桐野夏生 『ローズガーデン』2025/12/16

村野ミロ・シリーズの四作目。四編の短編集。


「ローズガーデン」
三十歳の河合博夫は日本とインドネシアの合弁会社、アグロ・コウワ電装の営業として、ジャカルタ支社に赴任して二年になる。
カリマンタンのアスラヘロという木材伐採基地に、会社の同僚でエンジニアの城ケ島とともに、たった一個のプラグを届けに行くことになる。
アスラヘロは木材集積地として有名なサリマンダから更にマハカム川を十二時間も上がったジャングルの中にある。
ボートに乗った博夫は高校の同級生だった妻のミロとのことを思い返していた。

「漂う魂」
ミロの住むマンションの四階の部屋で三カ月前に自殺した女の人の幽霊が出るという噂があり、近頃ではその祟りがあると言われるようになっていた。
ビルの管理会社からミロはこの幽霊騒ぎの調査を頼まれる。
マンションには悪意が満ちていた。

「独りにしないで」
ミロに不動産会社に勤める宮下という男から『夢の壺』という上海クラブのホステスの気持ちを確かめてほしいという依頼がある。ミロは断るが、その一週間後に宮下が職安通りで刺殺される。
後ろめたさと共に好奇心を感じたミロは調べてみることにするが…。

「愛のトンネル」
ミロは娘が巻き添え転落事故で亡くなった山神という男から、娘のアパートに行き、何かまずい物が見付かったら処分して欲しいという依頼を受ける。
葬式の時に分かったのだが、娘は『パラダイス』というSMクラブの経営権を持っていて、そこでSM女王をしていたというのだ。
簡単な仕事だと思ったミロは翌日に娘の部屋に行くことにしたが、それが裏目にでる。侵入者が部屋にあったものを持っていったようだ。
山神から何を盗まれたのか、誰が何の目的で盗んだのかを調べ、盗まれた物を取り返すように言われる。
調べていくと、意外な事実が浮かび上がってくる。

ミロの夫の語る高校生のミロは、思いもよらぬ人でした。
私のミロの理解度が浅かったのでしょうかね。
ひとつわかったことは、昔からミロは隠し事が大嫌いだということ。
隠されていたと知ると、ミロのスイッチが入り、後先考えずにとんでもないことをやらかしてしまいます。
夫の博夫は変態で、精神性の低いなんともつまらない男です。
なんで自殺なんかしたのか、彼のことがもっと書かれているかと思いましたが、そうでもなかったです。
義父の村善とのことはミロの虚言と思いたいです。
ミロの男運の悪さは高校生の時からだったことがわかりましたww。

残るは『DARK』のみ。
読み終わるのが惜しい気もしますが、『ダークネス』での謎が解けるのか、楽しみです。
もう一度『ダークネス』を読みたくなるかもしれません。