十六歳で亡くなった父が異様に坂好きで、生涯に二十回以上も引っ越しをして、いつも坂の、それも名のある坂の近くに住んでいました。
父は蓉子が八歳の時に家を出て行き、それからは蓉子宛に転居通知をよこし、そこには新しい住所とともに必ず坂の名前が書いてありました。
父が出て行ってから一度も会いに行ったことがありません。
遺言状の最後のメッセージになぜか父がこれまで住んできた坂の一覧が記されていました。

何故父は坂のリストを遺したのか。
坂は彼にとって、どんな意味があったのか…。

坂を訪れながら、父のことを思い、そこで出逢った人たちと話すことで、少しずつ父のことがわかってきます。

幼い蓉子になぞなぞとして「東京の坂で、のぼり坂とくだり坂、どっちが多いか」と聞いた父。
坂をおりていくだけの父と止まったままの母…。
蓉子は生きているかぎり、のぼったりくだったりしながら歩いて行くしかないのだと思うのでした。


小説ですが、エッセイかなと思えるところもあり、ひょっとしてほしおさんの個人的なことも書いてあるのかなと思いながら読んでいました。
1つ1つの坂の説明が多く、詳細なイラストもあるので、お散歩のガイドブックとして読んでみてもいいかもしれません。
説明が長過ぎるところは、端折って読みましたけど、笑。
本に出てくる坂なんか行ったことはないと思って読んでいたら、近くまで行っていたことが結構ありました。
福山雅治の歌で有名な桜坂も出てきますよ。

人の幸福と不幸は同じだけと言いますけど、どうなんでしょう。
坂ののぼりくだりと同じように同じでしょうか。
人によってどちらかが多かったり少なかったりするようにも思いますが、どちらにしても私たちは蓉子と同じように死ぬまで歩き続けて行くしかないのでしょうね。

コロナ禍が終わったら、この本に出てくる17の坂をゆっくり歩いてみたいと思いました。

by coco [日本文学] [コメント(0)|トラックバック(0)]

澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察 4~6&EX』 ― 2021/09/20

清和大学文学部史学科民俗学・准教授・高槻彰良の活躍するシリーズ。
高槻はイケメンで生徒たちの評判も高く、「一度見たものは決して忘れない絶対記憶能力」を持ち、「怪異現象が起きるとハイテンション」になり、尚哉がいつも止めます。12歳の時に神隠しに遭い、それ以来鳥を見ると気を失うことがあります。
清和大学文学部の学生の深町尚哉は十歳の時に遭遇したある出来事の後、他人が嘘を言うと声が歪んで聞こえるようになりました。そのため常に耳に音楽プレーヤーのイヤホンをつけ、周りの声を聞かないようにしており、周囲とは距離を置いています。彼の特殊能力を知った高槻からバイトとして助手をしないかと言われ、今や高槻とは切っても切れない仲になっています。
この二人とよく行動を共にするのが、高槻の幼馴染みで警視庁刑事部捜査一課の刑事の佐々倉健司。とにかく「でかく」て、顔が怖いのですが、実はとても友だち思いです。


『准教授・高槻彰良の推察 4 そして異界の扉がひらく』
四月に尚哉は大学二年生になりましたが、小柄で垢抜けない尚哉は1年生に思われサークルから誘われる始末、笑。
史学科の専門科目の『現代民俗学講座Ⅰ』という高槻の講義を選択しています。
高槻の講義は有名な都市伝説の『きさらぎ駅』から始まりました。
(注意:講義の内容やこれから出てくる怪異相談について詳しく知りたい方は本を読んでね)

高槻が開設している『隣のハナシ』というサイトに届いた依頼は「四時四十四分の呪い」に関するものでした。
『遠山建築設計事務所』で次々と起る「4」の呪いを高槻は解けるのか。

そしてもう一つ。「江ノ島に人魚が出た」という噂を確かめに、高槻と尚哉、佐々倉、高槻のおじの渉は江ノ島に行きます。そこでお母さんが人魚になったという男の子と沙絵という謎の女性に出逢います。

