鳴海響一 『湘南機動鑑識隊 朝比奈小雪』 ― 2025/05/17
鳴海さんの新しいシリーズです。

朝比奈小雪は鑑識体制の強化を目的に新設された機動鑑識隊江の島分駐所の新米鑑識員。
機動鑑識隊は湘南地域で発生した事件に二十四時間対応する遊軍部隊だ。
小雪は江ノ島生まれで、今も江ノ島に住んでいる。
美術大学を出てから二年間は県警総務部広報県民課の事務職員をやっていたが、途中から警察官になりたくなり、警察官試験を受け採用された。
警察学校を卒業し、麻生署の交番勤務を経て、今年の四月に希望の刑事部機動鑑識隊に異動できた。
小雪の属する機動鑑識隊、縮めて機鑑隊のメンバーは池田班長と平井、戸川、磯辺、そして小雪の五名だ。
小雪は初めての出動でヘマをしてしまう。
マンションの5階の自室から転落したらしいマルガイ(被害者)を見て気を失ってしまったのだ。
その上、被害者の部屋にシャム猫の首が置かれているのを見て、意識を失った際に嘔吐してしまう。現場を汚してしまったのだ。
一ヶ月半が過ぎた頃、小雪の努力が実り、「手先が器用な新人鑑識」として認められるようになる。
異動してから三カ月経ち、少しだけ仕事に慣れてきた頃、変死している一人暮らしの老人の家で小雪は奇妙な足跡を見つける。
侵入者のうちの一人の足跡に迷いがないのだ。
小雪はこの『迷いなき男』が気になる。
それから半月も経たないうちに、小雪はまた『迷いなき男』と出会う。
現場に現れた捜査一課特命係の向井警部補は小雪の推理に関心を持つが・・・。
小雪は鑑識をするよりも刑事になった方がよさそうに思えますが、これからどうなって行くのか、一作目ですから様子見しましょう。
彼女のお父さんが有名な画家で、絵筆の扱いになれているので、娘にメイクをする場面が出てきて、笑ってしまいました。
これからもお父さんが登場してくれるといいですね。
同僚にはいけ好かない先輩がいますが、上司には恵まれているようなので、小雪もそのうちに戦力になるでしょう。
小雪の好きな絵はオランダのエレイン・デ・クーニングの≪無題(闘牛)≫でアーディゾン美術館にあるそうです。

なんとも言えない絵です。私には苦手な抽象画だわww。
美術館で見たかどうか、記憶にありません。
今のところヒロインの小雪にあまり魅力は感じていませんが、鑑識の仕事に興味があるので、続けて読んでみるつもりです。
「獣医ヤコブスの事件簿」を観る ― 2025/05/18
Prime Videoでは「ボッシュ:受け継がれるもの」のシーズン3が観られるようになっていますが、楽しみに取っておき、わんこが可愛い「獣医ヤコブスの事件簿」の方を見てみました。
「獣医ヤコブスの事件簿」シーズン1エピソード1~3

