小路幸也 『花咲小路二丁目中通りのアンパイア』 ― 2025/01/19
「花咲小路商店街」シリーズの八作目。
今回の主人公は宇部家の末っ子の禄朗。
姉が四人いて、四人の姉は全員、花咲小路商店街の店主と結婚している。
禄郎は野球命の男で、甲子園に一回出たが、肩を壊し、野球を諦めた。
高校を出てから二年間だけ警察官をやり、父親が亡くなったので後を継ぎ、<たいやき波平>をしている。
アンパイアの資格を取り、今でも野球に関わっている。
禄郎が膝前十時靱帯損傷で入院した。
店はしばらく休んでいたが、退院したら、婚約者のユイが手伝いに来た。
ユイは禄郎よりも十四歳下で、オリンピックにも出た射撃選手。
まわりはこの際だから、結婚しちゃえばと思っている。
ある日、禄郎はユイに自分の秘密の能力を打ち明ける。
この特殊な能力のために、彼は人と距離を置き、深く付き合わなかったのだが、ユイは例外だったのだ。
禄郎は彼が持つ能力故に、いやが上にも花咲小路商店街の人たちに起る、大小にかかわらず、様々な事件に気づいてしまう。
彼はそれを放ってはおけず、セイさんや<松宮電子堂>の北斗君などの助けを借りて、解決していく。
今回のメインは彼が高校球児だった時の出来事に関する謎。
やっとあの時の謎の真相が明かされる。
「東京バンドワゴン」シリーズもそうですが、出てくる人たちは皆、いい人たちで、軽いミステリではありますが、誰も死なず、誰もが幸せになる解決策が使われています。
まあ、出来過ぎ感はありますがね。
前回はSFチックなお話で、このシリーズはどうなるのだろうという不安がありましたが、普通営業になり、一安心です。
花咲小路商店街のことが知りたい方はここを見てください。
「花咲小路商店街」シリーズの順番
①『花咲小路四丁目の聖人』
②『花咲小路一丁目の刑事』
④『花咲小路三丁目のナイト』
⑦『花咲小路二丁目の寫眞館』
⑧『花咲小路二丁目中通りのアンパイア』(本書)
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