末次由紀 『ちはやふる 1~4』2009/05/18

「マンガ大賞2009」受賞作品というので、読んでみました。
や~、マンガもホント、いろいろあるんですねぇ。
昔では考えられないものが、マンガになっています。
小倉百人一首ですよ。
前にも書いたことがありますが、故郷の北海道は百人一首はするのですが、下の句しか読まないのです。
取る札は板でできていて、その上、書いてある字は万葉仮名交じりの達筆。読めません。
こんなんで競技かるたをやると、負傷者がぞくぞくとでちゃいます。板はあたると痛いぞ、笑。
そんなところから来た人間にとって、上の句だけで札を取るなんて、神業ですわ。

主人公の綾瀬千早が小倉百人一首に出会ったのは、小学校の時でした。
転校生の綿谷新は、おじいさんが競技かるたの永世名人で、幼い頃からおじいさんにかるたを習っていました。
ふとしたことから千早と仲良くなり、一緒にかるたをやったことから、千早は競技かるたに興味を持ちます。
いつしか彼女の夢は、新と真島太一と一緒にかるたを極め、クイーンになることになっていました。
三人で楽しく競技かるたをやっていたのですが、新のおじいさんが倒れたことから、新はおじいさんと一緒に暮らすために福井に戻ることになります。

新が福井に戻ってからも、千早は競技かるたを続けていました。
高校に入り、かるた部を作ろうとするのですが、なかなか部員が集まりません。
が、なんと中学校は別のところに行っていた太一が同じ高校に入学していました。
一緒にかるた部をやろうというのですが、かるたなんてやってらんないという太一です。
そんな太一に千早は自分がA級になったら、一緒にかるた部をつくってと言います。
そして、出た大会で、見事優勝し、A級になった千早でした。
千早、耳がいいんです。
無事にかるた部ができ、部員勧誘にもいろいろとあったのですが(マンガ見てください)、かろうじて大会に出られる人数になりました。
そして、初めて出た大会で、都の代表になっちゃうんです。すごいですねぇ。まんがだからねぇ。

全国大会は滋賀県の近江神宮というところで行われます。かるたの聖地だそうです。
福井に戻った新はというと、おじいさんが死んだことがトラウマになっていて、かるたをやっていませんでした。
千早たちが全国大会に行くことを聞き、会場に現れたのですが、なんと千早が・・・。

このマンガを読めば、全国の中学生諸君、百人一首を覚えるなどという宿題を、楽しくできるんではないでしょうか。
同じように、日本文化を扱ったマンガでは、私的には『とめはねっ!』の方が薀蓄が多くて好きですがね。
なんで「マンガ大賞」じゃないのかしら?