今回の本のメインは何と言っても高槻彰良の過去です。過去と行っても神隠し後ですが。
イギリス住んでいる高槻渉という彰良のおじさんが日本にやって来ます。
高槻は15歳から18歳までイギリスの渉のところでお世話になっていたのです。
尚哉は渉からその頃の彰良の話を聞きます。

『准教授・高槻彰良の推察 5 生者は語り死者は踊る』
夏休みになりました。
夏休みの楽しみというと、そうです、百物語です。(違うか…)
大学の集会室を借りて、百物語を開催することになります。
参加者は二十五名、一人四話ずつ語り、ろうそくの代わりにキャンドル型LEDライトを使います。さて、語り終わった後に何が起るのか…(怖)。

この回のクライマックスでは、いよいよあの祭りの夜の謎が解かれます。
8月14日から16日まで高槻と尚哉、そして佐々倉は長野の旧小山村の尚哉の耳に異常が生じるきっかけとなった死者の祭の調査に行きます。
果たして高槻たちは死者の祭の謎を解くことができるのでしょうか。

『准教授・高槻彰良の推察 6 鏡がうつす影』
長野から無事に生還した尚哉たちでしたが、高槻はその間の記憶をなくしていました。
あれから一週間が経ち、高槻のところに行ってみようかと思っている時に佐々倉から電話がきて、高槻が熱を出したらしいので様子を見てきてくれと言われます。
行ってみると、高槻は熱はあるのですが元気で、『隣のハナシ』に来ている相談メールのことを気にしていました。
相談とはお化け屋敷に本物のお化けがいるかもしれないというものでした。
早速そのお化け屋敷に行ってみる高槻たちです。

やがて夏休みも終わり、学生たちが大学に戻ってきました。
高槻の講義の一発目は『ジェットババア』。
その講義の後に、高槻からバイトの話があるというので行ってみると、今回はなんと高槻の従弟からの依頼でした。彼の婚約者に「人面瘡」ができたというのです。

十月の講義のテーマのひとつが『紫鏡』の都市伝説でした。
『隣のハナシ』に届いた相談メールはこの講義を聞いた女子学生からで、彼女の家に紫鏡があるというのです。彼女は今19歳。二十歳になるまで紫鏡を覚えていたら死ぬという話が怖くて、この鏡が本当に『紫鏡』であるのか調べて欲しいという依頼です。

『准教授・高槻彰良の推察 EX』
今回はちょっといつもとは趣の違うスペシャル番外編です。
高槻のイケメンぶりを紹介しましょう。
「大きな二重の目に、すっと綺麗に通った鼻筋。甘く端正な顔に柔らかな笑みを浮かべ、すらりとした長身を仕立ての良い三つ揃いのスーツで包」んでいるそうです。こんなにカッコいい大学教授っていないですよね(偏見です)。
彼がいつも飲んでいるのが、甘~いマシュマロココアっていうのが、ちょっと難ですが、笑。

今回紹介するキャラの濃い、変人教授は史学科日本史専攻の三谷孝行教授です。
彼は市松人形のコレクターで、研究室にたくさん置いているため、院生が気味悪がって近付かないらしいです。
新しい子をお迎えすると、いつも高槻に見せに来るそうです。
市松人形ってちょっと不気味ですよね。見て喜ぶのは高槻ぐらいよねぇ。
今回の一つ目のお話は三谷教授の市松人形に関するお話です。ブログに新しい人形の写真を載せたら、うちの祖母が大切にしていた市松人形かもしれませんとメールがきたとか。三谷から頼まれた高槻たちがその人に話を聞くと、その市松人形が動くので、気味悪がった母親に捨てられたのではと言うのです。

二話目は尚哉とわんこの切ないお話。
何故尚哉がレトリーバー柄のマグカップを使うのかが明かされます。
尚哉の飼っていたわんこはゴールデンレトリーバーのレオと言い、十歳のあの日以降もずっと側にいてくれたのです。孤独な彼の唯一の友だちでした。人間とは違い、わんこは嘘をつかないものね。

