堂場瞬一 『全悪 警視庁追跡調査係』 ― 2025/01/25
警視庁追跡捜査係シリーズの13作目。

未解決事件を専門に再捜査する追跡捜査係の西川大和は係長の水木京佳からある事件の再調査を命じられる。
その事件の発生は一九九七年九月九日。
新宿区の路上で三十五歳の会社員・富田幸樹が襲われて死亡した。
現場での目撃証言などから、顔見知りの野澤力が捜査線上に上がり、逮捕された。
しかし、一審で有罪になったが、高裁、最高裁では無罪判決が出て、確定した。
西川は時間を無駄にするだけで終わりそうな嫌な予感がする。
同じ頃、沖田は追跡捜査係の前の係長の鳩山から呼び出される。
鳩山は目黒南署の刑事課長を勤めている。
鳩山は沖田に指導役として所轄の若手に実地訓練をして欲しいと頼む。
再捜査する事件は、五年前に起きた強盗事件。
事件の被害者は当時七十五歳だった羽島三郎で、自宅にあった一億五千万円が盗まれ、被害者は頭を殴られ、半身不随の状態で、今も入院しているという。
鳩山は犯人の目星はついているので、それをベースに若手を指導してくれ。
一週間もあれば解決すると簡単に言うが、じゃあ、何故今までに解決していないのかと思う沖田だったが、体よく交番勤務から刑事課になったばかりの井村翔太と小池藍美という二人の若手刑事を押しつけられてしまう。
全く関係がなさそうな事件を追う西川と沖田。
しかし、入念な聞き込みを続けていくと、共通する人物が見つかる。
別々だった二つの事件がやがて交差し、事件の真相が明らかになっていくというのは前もそうではなかったかしら。
そこが面白くもあり、ご都合主義とも思えますがww。
西川と沖田が一緒に捜査しない方が落ち着いていてよいですね。
二人が集まると、丁々発止の悪口合戦が始まりそうなんですもの。
「全悪」というわりに、犯人や事件の関係者が小粒でした。
誤認逮捕された野澤の行く末が思いやられます。
犯人が逮捕されても、それで終わりということはないのです。
人生は続いて行きますから。
なにやら切なくなる終わりでした。
警視庁追跡調査係シリーズ
①『交錯』
②『策謀』
③『謀略』
④『標的の男』
⑤『刑事の絆』
⑥『暗い穴』
⑦『報い』
⑧『脅迫者』
⑨『垂れ込み』
⑩『時効の果て』
⑪『不可能な過去』
⑫『陰からの一撃』
⑬『全悪』(本書)
このシリーズをすべて読んでいると思っていたら、読んでいませんでした。
一作目はkindleに買ってあったのにね。
似たようなシリーズがあるので、勘違いしたみたいですww。
後出しになってしまいますが、一作目を読んでみますね。
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