末永蒼生 『「色彩セラピー」入門』2007/02/12

この本の著者、末永蒼生は「色彩学校」を主宰しています。
阪神・淡路大震災のショックで苦しむ子供のために、ボランティアとして、色彩セラピーにかかわってきたそうです。
この本に出ているのですが、彼が訪れた阪神・淡路の保育所では、子どもたちが夢中になって絵を描き続けたといいます。
いつもは5分と落ち着いていられない子どもたちが、絵を描くことによって、落ち着いていくのです。

最初は、爆発する火山、燃える家やパトカー、燃えるように赤く塗られた海、稲光や流星、地を出して死ぬ人や天使の絵、など赤や黄色、黒など原色の強いものが目立っていたそうです。
三ヶ月、半年と時間がたつ中で、目につき始めたのが、虹を描いた絵だそうです。
彼の経験から言うと、「虹の絵を描くときの子供の心理状態はそれまでに比べ感情の幅が広がっている」つまり、「驚きや悲しみなど強い感情や興奮にとらえられている状態だと、使う色数も限られてくるのである。その感情が和らぎ、さまざまの感情がバランスよく、回復した時には、それだけ色数の幅も広がる傾向がある」のだそうです。

色というのは、誠におもしろいものであると、本を読みながらつくづくと思いました。
「色彩学校」で、「色彩の自分史」という幼児期から記憶を遡り、心に残っている色彩を洗い出すカリキュラムがあり、色にまつわる事柄や生活誌を記入していくそうです。色彩と心理の関係を自分の体験を通して、はっきりつかめるので、自分を振り返るのにいいようです。
そういえば、仕事をし出してから、友だちが私の部屋に遊びに来たとき、カーテンを見て、「なんでもっときれいなカーテンにしないの」と言われたことがあります。その時のカーテンの色は「黒と白」でした。
その時の私の心理は、言うまでもありませんね。
誠に色は、その人の心理を的確に表しています。

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