三話目は尚哉のお友達の難波要一君と尚哉のことです。
十歳のあの日から人間に対して心を閉じていた尚哉の数少ない、いいえたった一人の友だちが難波君です。いつかあの日のことを難波君に話せるといいですね。

四話目は佐々倉健司と高槻の仲の良さがわかるお話。
佐々倉の高槻愛は強いです。
どうも高槻は警視庁捜査一課異質事件捜査係から目をつけられているみたいです。
異捜は高槻に昔起ったことを知っているのか…?
激辛赤唐辛子煎餅でむせる健司が可愛いです、笑。

テレビドラマになっているようなので、写真を見てみると…高槻のイメージが違い過ぎます。なんで伊野尾君なの。尚哉役だったら合ってたのに。
せめて『ここは今から倫理です。』の山田裕貴ぐらい似てたら許せたのに。
(山田裕貴さんはこのドラマで初めて知りました。ファンではありませんので、あしからず)

本の中に出てくる民俗学の説明が面白いです。長すぎず、難しすぎず、ほどほどで読みやすいです。私はこの説明を読みたいがために読んでいるといってもいいぐらいです(半分ホント)。
民俗学って何ぞやと思う人がいたら、読んでみると参考になるかもしれません。
怪奇現象や都市伝説などが好きでなくても楽しめるシリーズです。

by coco [日本ミステリ] [コメント(0)|トラックバック(0)]

サラ・パレツキー 『クロス・ボーダー』 ― 2021/09/22

久しぶりのヴィク(V・I・ウォーショースキー)です。
2017年12月に『フォール・アウト』が発売されて以来ですから、約三年半ぶりですかね。
ヴィクも50代?かな。体力も限界に近付いたはずですが…。


ヴィクのいいところでもあり、悪いところでもあるのが、身内に弱いというところです。今回もお金にならないというのに、頼られると断れません。
守る相手はヴィクのことを信用してくれず、肝心なことを話してくれないというのに…。

ヴィクは午前二時にフェリックス・ハーシェルからの電話に起こされます。
ドアに警官がいるというのです。
急いで行ってみると、フェリックスに遺体の身元確認を頼みたいとのこと。
遺体は森と沼地と小さな湖が連なるエリアのキャップ・サウアーズ・ホールディングに遺棄されていて、その遺体のジーンズにフェリックスの名前と電話番号が書かれた紙が入っていたというのです。
そこに行って遺体を見てみますが、フェリックスは誰かわからないようです。

フェリックスはロティ・ハーシェルの弟・ヒューゴの孫です。カナダ国籍で、イリノイ工科大学の大学院で機械工学を専攻しています。<自由国家の技師団>のメンバーで、この冬、ICE(移民・関税執行局)に拘束されていました。
フェリックスは殺人事件の容疑者となってしまい、ヴィクはロティに助けを求められます。
ロティはヴィクにとって親友であり、指導者(メンター)であり、主治医でもある、とても大切な人なので、彼女の頼みならどんなことでも引き受けるヴィクなのです。

長い一日の後、姪のハーモニー・シールがアパートに現れ、姉のリノが失踪したので探して欲しいと言います。
ハーモニーとリノは元夫、ディック・ヤーボローの妹、ベッキー・シールの娘で、もう随分会っていません。
血のつながりもない姪なのに、幼い頃から悲惨な暮らしをしてきたハーモニーが警察には行かないと言ったため、ヴィクはリノを探すことを承知してしまいます。

リノは一年前にシカゴに出てきて、ディックの世話で金融会社の<レストEZ>に就職し、昇進して、カリブ海のパーティに参加し、それから様子がおかしくなったようです。

身はひとつなのに、一度にふたつの事件を追うことになるヴィク。
一見関係なさそうに思えた事件につながりがあることがわかってきます。
危機一髪という場面が何度かありますが、ヴィクは満身創痍ながら危機を脱していきます。
いくつになってもヴィクは格好いい、素敵な女性です。
ヴィク姉さん、いつまでもついていきます、笑。

