NTLive 「インター・エイリア」を観る2026/05/21



2025年制作
原題:「Inter Alia」
作:スージー・ミラー
演出:ジャスティン・マーティン
出演:ジェシカ・パークス    ロザムンド・パイク
   マイケル・ウィートリー  ジェイミー・グローバー
   ハリー・ウィートリー   ジャスパー・タルボット   

ジェシカは夫とともに弁護士をしていたが、今は裁判所の判事だ。
一人息子のハリーがいる。

男性優位の法曹界で女性判事として成功している。
この前もレイプ事件で、被害者に寄り添い、緻密に事実関係を積み上げいき、有罪判決を下した。

しかし、私生活では判事になった自分に引け目があり、いつも夫の機嫌を伺っている。
レイプ事件やこどもの誘拐事件を扱ってきたので、息子が事件に巻き込まれていないか、いつも不安で心配で、息子の行方を常に気にし、時には過剰に反応してしまう。

日々、いい判事、いい妻、いい母になろうと努力している。

ある日、ハワイアン・パーティに行った息子がレイプで訴えられる。
幼馴染の女の子、エイミーをレイプしたというのだ。
息子は合意のもとだったと言っている。

ジェシカ思い悩む。
息子はシャイだが紳士的で思いやりのある男に育てたはずだ。
彼がレイプなどするはずがない、と思う、いや、思いたい。
こうすれば無実を勝ち取ることができる。
だがそうなるとエイミーは…。

ところが息子が思いもかけない告白をする。

息子のレイプ事件で、ジェシカは判事として、母として、女として、そして人間としての岐路に立たされます。
時に正しいことをするには痛みが伴います。
あえて見ないようにしてやり過ごすという手もありますが。
ジェシカが最後に選んだのは、正しいことをすることなのか、隠蔽するということなのか、どちらを選んでも彼女を非難することはできないでしょう。

大部分がジェシカの独白で、立て続けに台詞を言い続けるという、俳優泣かせ。
一人舞台かと思っていたら、夫と息子、そして子どもたちも現れました。
幼い息子と話す場面では黄色いジャケットを使ったり、舞台上で着替え、判事から母、妻へと変化していくのが、とてもいい演出でした。

女性の社会進出とそれに伴う夫婦関係の変化、男女平等が進むにつれ変化していく男女交際の常識、今も続く男たちの古い価値観や慣習など、私たちの今の状況を端的に描いた作品でした。