「やわらかい手」を観る2009/10/22

予告編を見た時に、こんなおばさんが風俗店で働くの?と不思議に思いました。そんなわけで、ちょっと恥ずかしかったのですが、DVDを借りてみてみました。
見て見ると、なんと心が温かくなる映画だったのです。こういうラスト、私は好きです。

未亡人のマギーには息子が一人いました。
彼は結婚していて、孫が一人いるのですが、孫は難病にかかっていて、オーストラリアでしか手術できません。
彼の体力も限界になっています。
医療費はタダだというのですが、渡航費がありません。限度額ギリギリまで借金をしているからです。
マギーは銀行に行っても、借金を断られ、職安に行っても、あなたにできる仕事はありませんと言われる始末。
なんとしてもかわいい孫を助けたい。でも自分に何ができるのか・・・。
ふと目についたのが、セックス・ショップの接客係募集の張り紙でした。
すいよせられるように店の中に入り、オーナーのミキと話をしていると、ミキは彼女の手に注目します。
すべすべとしていて、柔らかい手。
この手なら使えるかもしれない。
一度は断って家に帰るのですが、かわいい孫を死なせたくはない。
そう思い、思いきってこの仕事をやってみることにします。
やるからには楽しまなければならないと、部屋の中に絵や花を飾ったりまでします。
すると、なんということでしょう。彼女のブースに長蛇の列ができたのです。
どんな仕事でも、誠心誠意やって、孫のために頑張ろうという彼女の心意気。すばらしいですね。
しかし彼女の気持ちは息子には通じませんでした。
お母さんがそんなことをしてお金を稼いでいたなんて。ガーン。そんな汚い金なんかいらない。
彼の妻はマギーを嫌っていたのですが、風俗で働いてまでしてお金を工面してくれたマギーに感謝します。
やっぱり息子は息子。仕方ないですよね。

風俗店のオーナー・ミキにはなにやら過去がありそうです。孤独でニヒルなところに惹かれます。

こんな人たちいるな~と思ったのが、詮索好きなおばさんたち。
マギーの立場を慮るのではなく、ひどいことを言います。
何様のつもり!と怒鳴りつけたくなりました。

どんな仕事をしていようが、誇りを持ってやっていくことが大事なんだなと思いました。
他の人が何を思うかなんて関係ないですよね。

孫を無事オーストラリアに送り、マギーが行った先は・・・。
自分の心のおもむくままに、幸せへと進んでいくマギーの顔は素敵です。
いくつになっても幸せになることはできる。そう思える映画です。