2014年から現在まで続いているドイツの大人気クライムドラマシリーズだそうです。期待以上に面白かったです。
Prime Videoではエピソード1~3しか観られないのが残念。
続きはシネフィルWOWOWプラスで観られるみたいです。
かつてハンブルグで警察官をしていたハウケ・ヤコブスは獣医として新しい人生を始めるために、海沿いの村シュヴァニッツにやって来る。
古い船を買って住み、地元の獣医が亡くなったので、動物病院を引き継ぎ、そこで働いていた助手のユーレ・クリスティアンゼンを雇った。
ヤコブスは人間嫌いというが、どうも訳ありで、身を隠すためにシュヴァニッツに来たようだ。
<エピソード1 ヨウムの証言>
ヤコブスは村に来た早々、警察に追われていた暴走車が海に飛び込むのを目撃する。車に乗っていたのは、偶然にも村の獣医で、現場に居合わせた警察官のローナ・フォークトに、死んだ獣医の動物病院を引き継いではどうかと言われる。
翌日、海辺を散歩している時に、漂着した船を見つける。浜辺には足跡が残されていた。好奇心から船の中に入ると、男が2人、死んでいた。
ヤコブスの身元を調べ、元警官だと知ったローナはヤコブスを事件に巻き込む。
<エピソード2 7年目のバイキングの呪い>
シュヴァニッツでは7年に一度、2月24日と25日の二日間にバイキングのヴィルデ・スヴェンが村人たちを呪い殺すと言う伝説がある。
7年前に命を落としたのはローナの親友のメラニーで、事故死と言われているが、ローナは疑問視していた。
今年も犠牲者が出る。犠牲者は自宅のベッドの上で亡くなっていたにもかかわらず溺死で、メラニーが事故死した時に現場に居合わせていた人物だった。
ローナは足を挫いたことを理由にして、ヤコブスに二日間だけ警官に戻ってくれと頼み、一緒に捜査を始める。
<エピソード3 愛犬ホリー撃たれる>
ある日の朝、ローナの父のレイマー・フォークトが入居している施設で銃声が聞こえた。ヤコブスが急いで行ってみると、一人の男が倒れていた。彼はヤコブスに紙にくるまれた金属片を託して亡くなる。
ヤコブスがローナに金属片を渡し、船に戻ると、何者かが家探しをした形跡があり、見知らぬ男に銃を向けられる。
一方、ローナは父親が家を売るらしいと聞き、実家に行き、一丁の銃と四冊のパスポートを見つける。パスポートの写真は父なのに名前が違っている。
施設で起こった殺人事件で使われていた銃が、諜報機関の人間が以前起こした事件で使われていたことがわかり、ローナは自分の父親の過去に疑惑を持つ。
ヤコブスの飼っている大きなわんこの犬種はなんなんでしょうね。

ワイマラナーかしら?名前がホリーなので、メスなんですか。
麻薬犬みたいに教えられた臭いがあるところにちゃんとお座りして知らせます。
とても頭のいい仔です。
他にもヨウムやプードル、牛、馬、カメ、アライグマなどの動物が出てきます。
ヨウムやカメ、アライグマは狭い場所で飼われていたので、ヤコブスが引き取ります。
牛は餌を食べなくなり、馬は厩舎から出なくなったので往診して診ます。
一番可哀想だったのが、プードルとアライグマ。
プードルは子供がいたずらで刺した釘がいっぱい刺さったソーセージを食べてしまい、開腹手術をします。
頭にきたヤコブスは飼い主に死んだと嘘をつき、プードルを助けます。
アライグマは育てられないからと少年に託されたのに、不慮の事故で亡くなってしまいます。
アライグマに会いに来た少年に本当のことが言えず、嘘をつくヤコブスですが、こういう嘘はついても許せますね。
動物愛が強い助手のユーレは赤毛の可愛い女性で、初めからヤコブスのことが気に入ったみたいで、一生懸命ヤコブスに粉をかけていますが、報われるのかなぁ?
警察官のローナは優秀みたいですが、小さな町だからか、警察官がローナ、一人しかいないです。そのためいつも一人で行動しています。危ないですねぇ。
ドイツってこんな感じなんですかね。
何か起こると、他の町から応援が来ますが、もう一人いた方がいいと思いますけどね。
それにしても検察医は何をしているのだか、いつもいません。
そのため獣医だというのにヤコブスが呼ばれ、結局は捜査協力してしまいます。
ローナにとっては渡りに船ですね。
ちょっとコミカルなところもあるドラマですが、事件は「刑事ヴァランダー」などで扱われていたものと同じくシリアスなものです。
気になったのが、ヤコブスがいつ獣医の資格を取ったのかです。
シーズンが進むごとに、ヤコブスの過去が明らかになっていくと思うので、そのうちにわかるのでしょうね、たぶん。
続きを見たいけれど、Prime Videoで観られるようになるまで待ちますわ。
「シスター探偵ボニファス」を観る ― 2025/05/19
「ブラウン神父」シリーズのスピンオフ版の「シスター探偵ボニファス」を大分前に観て書くのを忘れていたので、「獣医ヤコブズの事件簿」を書くついでに書いておきます。
シスター・ボニファスは「ブラウン神父」の原作の小説には登場しません。
ドラマ「ブラウン神父」シリーズでは、シーズン1のエピソード6「The Bride of Christ(キリストの花嫁)」に登場しているというのですが、私の記憶にはありません(恥)。

