小野寺史宜 『タクジョ!』2022/11/01



「タクジョ」とは女性タクシードライバーのこと。
わたしは女性ドライバーのバスに1回乗ったことがありますが、タクシーはありません。
タクシーの女性ドライバーは本(2020年発行)によると3%いないぐらいだそうです。
まだまだ少ないですね。

高間夏子は大卒の新卒タクシードライバー。
車が好きなのと大学時代にあるニュースを見て、タクシードライバーになろうと思った。
夏子の会社は東央タクシーといい、営業区域は東京都特別区と武三(武蔵野市と三鷹市)交通圏。
隔日勤務で午前八時から翌午前四時まで運転するが、休みが多いのが魅力のひとつだ。
一日に三十人強を乗せ、一日の売上は六万円弱。

お客は女性ドライバーが珍しいのか、よく話しかけてくる。
やばいお客にも遭った。
若い女のお客だと安心していたら、駕籠抜けされた。

母の知り合いから紹介されて、公務員の男性と付き合った。
彼は都立高校教師の父の教え子で結婚を意識するが、夏子の仕事がネックになった。

夏子は先輩や同期と仲良く愚痴りながらもなんとかやっている。
東京観光タクシーに挑戦しようかとも思い始めた。
タクシードライバーは辞めずに続ける予定だ。

久々のお仕事小説です。
タクシー業界あるあるは知らないものにとってはなるほどと思える内容でした。
夏子がとっても良い子で、会社の仲間たちもいい人たちで、タクシー業界のイメージが少しよくなりました。
だってタクシーの運転手にはちょっと変わった人が多いとか、仕事柄ストレスが多く、家族に当たったりするとか、そんな話を聞いていたのですもの。
失礼しましたm(__)m。
そうそう、目黒かどこかでものすごく高齢の男性ドライバーのタクシーに乗ったことがあります。天国とかの不思議な話をする人でした。
もう空の向こうに行ってしまっただろうなぁ…。

続編、『タクジョ!みんなのみち』が今月出版されるようです。
この本といっしょに読むといいかも。