樋口有介 『不良少女』&『捨て猫という名前の猫』2019/03/09

また2冊、紹介します。
一冊ずつにすると内容忘れてしまいますから、というか、先月読んだのでもうすでに忘れています。


5つの話の短編集。
それぞれ楽しめる内容です。
様々な美女が出てきますが、私はキャリア警察官の冴子さんが好きです。
草平もそうなんじゃないでしょうか。
彼女を官僚の旦那から奪ってしまわないところが草平の草平である所以ですが。


初めて柚木草平が登場する本を読んだのが、これでした。

絶世の美女である中学生の女の子、秋川瑠璃が雑居ビルから飛び降りて自殺した。
月刊EYES編集部に彼女は自殺ではない、柚木に調べさせろという電話が入る。
彼女の死を不審に思った草平は手広く商売を展開している瑠璃の母親やアクセサリーショップのオーナーなど関係者に当たっていく。
電話をしてきたのは、住む場所もなく、ネットカフェや友人の家に泊まり、キャバクラに勤めて生活費を稼いでいる、まるで捨て猫のような青井麦だった。
しかし、麦はその後、遺体で見つかる。

なんとも言えない読後感です。
相変わらず、草平は美女好きで、軽口をたたき、加奈子ちゃんはおませな口調で草平をやり込めています。
そんな平和な日常の片隅には、居場所もなくさまよう少女とその少女を利用する大人たちがいます。
やりきれませんね。

このシリーズの中では一番の本だと思います。