1960年代初頭のお話で、舞台はコッツウォルズにあるグレートスローターという架空の村です。
さて、登場人物たちの紹介をしましょう。
シスター・ボニファスは、セント・ヴィンセント修道院の修道女で、なんとIQが 156もあります。
オックスフォード大学で化学か法医学・微生物系を専門に学んだらしく、博士号を持っています。
高度な科学知識を持つ法医学の専門家として警察の顧問をしています。
M15(英国情報局保安部)からの誘いがあったらしいのですが、断って修道女になったという異色の女性です。
現場にペスパ(スクーター)で現れたりと、奇抜な行動を取りがちで、コミカルな姿が見られますが、殺人現場では常に冷静で、小さな証拠や不審な点を見逃しません。
それでいながら人間に対する理解力や共感力が優れているのが、彼女の魅力のひとつになっています。
可愛らしい声で早口なのが特徴です。彼女の作るワインは美味しいのかな?
修道院は彼女が警察の仕事をするのを問題にしていないみたいです。
実際にはあり得ない話ですが、ドラマですから。
写真でシスター・ボニファスの右側にいる男性は元陸軍将校のサム・ギレスピー警部補です。
初めはシスター・ボニファスの科学捜査に懐疑的だったのですが、だんだんと彼女に信頼を寄せるようになります。
堅物で、いつもシスター・ボニファスに翻弄されている感じで、女性に弱いのかしらww。
左側の男性はバミューダ警察から出向しているフェリックス・リビングストン巡査部長です。
彼はロンドンで勤務のはずが、何の手違いかグレートスローターに勤務することになってしまったという不運な方です。
そのうちロンドンに行けるはずと思っていたのですが、シスター・ボニファスの魅力と能力に感銘を受け、グレートスローターでもいいかと思い始めたようです。
ちょっとエリートの出来る奴感があるのが玉に瑕。
ギレスピー警部補の隣にいる、1960年代には珍しい女性警察官は、肉屋の娘でもあるペギー・ボタンです。
真面目な勤務態度で好感が持てます。
彼女はもしシリーズが続けば、だんだんと存在感を増していきそうです。
そしてリビングストン巡査部長の隣にいる女性は新聞記者のルース・ペニーです。
とても野心的な女性で、事件が起こるとギレスピーたちの周りを嗅ぎまわり、警察を出し抜こうとします。
ギレスピーは彼女のことが気になるようですが、どうなるのかな。
この他にギレスピーとリビングストンの下宿の大家で不味い料理を作るクラム夫人や修道院の方々が毎回登場します。
シーズン1だけで終わるのかと思っていたら、なんと昨年にシーズン3とクリスマススペシャルが放送され、シーズン4も撮っているようです。
「なんでシスターが・・・」とか、あまり考えずに、観るといいでしょう。
全体的に明るいトーンで、登場人物たちもいい人ばかり。
それなのに、事件がよく起こりますが、ドラマですからwww。
なおPrime Videoではシーズン1しか観られませんので。
リース・ボウエン 『貧乏お嬢さまと消えた女王』 ― 2025/05/20
『貧乏お嬢さまと毒入りタルト』に続く「英国王妃の事件ファイル」シリーズの
18巻目。
ジョージーは結婚して王位継承権を放棄したはずですから、もはや「英国王妃」ではないですし、それに既婚者ですから、「お嬢さま」も変ですね。
原語では「A Royal Spyness Mystery」シリーズとなっています。

