谷瑞恵 『小公女たちのしあわせレシピ』 ― 2026/08/21
ちょっとエグイものが続いていたので、可愛らしいものをご紹介しましょう。
児童文学とお菓子作りが好きな方向けの本です。

メアリさんが死んだ。
彼女は県庁所在地にある全二十室のちいさなホテル、”ホテルのはな”に十年ほど前から泊まる常連客だったが、身元不明なので行旅死亡人として扱われた。
”ホテルのはな”の娘で、菓子パンメーカーの契約社員のつぐみは、母から家をリフォームすると聞き、自分の部屋の片づけをするために三連休中に実家に帰った。
片づけをしているときに、ふと本棚にある『小公女』が目につく。
どうしてここにこの本があるのだろう。
つぐみには見覚えのない本だった。
本をめくっていくと、”ホテルのはな”の客室に置いてある便せんに書かれたレシピが挟まっていた。
誰のものか聞いていくうちに、つぐみはそれがメアリさんのものだったのではないかと思い始める。
交際相手の両親と会っていた親友の沙也佳が急にやって来た。
二人で行ったイギリス旅行の思い出話をしていると、本の間に挟まっていたレシピがロンドンで食べた名物パンのことで、『小公女』に出て来たものではないかと思いつく。
つぐみは沙也佳と二人でレシピ通りに作ってみる。
それ以来、つぐみはメアリさんの歩いた跡を辿り、遺した本を探し、義姉の助けを借りて、本の中のレシピ通りにお菓子を作っていく。
いつしか新しい縁が紡がれ始める。
メアリはピンクの服を着て、本の詰まったキャリーバッグを引きずり、ムシャムシャというピンクのブタを連れた記憶喪失のお婆さんです。
彼女が県庁所在地の町で一体何をしていたのかがこの本の鍵になります。
メアリさんの児童書とレシピのお菓子を書いておきますね。
『小公女』フランシス・ホジソン・バーネット・・・チェルシーバンズ
『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス・・・トライフル
『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル・・・トリークルタルト
『ドリトル先生アフリカゆき』・・・スエット・プディング
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』P.L.トラヴァース・・・ジンジャー・パン
『秘密の花園』フランシス・ホジソン・バーネット・・・オーツケーキ
どの児童書も定番の有名なもので、私は全部読んでいます。
でも、メアリさんとは違って、出てくるお菓子は全く気になりませんでした。
子どもの頃はあまりお菓子に興味がなかったのかもしれません。
田舎ですし、昔ですから、ケーキや和菓子以外にたいしたお菓子が売っていなかったからでしょうしね。
そういえば子どもの頃は普段、お菓子なんて滅多に食べていなかったような…。
唯一、お菓子ではないのですが、未だに覚えている料理(かな?)があります。
ドイツの児童文学書で、エーリッヒ・ケストナーの『点子ちゃんとアントン』の中に出てくる、アントンが作るスクランブルエッグです。
調べてみると、卵に「塩ゆでじゃがいもと小麦粉を加えた特性スクランブルエッグ」らしいです。細かくは覚えていなかったわw。
「かき卵」の作り方がアントンとは違ったように思います。
母の作るものは火を通し過ぎて、ポロポロだったもの。
ちゃんと章ごとにレシピが書いてありますので、読んだ後に作ってみるのも一興かと思います。
私はどのお菓子も食べたことがないのですが、作って食べる気にはならず、読むだけでしたけどねww。
今は甘いものはあまり食べたくないです(悲)。
メアリさんの存在のファンタジーっぽい感じがよく、久しぶりにほかほか気分になれるお話でした。
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