アメリカの2016年から2018年を描いた作品です。
次作の「Dead Land」、今回みたいに待たせないで、早く出版して欲しいです。


今週のおやつ。


月に1、2回は頼んじゃいます。
コンビニスィーツも楽しみですが、やっぱりお菓子屋さんの方が美味しいですね。

by coco [外国ミステリ] [美味しいもの] [コメント(0)|トラックバック(0)]

「BOSCH/ボッシュ」シリーズ5を観る ― 2021/09/23



15ヶ月後。

大学に行ったマディが夏休みにLAに戻って来て、学生ボランティアとして検事局で働いています。
トムというCIU(誤判究明部)の助手がスカイラー事件を再調査していると教えてくれます。
この事件はロック歌手のボーダーズが若い女性のダニエル・スカイラーをレイプし殺害したというもので、当時アーヴィングが捜査の指揮をとっており、ボッシュが見つけたペンダントが重要な証拠になっていました。
別の事件で収監中のオルマーという男が死に際にこの事件の真相を口にし、ハンカチに残っていたDNAがオルマーのものと一致すると、ボーダーズは自由の身になり、ボッシュが検挙した他の事件も再調査される可能性が出てきます。
CIUのクリスティーナ・ヘンリーが再調査の担当で、ボッシュが証拠を捏造したと決めつけています。彼女は過去にボッシュとつき合っており、別れる時にもめ、昇進の邪魔をボッシュがしたと思っており、ボッシュに恨みを持っていました。
ボッシュはチャンドラーに弁護を頼み、調査員のボナーが事件の背景を調べていくことになります。
マディはボッシュのことが心配で、密かにスカイラー事件の再調査のことを探り始めます。

別の日、顔をマスクで覆った2人組の男が薬局のオーナーのホセ・エスキヴェル・シニアを銃で殺害し逃走します。息子のホセ・ジュニアは父の殺害を知り、行方をくらまします。
(この時、ジョンソン&ムーアの車がパトカーとぶつかってしまいます)
家宅捜査の結果、ホセ・シニアは麻薬系医療鎮痛剤のオキシコドンの出し過ぎだとガルシア医師を訴えていたことがわかります。
ボッシュとエドガーがガルシア・ペイン・クリニックを見張っていると、沢山の人が乗ったバンがやって来ます。クリニックに入った後、薬局に行き、処方された薬を運転手に渡しています。この後彼らは小型機に乗り、どこかに行ってしまいます。
ボッシュは麻薬取締局のホーヴァンに会いクリニックの情報をもらいますが、彼はLAでは処方箋を乱発する医師よりもギャングの方が優先で、小さな山には関心がないと言います。
ボッシュは膝の悪い退役軍人のふりをして退役軍人病院に行き、オキシコドンを処方してもらおうとしますが、グループセラピーを勧められます。
セラピーで出逢ったルイス・テグナーを尾行していき、彼の家を訪問すると、同じセラピーに参加していたエリザベス・クレイトンが薬の過剰摂取で倒れており、ボッシュは救急車を呼びます。
この時デグナーの薬物をとっさに隠し、その見返りとしてガルシア・ペイン・クリニックに渡りをつけてもらうことになります。
テグナーの手引きでクリニックに行くと、そこにいたのは退役軍人病院の医師、ハンセンでした。
ハンセンはボッシュ(潜入捜査時の名はライリー)を憐れな薬物常習者とみなし、薬をくれ、借りを返してもらう時に連絡すると言います。
しばらくして連絡があり、ボッシュはガルシア・ペイン・クリニックから出る薬局巡りのバンに乗りますが、エドガーたちの尾行が気づかれ、バンはクリニックに戻らず、ボッシュは空港から小型機に乗せられ、どこかに連れ去られてしまいます。

同じ頃、エドガーはサウス管区の刑事マルコスとアリアスから、エドガーの情報屋だったギャリー・ワイズを紹介してくれと頼まれます。彼が2人の子どもが教会の外で流れ弾に当たって亡くなった事件について何か知っているのではないかと言うのです。しかしワイズは何者かによって殺害されてしまいます。
エドガーはワイズの死が自分のせいだ
と思い、この事件を調べていくことにします。