アイルランド貴族ダーシー・オマーラと結婚し、息子を授かったジョージーは、愛する夫と息子の世話をしながら自分の家で静かな日々を送っていた。
それなのにダーシーがエドワード国王に呼び出され、とんでもないことを押し付けられる。
エドワードはシンプソン夫人と結婚することを決断し、議会に貴賎結婚を提案するという。
このことが公になると、シンプソン夫人はマスコミに追い回されるので、彼女を世間の目から隠しておくために、彼女を預かって欲しいと頼まれたのだ。
何しろシンプソン夫人の満足するようなものを出せるようなお金はないし、しかもジョージーはシンプソン夫人が嫌いだ。
なんとも迷惑な話だ。
それだけでもウンザリするのに、義理の姉のラノク公爵夫人のフィグが手紙をよこし、息子が入学する候補の学校を見学しにやって来るというのだ。
それだけではない、屋敷の主のサー・ヒューバートがハリウッドの撮影隊を引き連れて帰って来た。
彼が撮影を許可したばかりに、屋敷は厚かましい撮影隊にどんどん占拠されていく。
そんな最中に、シンプソン夫人と映画の子役がいなくなる。
シンプソン夫人はともかくとして、少女は誘拐されたのか・・・。
エドワード8世が二度の離婚歴のあるシンプソン夫人と結婚するために退位したのが、1936年12月11日だというので、ジョージーが大変な思いをしたのが、この年ですね。
退位後、ウィンザー公爵夫妻となった二人はナチス政権から目をつけられます。
ドイツ人の実業家と付き合っているジョージーの母がどうなるのか、ジョージーたちは心配していますが、おいおい書かれるでしょう。
それにしても人の都合も聞かずにやって来て、えらそうにする兄の嫁が嫌です。
貴族の方々はいつもそんな感じで親戚の屋敷に押しかけるもんなんですかね。
映画の方々も相当ずうずうしいですけど。
ダーシーもジョージーも人がよさ過ぎです。
19巻目の『From Cradle to Grave』が今年の11月に出版されます。
ロンドンで起きている連続殺人事件を解決するように、ジョージーはゾゾに頼まれるようです。
日本語の題名がどうなるのか、楽しみです。
<今週のおやつ>

エシレの「パルミエ・エシレ」。
一度は食べてみたいと思っていたのですが、いつもすぐに売り切れてしまい、買えませんでした。
近頃、買えるようになっていたので、早速に頼んでみました。
けっして美味しくないという訳ではないですが、どちらかというと私はガレットやサブレの方が好きです。
近江泉美 『教授のパン屋さん ベーカリーエウリカの謎解きレシピ』 ― 2025/05/21

薔薇が満開で、どこかのバラ園に行きたくなりますが、混んでいるのでしょうね。
近所のお庭で我慢しますわ。

熱くなったので、わんこたちが水を飲むようになりました。
兄は普通のドッグフードじゃなくウエットフード+野菜類になると痩せ始めたので、ドッグフードを水でふやけさせてやるようにしました。
吐かないかと心配でしたが、大丈夫でした。
アスリートのヨーキー弟はソファに飛び乗っていたのですが、この頃やらなくなりました。
兄は6月で13歳、弟は8月で11歳。お年なのです。
札幌にある美味しそうなパン屋さんのお話かと思って読んでみました。

