M.C.Beaton 「Agatha Raisin:Dishing The Dirt」 ― 2020/12/01
アガサ・レーズン・シリーズ、26作目。
30作目で終わりかと思っていたら、31作目がありました。
後5冊ですが、日本語の本が貯まっているので、今年中に読み終わるのは無理ですね。年内にもう一冊読んで、残りの4冊は来年に持ち越しますわ。

アガサに似合わない、素敵な表紙があったので載せてみました。
「dish the dirt」とは「悪い噂をたてる」という意味です。
アガサがゴミを出しに行くと、80歳ぐらいの老女のVictoria Bannisterがやってきて、アガサがバーミンガムのスラム街で飲んだくれの両親に育てられたのに、今はすごいわね、みたいなことを言ってきました。
自分の育ちのことは前の旦那のジェームズと友達のチャールズ、ミセス・ブロクスビー以外は知らないはずです。
ジェームズが村に引越してきたばかりのセラピストのJill Caventとこの頃仲がいいので、彼が彼女に話し、彼女がクライアントであるVictoriaに話したのではないかとアガサは思いました。
ジェームズに聞くと、自分は話していない、何故そんなに自分の育ちを恥じるんだと言われる始末。
ミセス・ブロクスビーはJillがアガサのことを気にしているのは何か隠したいことがあるからではないかと考えていました。
気になるアガサは自分の探偵事務所の人たちにJillのことを話し、空いた時間に彼女のことを調べてみてくれと頼みます。
さっそくフィルはJillのところに行き、心臓発作のふりをしてJillの隙をみて壁に飾ってある証明書の写真を撮ってきます。
調べてみると証明書はアフリカのインターネット大学のだったり、太極拳やアロマセラピーのだったりといい加減なものでした。
ある日、オックスフォードにあるランドルフホテルのレストランで食事をしていると、アガサに挨拶をしてくる男がいました。
彼はClive Tremundという探偵で、Jillから頼まれ、アガサのことを調査していたのですが、Jillが調査費用を払わないので、アガサにこのことを教えようと思ったようです。
すかさずアガサはJillの代わりに費用を払うから、なんのためにJillが探偵を雇ったのか調べるように依頼します。
怒りがおさまらないアガサは帰りにJillの家まで行き、お前を殺す前にプライバシーの侵害で訴えてやると怒鳴りつけてしまいます。
アガサのことを案じたミセス・ブロクスビーはJillに会いに行くことにします。
ところが彼女が見つけたのは、スカーフで首を絞められているJillでした。
Victoriaが、アガサがJillを殺してやると脅迫していたと警察に言ったため、アガサは警察署で尋問されてしまいます。
その後アガサがCliveに話しを聞きにオックスフォードの彼の事務所まで行くと、事務所は荒らされおり、Cliveは見当たりません。すぐ後に彼の遺体が運河で見つかり、アガサは第一容疑者となってしまいます。
アガサは弁護士を頼むことにしました。前に会ったことのある、イケメン弁護士、Sir David Herytheを。
アガサのロマンスの話しを聞かないと思ったら、こんなところで出てきました。
"kill two birds with one stone"(一石二鳥)と考えるなんて、どうしようもないですね、アガサは。
Davidはアガサを魅力的だと思い、一時の遊びとして手を出そうとしますが、なんとチャールズが怒ります。
チャールズのアガサに対する気持ちがいよいよ明らかになってきました。
話しを戻すと、この弁護士のおかげでアガサは逮捕されずにすみますが、アガサにちょっかいを出す前に彼も殺されてしまいます。
セラピストのJill、探偵のClive、弁護士のDavid・・・。
次々と人が殺されていきます。
アガサは自分が容疑者となったため、容疑を晴らすために事件の調査をしますが、犯人はなかなか見つかりません。その上、命を狙われます。
犯人を特定するために役に立ったのが、彼女の勘です。
どこから湧いてくるのかわかりませんが、この勘が侮れません。
アガサ・レーズン・シリーズは一応ミステリーですが、推理を楽しむのではなく、ハチャメチャなアガサの言動を楽しむものです。
アガサを好きにならなきゃ読み続けられませんわ(笑)。
私の嫌いなサイモンはアガサの邪魔ばかりしてくれます。早くいなくなってくれないかしら・・・。
今回は警察官のRuby Carsonに一目惚れをして、トニにつきまとわなくなったのはいいのですが、Rubyにいいように扱われます。
トニも言っていますが、彼も恋愛に関してはアガサと似たようなものを持っているのね。
今回のアガサのロマンスは死んだ弁護士ぐらいかな・・・ァ!20代(だと思う)の美青年がいましたね。アガサは手を出さなかったからセーフ。
ジェームズは相変わらず気難しい男で、アガサにガミガミ言うだけですが、チャールズはアガサのことをよく見ていて、危ない男を遠ざけ、彼女の命を守るというように頼もしくなってきています。
アガサはチャールズのことをけちん坊で彼女の家をホテル代わりに使っている奴としか見ていませんけど、笑。
今回チャールズはスクラッチくじで大当たりしたので、珍しくアガサにオリエント急行の旅を奢っています。
ミセス・ブロクスビーはチャールズとジェームズの関係をこう言っています。
"I think they are both in love with her in their odd ways"
アガサは太っ腹なところがあり、家の掃除婦のドリスにとってもいいことをしてあげます。
ミセス・ブロクスビーの誕生日には、「明日はミセス・ブロクスビーの誕生日なので、みなさん誕生日カードを送りましょう」と村中の人々にお手紙を書きました。
アガサがやったのに、ミセス・ブロクスビーの旦那は自分がやったように話したのがムカつきますけどね、笑。彼はそろそろ妻をないがしろにしている報いを受けてもよさそうです。
最後にミセス・ブロクスビーが大変身しそうな感じです。
次回に続くということで。
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