楽しい二人組のジョンソン&ムーアは車の事故のため閑職に追いやられ、ジョンソン(ビア樽の方)は退職を考え始め、そうムーアに告げます。
彼のためにサプライズ・パーティが開かれることになりますが…。
そうそう、残念ながらジョンソンも離婚経験者でした。それも3回も。

アーヴィングはジュン・パクと一緒に暮らしており、ジュンはアーヴィングが市長選に出ることにとても意欲的です。
スカイラー事件で彼がしたことにはガッカリしました。清廉潔白な警官だと思っていたのに…。

潜入捜査でボッシュの行方がわからなくなった時、マディは母のみか父まで亡くすのかと思ったようです。
ボッシュに「何人殺したの?」と聞き、「数を聞いてどうする」と言ったボッシュに、「パパを失いかけた回数よ」と答えるマディがとても愛しいですね。
父思いはわかりますが、してはいけないことをしてしまいます。

ボッシュは砂漠の薬物組織のアジトで殺されかけた犬を助け、飼い始めます。
ジャズ好きのボッシュは彼にコルトレーンと名づけました。
(ジョン・コルトレーンはモダンジャズを代表する有名なサックスプレーヤーです)
ボッシュは生い立ちのせいか、不幸な女性が気になるようですね。薬物常習者で娘が殺されているクレイトンに妙な思い入れがありますもの。
それにブレイシャー(シーズン1)にしてもヘンリーにしても女性の趣味があまりよろしくないようです。エレノアが一番よかったですね。

ロバートソン刑事は他の署に異動したみたいですが、それでもボッシュとの縁は切れていません。エドガーにボッシュと組んでいると出世はできないとか余計なことを言っていますが、ボッシュもロバートソンも似たもの同士なので、反発し合うのかしら?

今回は薬物組織の男たちとボッシュの戦いが山場です。

by coco [映画・ドラマ他] [コメント(2)|トラックバック(0)]

若竹七海 『パラダイス・ガーデンの喪失』 ― 2021/09/24

10年ぶりの葉崎市シリーズだということですが、記憶力の乏しい私は読んでいても誰が前に出てきていたのか思い出せませんでした(恥)。
それに次から次に人が登場して場面が展開するので、ついていくのも大変。
私の脳も衰えているのか(悲)。
葉村晶シリーズではそうでもないのですけどね(言い訳よ)。


2020年10月、葉崎市の崖の上にある”パラダイス・ガーデン”で女性の遺体が発見されます。
”パラダイス・ガーデン”は兵藤房子の個人庭園で、彼女の亡き母が名づけました。
コンテストに入賞したり、マスコミに取り上げられたりしたため、見学希望者がやってくるようになり、入場料を取り、<パラダイス・カフェ>を始めるようになっていましたが、コロナ禍の今はカフェはお休みしています。
何で遺体がここにあるの。
知らない人だというのに、警察には自殺幇助を疑われ、その上、ここに老人ホームが建つ予定ですって、そんな話、聞いてないと戸惑う房子。
葉崎署刑事課総務担当警部補の二村貴美子が、マスクにフェイスシールドではなく、サンバイザー姿でやってきます。まるでロボットだわぁ。

その頃、葉崎警察署は大忙し。
誘拐事件が起り、身代金が要求されました。
誘拐事件が片付くまで、”パラダイス・ガーデン”の件は不審死にし、世の注目を集めないように厳命していたのに、それなのに元キルト作家の前田潮子が殺され、その遺体を兵藤房子が見つけてしまいます。三日間で死体を二つも…。
また二村が呼ばれ、房子の口封じを命じられますが、肝心の誘拐事件では身代金を持って行かれ、バッグの底のGPS発信機はどこかに行ってしまい、監視カメラには不具合があり、防犯カメラのデータが消去されてしまい…犯人の所在も人質の安否もわからず、散々な結果となります。

重要事件からハブられながらも、住民たちに聞き込みをしていた二村が辿り着いた真実とは…。

一見関係のないような出来事が集まると、パッチワークのように図柄ができあがっていき、その手際のよさには感心しましたが、今までの葉崎市シリーズのようには楽しめませんでした。
魅力的な登場人物が二村以外にいないんですもの。みんなそれぞれに癖があり、老女ってそんなもんですかね。
最後がびっくり。続きが読みたくなりました。