おれこと福丸あさひは仕事が休みの日に気分転換としてパンの食べ歩きをしている。
昔、おばあちゃんが『フクマルパン』というパン屋を営んでいたので、おやつといえばパンだった。
ある休日に福丸はパン屋巡りをしようと札幌市時計台の方へ歩いていた。
すると幻のベーカリーといわれている、神出鬼没の移動式パン屋<ベーカリーエウリカ>の看板を見つける。
<ベーカリーエウリカ>の店主は、四、五十代の濃いグレーのスーツを着た英国紳士を思わせる男性だった。
早速、クランベリーとクリームチーズのパンを買い、その場で食べてみると、「ふつう」だった。
つい声が出てしまい、「ふつう」とは何だと店主に絡まれている時に、警察がやって来て、尋問される。
着ていた派手なパーカーのせいで、昨晩、観光客にケガをさせた犯人と思われたのだ。
困っていると、紳士にパンを改良するアイデアを授けてくれるなら、無実の証明をしてやろうといわれる。
お願いすると、紳士は何だかんだとパンと工学の蘊蓄をたれ、脱線するので、ただの変人かと思っていると、三つの質問をしてきて、答えを聞いた後に見事に福丸が無実であることを証明する。
その上、驚いたことに、福丸の職業まで当ててしまう。
この紳士は亘理一二三という国立大学工学部の教授で、大学に副業申請をして、パン屋を営んでいた。
紳士は「工学とパンはよく似ている」といって説明するのだが、福丸にはちんぷんかんぶん。(私もw)
このことが縁となり、紳士がホームズであさひがワトソンという関係ができあがり、パンと工学を組み合わせ、推理し謎を解いていく。
クリームパン、チョココロネ、ちくわパン、あんパンと美味しそうな日本のパンが出てきます。
私は北海道出身ですが、ちくわパンは食べたことがないです。
1983年に札幌市豊平区の「どんぐり」というパン屋さんが開発したそうで、このお店は今もあるそうです。

こんな感じのパンらしいです。(写真はフジパンのHPよりお借りしました)
フジパンは明太マヨのようですが、元祖はツナマヨみたいです。
ちなみに「エウリカ(Eureka)」とはギリシャ語で「わかった!」、「発見した!」という意味です。
いかにも亘理教授がつけそうですね。
シリーズ物らしいので、次も美味しいパンが出てくるでしょう。
お腹が空いていると、無性にパンが食べたくなるので、気をつけて読んでくださいね。
歴史小説シリーズ ― 2025/05/23
シリーズ物はきりがないので、面白くなくなった物は読まないことにしようとは思いますが、なかなか止められません。
今回の三冊、面白さが盛り返してきています。

知野みさき 『秘す歌加留多~上絵師 律の似面絵帖~』
シリーズの十三冊目。
葉茶屋・青陽堂の嫁で上絵師の律は再び懐妊した。前のようにならないように律も周りも気をつけている。
そんな時に、今井の手習い指南所で歌加留多の「い」の札がなくなり、歌加留多を新しくすることになり、律が絵を描くことになる。今の加留多の取札は律の父が描いたものだ。その他に律は独楽回しに贈る独楽の意匠の着物を頼まれる。
そんな中、律と慶太郎の周りに怪しい男が現れる。
岡っ引きになりたがっていたお嬢さまで世間知らずの綾乃が茶屋で働き始めます。
いつまで働き続けられるのか。
お上の似面絵を描いている律ですが、知り合いからも似面絵を頼まれるようになります。似面絵は写真みたいなものです。
今回のテーマの歌加留多にも色々な意味合いがあるんですね。
律はまた子どもを助けようとして、危ない目に遭います。懐妊している時はやめてほしいです。
次回に律が無事に出産できることを願っていますわ。
坂井希久子 『桜ちらし 花暦 居酒屋ぜんや』
シリーズの八作目。
升川屋の若様の千寿がお花に求婚した。それをたまたま目撃した、千寿のことが好きなおかやはお花に口をきかなくなり、嫌がらせまでやるようになる。
千寿が本気であることを知った熊吉はお花への思いを断ち切り、仕事に邁進することにする。
臨月のお妙が無事に出産できることを祈る皆だったが、いよいよお産が始まる。
薬種問屋に勤めている熊吉は同僚に恵まれていないようで、彼が大旦那に目をかけられているのが気に入らないのか、いつも足を引っ張られています。
大旦那はそんな熊吉に同輩からの嫌がらせすらさばけない者が番頭になっても、よその店が足を引っ張ってくるのに太刀打ちできない。人の上に立つにはもっと太い、胆力のようなものが必要で、熊吉の優しさは美点だが、欠点でもある。奉公人を辞めるか、と訊いてくる。熊吉は試されているんですね。
お花がぜんやを継ぐまでのお話かと思ったら、熊吉がメインになりそうな雲行きになってきました。
さて、お花は千寿と熊吉のどちらを選ぶのか、それともどちらも選ばないのか、わからなくなってきました。
風野真知雄 『ざまあみろ わるじい義剣帖(五)』
愛坂桃太郎と盟友の朝比奈留三郎は女絵師お貞とおぎん殺しの下手人である川内玄斎を捕らえるのに難儀していた。
玄斎を泥人形を使っておびき出すのが一番簡単だが、孫の桃子に危害を加えられる恐れがあるからだ。
桃太郎は玄斎を捕らえる忙しいのに、頼まれると嫌と言えず、銭湯で高い湯銭を払う男の謎や綿を置いていくじじい小僧の謎、毎朝馬を、夕方、牛を連れて行く武家の奉公人の謎、木札をつけた亀の謎を解いていく。
桃子の義父の雨宮に桃太郎の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいですわ。
雨宮みたいな奴ってどこにでもいますね。私は桃太郎派なので、雨宮がちょっと羨ましいです。
今回はいつもより桃太郎の桃子愛にジーンとくるお話です。
紫陽花が咲き始めました。 ― 2025/05/25

