食にまつわるお話、三冊(文庫本) ― 2024/07/05
文庫本がたまっているので、三冊いっしょに紹介します。

柳瀬みちる 『神保町・喫茶ソウセキ 真実は黒カレーのスパイスに』
『神保町・喫茶ソウセキ』の続編。
神田神保町に文豪カレーが人気の喫茶ソウセキを開いて一年半。千晴もなんとか経営に慣れてきた。ところが突如、不穏な雰囲気が漂い始める。というのも、嫌がらせを受けるようになったのだ。
どうも大辛シムロという文学系VTuberが小説家・葉山トモキをぶん殴れとか、店を叩き潰せ的なことを言ったので、その信者がやったようだ。
なんとかシムロを突きとめるが、次々と事件が起り…。
ネットの影響って大きく、一旦起った嫌がらせはなかなかおさまらないものなんですね。
便利だけど、使う人の道徳観に任せられるのってよく考えたら、怖いかも。
新しい文豪カレーはシチューポットパイをカレーでアレンジした『太宰カレー』とタイのプーパッポンカリーをベースにアレンジした『林芙美子カレー』、昭和レトロに見えるけど辛口スパイシーな坂口安吾カレー。
そして、文豪には関係ないのですが、メキシコの『モレ・ポブラーノ』をベースにしてチョコレートを使った黒いカレーが出てきて、どれも美味しそうです。
嫌なことがあったけど、シェフ心が刺激され、美味しいカレーができればいいじゃないのと言いたくなりましたww。
斉藤千輪 『出張シェフはお見通し 九条都子の謎解きレシピ』
出張シェフの九条都子は様々な場所に呼ばれ、料理を作り、そこにあるトラブルを解決していく。例えば…。
①貸し切りのクルーザーで音楽家ロッシーニをテーマにした料理を作り、一歩が踏み出せない大学時代の後輩を勇気づける。
②入院していた母親の快気祝いを作った先の家で、母親が雑誌を山のように買っている謎を解く。
③料理提供に行った先の婚活パーティに数あわせに参加し、もてない男性をカップリングさせる。
④ハウスダイナーの三周年パーティで、意地悪な記者の取材に答えるために急遽フランス人シェフと即興で作る料理バトルをやることになる。
北海道の甘い栗の入った茶碗蒸しが出てきて、懐かしくなりました。
赤飯に甘納豆を入れるのと同様に、北海道以外ではあまり入れないのでしょうかね。美味しいのに。
都子の辛い過去が明らかになりましたが、続編がありそうな終わり方です。
長月天音 『キッチン常夜灯 クロックムッシュ』
『キッチン常夜灯』の続編。
前回の主人公はチェーン店「ファミリーグリル・シリウス浅草雷門通り店」の店長の南雲みもざでしたが、今回はチェーン店を経営している株式会社オオイヌの本社営業部に所属している新田つぐみです。
株式会社オオイヌは「女性活躍」を目標に、女性店長を増やし、その代わりにベテラン男性社員が本社勤務になっている。居場所を失った彼らに気を遣いながら仕事をしているつぐみは疲労困憊してストレスがたまっている。結婚を意識した彼氏との間も上手くいかず、電話も来なくなり、会うこともなくなった。
クレーム処理をして遅くなった日、みもざから店のパソコンの調子が悪く、売上げを報告できないかもしれないとの電話がくる。その後、みもざに連れて行かれた店が「キッチン常夜灯」だった。
そんなある日、つぐみはデザートメニューの開発をすることになる。甘い物が苦手なつぐみは困り、常夜灯のシェフに相談する。
会社がどこまで社員のことを考えているのかは難しいところですよね。
会社の「女性活躍」という勝手な目標のために、みもざもつぐみも大変な思いをしています。
でも会社がクレームを重く受け取ってくれたので、つぐみのなやみが解消されました。クレームって役立つものなのね。
世の中の頑張って働く女性のために、常夜灯のようなレストランがあればいいなぁ。
お腹が空いていると、美味しいお料理が食べたくなるお話です。
軽い本が読みたい時にどうぞ。
コメント
_ ろき ― 2024/07/06 18時23分51秒
_ coco ― 2024/07/06 19時11分45秒
ろきさん、私も黒いカレーが食べたいです。
茶碗蒸しに栗が入っていても、あの瓶詰めの甘い栗ではないみたいです。北海道は甘みが強い方が好まれるのかも。
そうそう納豆にバターは美味しいと言っても、こちらの人は嫌がります。
うちでは毎朝食べてたけど。美味しいのに😋
茶碗蒸しに栗が入っていても、あの瓶詰めの甘い栗ではないみたいです。北海道は甘みが強い方が好まれるのかも。
そうそう納豆にバターは美味しいと言っても、こちらの人は嫌がります。
うちでは毎朝食べてたけど。美味しいのに😋
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あれ、普通の茶碗蒸しって甘い栗入っていないんでしたっけ?美味しいのに。
食べ物が出てくる本は楽しいですね。読んでも太らないしw
クレームはむしろ助かる場合も(たまにかもですが)ありますね。