ワル顔のお兄ちゃんです。


エビをくわえると、何で人相が悪くなるのかわかりません。


エビを離しても、同じですねぇ。

昨日、弟は先にパパとお散歩して、その後、パパとママと兄でお散歩をしていると、自転車に乗って通り過ぎた親子のママさんが「見た。可愛かったねぇ。可愛かったよねぇ」と大声で何回も子どもに言っていました。
兄はお散歩が大好きなので、いつも楽しそうに歩いています。
そんな姿が可愛かったんでしょうね(親バカです)。

コロナ禍でペットを飼う人が多くなったとのことですが、トリミングの予約も取りづらくなり、本当だったんだと思うこの頃です。
犬の毛のカットの仕方を覚えようかしら。

by coco [日本ミステリ] [犬との生活] [コメント(0)|トラックバック(0)]

米澤穂信 『黒牢城』 ― 2021/09/25

米澤穂信、初の歴史ミステリー小説です。

黒田官兵衛は知っていましたが、荒木村重のことは知りませんでした。 
どんな人なのか調べてみました。知っている人は端折って読んでくださいね。

荒木村重は戦国から安土桃山時代の武将で、池田家を乗っ取り、三好家に仕えていたのですが織田家に鞍替えします。しかし天正6年(1578年)10月、突如織田信長に反旗を翻し、有岡城に籠城。秀吉から降伏の説得に派遣された小寺官兵衛(黒田官兵衛)を土牢に幽閉します。
この時のことがこの小説に描かれています。
この後のことを知ると、村重のことは嫌いな武将の一人となりました。
天正7年(1579年)9月、家臣や妻子を残し、わずかな供を連れ有岡城を脱出し、尼崎城に向かいます。
信長は尼崎城や花隈城を開城して降伏すれば、有岡城に残っている妻子や一族郎党を助命するという提案をしますが、村重はこれを拒否。信長は荒木一族や重臣の家族たちを次々と処刑していき(約670名)、村重は「一族を見殺しにした男」として後生まで批判を浴びたそうです。
この後、村重はのうのうと生き長らえ、信長の死後、堺に戻り居住します。千利休らとの親交を深め、茶人として利休七哲(十哲?)の一人として名をあげられています。
後に秀吉への悪口がバレ、処刑されるのを怖れて出家し、天正14年(1586年)に52歳で死去します。
「浮世絵の祖」と言われている岩佐又兵衛が、唯一生き残った村重の息子だそうです。
武将なら一族郎党のために自らの命を差し出せよと言いたくなりました。

黒田官兵衛は有岡城陥落後、家臣らに救出され、その後、秀吉と家康に仕え、慶長9年(1604年)に京都で亡くなります。享年59歳でした。
側室をもたず、生涯一人の女性を愛した愛妻家だとか。
村重よりも官兵衛の方が魅力的ですわ、笑。


有岡城に立て籠もった荒木村重は毛利からの援軍を待っていました。
その間に城内では次々と怪事件が発生し、考えに行き詰まった村重は官兵衛にこれらの事件のことを話します。
官兵衛は村重に謎を解く手がかりを与えていきます。

城内に籠もっているうちに、だんだんと家臣の士気は下がり、彼らの心中を把握できなくなっていく村重。
誰が寝返り、敵と通じているのか、疑心暗鬼になる村重。
終いには心を許せる家臣が一人もいなくなり、皮肉なことに官兵衛しか話し相手がいなくなり、孤独な村重。
そんな村重を傍観しながら、官兵衛は密かに策略を練っていたのです…。

第一章から第四章までそれほどではなかったのですが、終章で真の主人公がわかり、俄然面白くなり、官兵衛と村重の駆け引きにワクワクしました。
本当にこんな話をしていたのではと思わせるところが読書の醍醐味ですね。


by coco [日本ミステリ] [歴史・時代小説] [コメント(0)|トラックバック(0)]

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