クレチマスも沢山種類があり、こんなに濃い紫のもあるんですね。
そろそろ梅雨になりそうな雲行きですが、紫陽花たちも出番を待っています。

ピンクのものやら、

青いのやら、

紫のは大分咲いていますね。

雨が止んだので、涼しいうちにお散歩に出かけます。

兄の尻尾にOOちがつくようになったので、短く切りました。
ママが切ったので不揃いです。トリマーさんに綺麗に揃えてもらいましょうね。
お散歩が終わってから、ママとパパはお食事に出かけました。

スープとサラダ、パン、ドリンクはビュフェで好きなだけとり、メインはローストポークのピカタです。美味しかったです。
そして、今週のおやつは、MARIE BELLEのクッキーです。

かわいいリボンと花びらが三枚ついてきました。

真ん中のクッキーが結構堅いので、食べる時に気をつけてくださいね。
左下の真ん中にジャムの入ったクッキーが一番好きです。
ご馳走様でした。
「最高の花婿 ファイナル」を観る ― 2025/05/26
「最高の花婿」、「最高の花婿 アンコール」に続く、「最高の花婿 ファイナル」です。
2021年に作られたようですが、日本ではいつ上映されたのでしょうか。

フランスのシノンに住むクロードとマリーのヴェルヌイユ夫妻には4人の娘がいて、それぞれ異人種の夫がいます。

左側からご紹介しましょう。
中国出身で銀行員のチャオ・リンは三女で画家のセゴレーヌの夫。
イスラエル出身のユダヤ人、ダヴィッド・ヴェニシュは次女で歯科医のジュリアの夫。前は無職だったけど、今、何をしているのか?
コートジボワール出身で舞台俳優のシャルル・コフィは四女で、テレビ局の法務部に勤務しているロールの夫。
アルジェリア出身のアラブ人弁護士ラシッド・ベナセムは長女で弁護士のイザベルの夫。
この四人、仲がいいかというと、それほどではないです。
ダヴィッドとラシッドのくだらない争いには笑えますww。
喧嘩をするほど仲がいいということでしょうか。
クロードは待望の詩人の伝記を書き上げますが、まったく売れず、自分で千冊買う始末。それでも諦めず、また書こうとしています。
娘家族の移住計画を阻止して満足しているはずなのに、一緒の町に住んでいる婿たちとの付き合いを避けようとしています。
一体何のために同じ町に住んでいるのやら。
ある日、三女エゴレーヌが個展を開きます。
もちろんヴェルヌイユ夫妻も他の娘家族たちも個展の初日のパーティーに行きます。
見ると気分が悪くなる、キモイ(ごめんww)絵なのに、ドイツの富豪で有名なコレクターのヘルムートがエゴレーヌの絵を気に入り、NYの画廊で個展をやらないかと言い出します。
エゴレーヌは天にも昇る心地ですが、夫のチャオはヘルムートが妻に個人的に興味があるのではないかとヤキモキします。離婚寸前か・・・。
しかし、ヘルムートの真の目的は違うところにありました。
そんな時にシャルルの両親から電話が来ます。
クロードはコートジボワールからの電話に出ようとはしないのに、気のいいマリーが出てしまい、シャルルの両親がまたフランスにやって来て、クロードの家に居候することになります。
今年、クロードとマリー夫妻は結婚40周年を迎えます。
そのため娘たちはお祝いのサプライズパーティーを開くことにし、夫の両親も呼びます。
夫の両親の間にも色々とあり、なんとか全員が来ることにはなりますが。
はたしてサプライズパーティーは無事に開かれるのか・・・。
クロードは相変わらずの偏屈ぶりで、笑わせてくれます。
近所の肉屋に老けたと言われてショックを受けるマリーは可愛い女性です。
娘婿たちの親は、クロードと互角か、いいえ、それ以上に強烈な個性の方々で、どんな感じかは映画を観て確かめてください。
私はチャオのお母さんが好きです。
色々と笑えるところが満載ですが、気になるところがあっても、あまり深刻に考えず、笑ってすましましょうね。
それがこの映画の楽しみ方です。
アルネ・ダール 『円環』 ― 2025/05/28
スウェーデン・ミステリー、「Novaシリーズ」の一作目。

