ほしおさなえ 『紙屋ふじさき 結のアルバム』2022/11/30



新型コロナウィルスの影響で、百花がバイトをしているふじさき記念館の最後のワークショップと閉館イベントが中止になり、そのまま記念館は閉館。3月末に片付けを終えました。
春から藤崎産業の本社でアルバイトをする予定がなくなりました。

大学では、授業はオンラインになり、新入生へのサークル紹介はできず、各サークルの情報を掲載したPDFを配布のみで、文化祭もオンライン開催となります。
小冊子研究会では「わたしたちの日常」という企画を立て、研究会のサイトのなかに投稿フォームを設置して、様々な人たちに自分たちの日常を綴ってもらい、最後に一冊の雑誌にまとめ、売ることにします。

四年生になった百花は新しい生活様式に戸惑いながらも、就活と卒論に取り組み始めます。
とりあえず藤崎産業の採用試験だけを受け、卒論で小川未明の作品における海の描写について論じることにします。
とにかく前に進むしかないのです。

記念館の館長だった藤崎一成は本社で医療用品の部署の手伝いをしており、慣れない仕事で大変な様子。
記念館はどうなるのか…。

コロナ禍におけるリアルな大学生たちが描かれており、共感できることが多いでしょう。
会えなくてもみんなの思いは同じ、心は通じるのです。
笹山先生のような大学教授に会いたかったなぁ。

コロナ禍の三年目が過ぎようとしています。
この頃慣れてしまい、もともと一人でいるのが苦にならないので、意外にいいなと思ったりしています。
でもわたしのような大人はいいのですが、子どもや若者は可哀想です。
やっと給食は黙食でなくていいと文科省が言い出したようですね。
当たり前にできたことができなかったのですから、その影響がどう出るのかちょっと心配です。

最後に笹山先生の言葉を乗せておきます。

「どんな仕事も、これまでの歴史を背負っている。過去を背負い、先に進む、生きるとはそういうことです。世の中はいいことばかりではないですから、苦しむこともあるでしょう。でも、よく生きてください」

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