三浦しをん 『桃色トワイライト』2010/03/25



をんさんのエッセイ集の三作目です。表紙がかわいい!
や~、いつも読むたびに思うのですが、うまいです。
日常の瑣末なことを、こんなに面白く書けるのって、しをんさんぐらいではないでしょうか。
読むたびに爆笑物です。
彼女の弟君とか友達が、面白い味を出しているのです。
本当にこんなんなのですか?と聞きたくなるぐらいです。

どこも面白いのですが、彼女がレニングラード国立バレエを見たことが、今回書かれているので、紹介しましょう。
それも『白鳥の湖』と『ドン・キホーテ」、『ジゼル』の三作品を見たのですよ。
彼女の嗜好からさっするに、『白鳥の湖』と『ジゼル』は寝たのではと推測すると、その通りでした(笑)。
この頃の私のように、白鳥達が華麗に踊る場面で寝たそうな。
しをんさん曰く「α波が出て、気持ちよくなっちゃったんだよ!」

他にも爆笑するのが、以下。
「舞台の端でちょろちょろしてる、蛾のような男はなんだろな」(ロットバルトもしをんさんにかかったら、だだの蛾)
「ちょっと待て!オデットとオディールのどこが「そっくり」なんだ!明らかにオディールのほうがまがしいとか、そういう問題の前にいまず色が違うだろ色が!なぜだまされるのかがわからない。」(その通りです)
「ひとしきり踊ったあとで、ようやくだまされたことに気づいた王子は、「どうしよう―、ママ!」と王妃に泣きつく。ママはショックで倒れてしまう。息子が鳥と蛾(?)にだまされたぐらいで失神しているような女が王妃では、この国の先行きは暗い。王子もどこが魅力なのかわからないぼんくらだし」(・・・)
 
彼女が見た『ドン・キホーテ』はペレンとルジマトフが主役だったそうです。
このエッセイ集は2005年に単行本で出ているようなので、2004年以前の公演なのでしょうね。
しおんさんもルジマトフの魅力パワーに圧倒されたようです。
『ジゼル』はルジマトフとシェスタコワだったそうな。
ペレンの時とは違い、シェスタコワの時はラブラブだったというのですが・・・?
この前の『バヤデルカ』では、主役のペレンを立てていましたがね。
ア~、ガラの時はシェスタコワにぴったりくっついてたっけ。
しをんさんが見た時、ルジマトフはキーロフバレエに所属していたそう。
そう、バレエ漫画ファンにとって、キーロフバレエは山岸涼子の『アラベスク』に出てくるミロノフ先生のバレエ団です。
さすが、漫画ファンのしをんさんも知っていて、
「キーロフバレエの底力を見たのだった」と言っています。
そうそう、気になったのが、このエッセイに出ているように、ルジマトフのおっかけが「何が欲しい」と聞いたら、ルジマトフが「製氷機」と答えたとかいうのは、本当ですか?
何故製氷機?
ロシアは寒いでしょうに。氷は外にありますよ。