ポール・ギャリコ 『ミセス・ハリス、パリへ行く』2022/11/06



秋も深まり、イチョウの葉が黄色く色づいてきました。


相変わらず、うちの犬たちはカメラを向けるとそっぽを向きます。


やっぱりおやつを見せないとダメかしら…。


映画になったというので、読んでみました。

1950年代のロンドン。
ハリスおばさんことエイダ・ハリスは通いの家政婦をしている。
夫は亡くなり、質素な生活を送っている、もうすぐ60歳の女性だ。
ある日、勤め先のレディ・ダントの衣装戸棚にあった完璧な美しさをもつディオールのドレスを見て、心が引かれ、こう思った。
自分もこんなドレスが欲しい。
世界で最高に高価な店と折り紙のついている、パリのディオールの店から、なんとしてもドレスを買いたい。

そんな時にフットボールの賭けが当たる。
賞金は百二ポンド七シリング九ペンス半。
しかしディオールのドレスは四百五十ポンド。
全然足りないとがっかりするハリスおばさん。
でも美しいドレスを手に入れたら、もうこの世には、なにもほしいものはのこってやしない。
そう思い、ハリスおばさんは爪に火を灯すように節約を心掛けた。

二年六ヶ月と三週間たった後、とうとうお金が貯まった。
喜び勇んでパリへいくハリスおばさんだったが…。

ハリスおばさんは自分の仕事に誇りがあります。
自分が汗水垂らして稼いだお金なのだから、何も卑屈になったり、恥じることはない。
そう思う彼女から醸し出される気概がディオールのお店でも受け入れられ、様々な人たちから手を差し伸べられ、愛されることになったのでしょう。
最後はちょっぴりほろ苦いけど、人生ってそんなもんかもしれませんね。
ハリスおばさんは全くものともしていないのが救いですけど。
ハリスおばさんのように年を取りたいもんです。
人に笑われてもいいから、やりたいことをしたいですね。

児童書なのかな?でも大人が読んだ方がもっと楽しめそうです。
ほっこりとしたいいお話です。

映画の予告編はこちら

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2022/11/06/9538781/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。