中山七里 『復讐の協奏曲』 ― 2020/12/02
中山七里デビュー10周年、12月連続刊行企画の11作目。
後、1冊で終わりです。来年から毎月、中山さんの本が読めなくなると、楽しみが減ります。
まだ読んでいない本があるので、少しずつ読んでいくことにしましょう。

元<死体配達人>という過去を持つ弁護士・御子柴礼司シリーズ、第5弾。
前回の実母・郁美の裁判で、自分の過去を明かした御子柴に一般市民から懲戒請求が為されます。
首謀者は”この国のジャスティス”と名乗る人物で、ブログで御子柴の懲戒請求を呼びかけています。
御子柴の事務所に800人以上の懲戒請求書が届きました。
御子柴は懲戒請求者全員に名誉毀損と業務妨害で損害賠償を請求することにし、事務員の日下部洋子はこの処理に忙殺されます。
そんなある日、洋子は外資系コンサルタント・知原と食事をします。
彼とは知人の紹介で知り合い、たまに食事をする間柄でした。
ところが食事をした翌朝、知原が遺体で見つかり、凶器に洋子の指紋がついていたため、容疑者として逮捕されてしまいます。
懲戒請求書の処理は、東京弁護士会会長の谷崎から紹介された弁護士法人の元代表・宝来に任せることになります。
宝来は”この国のジャスティス”を特定できたら、別途成功報酬を与えるという取引を御子柴とします。
御子柴は洋子の弁護を引き受けることにしますが、自分が洋子のことを何も知らないことに愕然とします。
彼にしてみれば、事務員の彼女とは個人的に付き合おうという気は全くなく、仕事を滞りなくしてくれさえすれば問題なかったのです。
家族のことを頑なに言おうとしない洋子でしたが、調べていくにつれ、何故洋子は悪評のある御子柴の事務所で働こうと思ったのかという疑問が湧いてきます。
今までの御子柴シリーズほどの意外感が少ないです。
犯人もすぐにわかり、裁判の場面も少なく、ドンデン返しもたいしたことないし・・・。
最後もホンワカした感じになってしまい、益々御子柴の人間味が増してきましたね。もう少し長く非情な御子柴が見たかったかも、笑。
と言って、面白くなかったわけではないので、ご心配なく。
私としては御子柴シリーズと峰洋介シリーズは鉄板のシリーズです。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2020/12/02/9322636/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。