国家作戦局(NOD)主任警部のエヴァ・ニーマンのところに手紙が届く。
手紙は、気候変動の危機を叫ぶ一般的な抗議文に、不吉な終末論を織り交ぜながら、最近起きたふたつの事件を取り上げ、まだ起きていない爆破事件が起こることを予告していた。
ふたつの事件とは、1週間前に高速道路を走行中だった大手製鉄会社<SSAB>の部門長のBMWが爆破された事件と広告会社<フラット・ブローク>の広告マンがヴァーサ公園に吹き飛ばされた爆破事件のことだ。
<SSAB>は気候変動の加害企業で、<フラット・ブローク>は石油産業の一大広告キャンペーンを手がけていた。
エヴァは”破壊しつくされた廃墟”という手紙の中の言いまわしが気になった。
その言葉は15年前に先端技術の活用を拒否したため、誘拐事件の捜査に失敗し、警察を辞め、森で隠遁生活を送る、エヴァの元上司であるルーカス・フリセルのものだった。
エヴァが率いる捜査グループNovaが内密にこれらの事件を追うことになる。
捜査グループNovaのメンバーはエヴァの他に、ソーニャ・リド、アンニカ(アンカン)・ストルト、シャビール・サルワニ、アントン・リンドベリの四人。
ふたつの事件は気候変動を動機とするテロリスト集団による犯行なのか。
それともルーカス・フリセルによるものなのか。
予告された第三の事件はどこで起こるのか。
捜査の甲斐なく、やがて第三の事件が起こる。
アルネ・ダールと合わないのか、それとも翻訳家と合わないのか、とても読みずらかったです。
次々と爆破事件が起こりますが、なんか進み方がダルダルで、スピード感や緊迫感がなく、犯人の動機がイマイチでした。
続くみたいだけど、たぶん読まないでしょう。
珍しく、ストレスフルなミステリでした。
「プレッパー(prepper)」という言葉が出てきたのですが、「prepare」が語源で「備える人」の意です。
大災害や経済の崩壊、戦争などの緊急事態に備えて、食料を備蓄し、自給自足の生活をしたり、核シェルターを作ったりする人(「デジタル大辞泉」等参考)のことだそうです。
本の中で、ルーカスは森の中に住み、人との接触をできるだけ絶っていたようですが、プレッパーというよりもサバイバリストに近いのじゃないでしょうか。
プレッパーが一番多いのはアメリカらしいです。
土地が広いからでしょうか。
日本ではなかなか無理そうですww。
あさのあつこ 「針と剣 縫箔屋事件帖」シリーズ1~3 ― 2025/05/30

『風を繍う 針と剣 縫箔屋事件帖』
おちえは十六歳の黒眸勝ちの眼と肌の美しい娘で、父親の仙助は三代続いた縫箔屋『丸仙』の主。
父親が縫箔師だというのに、おちえは針仕事が苦手で、唯一誇れるのが榊道場の道場主の榊一右衛門から「男であれば、比類なき剣士になったであろうと」言われた剣の腕だ。
母親のお滝は、おちよが十二歳の春に娘が殺される事件が続き、我が身を己で護る術を身につけさせようと、おちえを剣の道場に通わせてることにしたのだが、娘が剣才の持ち主だった知り、今では己の誤算を嘆いている。
ある日、『丸仙』に端正な顔立ちの侍がやって来る。
彼は吉澤一居といい、仙助に弟子入りしたいという。
榊道場で一居の剣を見たおちえは、何故一居が武士の身分を捨ててまで縫箔職人になることを切望するのか理解できなかった。
そんな頃に『丸仙』の職人の正造の娘が殺される。
五年前の娘殺しがまた現れたのか。
『風を結う 針と剣 縫箔屋事件帖』
町人となった一居は『丸仙』に弟子入りをする。
ある事件により榊道場は閉門となり、十七になったおちえは自分の行く末を決められず悩んでいた。
女だてらに竹刀を握っていられる年でも身分でもない。いいかげんに踏ん切りをつけなければならない。でも・・・。
ある日、おちえが気を失ったため、丸仙かかりつけの医者の井筒崇徳が呼ばれる。
お茶を持ってきた一居を見て、崇徳の顔色が変わる。
一居は崇徳とは会ったことがないというが、崇徳は一居を知っているのか。
その次の日、崇徳が部屋で毒を飲んで亡くなっているのが見つかる。
遺書はないが、自死なのか、殺されたのか。
『風を紡ぐ 針と剣 縫箔屋事件帖』
おちえたちの奮闘の末に榊道場が再開される。
そんな頃に、不思議なこそ泥が現れる。夜中に二店でみみっちい盗みがあったのだ。それだけではなく、おちえの竹刀が盗まれる。おちえも一居も賊の気配に気づかなかった。
玄人の技と来し方を持つ、相当の手練れの盗人の仕業か。
これは大きな事件の前触れではないのか。
それからしばらくして、大和屋から小袖が盗まれる。
その小袖はおちえの父、仙助が花嫁のために渾身の縫箔を施した一枚だった。
大和屋から盗まれた小袖は、小さな寺の本堂裏で骸になった女に被せられていた。
女は誰で、大和屋と関わりがあるのか。
「縫箔屋」とは「金箔や銀箔を縫いつけたり、金糸・銀糸を用いた刺繍を商売とする家・人」のことです。
江戸の職人の生活に興味があるので、どんなものかと読んでみたのですが、1巻目で止めればよかったと思いました。
あさのあつこさんだからもっと面白くなるだろうと思って続けて読んでみたのです。
縫箔というと、「神田職人えにし譚」シリーズがありますが、ヒロインに関する限りでは、おちえよりも「神田職人えにし譚」シリーズのお咲の方が落ち着いた雰囲気で断然いいです。
まあ、十八になるおちえよりも二、三十代のお咲の方が酢いも甘いも噛み分けていますからねぇ。
おちえは自分の道を決めるまで、このままで行くのでしょうね。
グタグタ悩んでいる姿が幼過ぎて・・・。
事件帖というので、江戸で起こる事件がメインで、おちえと一居の二人で事件を追うのかと思ったら、違ってました。
おちえの悩み事が大部分で、事件がちょこっとって感じ。特に縫箔とは関係がありません。
格好いい岡っ引きの仙五朗がいるので、どうせなら彼と一居のイケオジ、イケメンの二人をメインにしてもらいたいものです。
あさのさんは「10代の少年少女が悩み、成長する姿を描く作品に定評がある」そうなので、このシリーズはある程度の年齢のいった人よりも、若い人向きの作品なのかもしれませんww。
初めて時代小説でも読んでみようかなと思ったら、読んでみるといいですね。
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