テス・ジェリッツェン 『白い首の誘惑』2007/03/13

相変わらず日本語の題名がひどいですね。出版社さん、どうにかしてください。
下手するとポルノ小説と間違って買う人がいそうですね。(いないか?)
原題は"The Apprentice(見習生)”です。
ボストン市警の女刑事リゾーリのシリーズ、二作目です。
一作目でリゾーリは、「外科医」と名付けられた、一人暮らしの女性を襲い、子宮を取り出すという猟奇殺人者を逮捕し、一躍有名になりました。
しかし、彼に捕らわれたことがトラウマになっており、未だに彼の呪縛から逃れられていませんが、仕事に熱中することでどうにか自分を正常に保っていました。

そんなある日、奇妙な殺人が起こります。
夫婦が狙われ、夫の前で妻がレイプされ、その後夫は首を切られて殺され、妻は行方不明になるというものです。
そして、ちょうどその頃、恐れていたことが起こります。
「外科医」が刑務所を脱獄したのです。
何故かFBI捜査官まで介入してきます。
夫婦を狙った犯人はCIAに関係する者のようで、「外科医」のマネをしているようでした。
「外科医」が脱獄してから、二人はどうも一緒に殺人を行っているようなのです。

リゾーリという女性の強さがすごいです。
普通の人間では二度と元にはもどれないでしょう。
彼女が安心した隙をつく、「外科医」の頭の良さには感心します。
が、あっけなく決着がついてしまい、それが残念でした。
これから「外科医」に魅せられた神経精神科医、ドクター・オドネルと、冷静沈着な女検屍官、ドクターアイルズがどうリゾーリと関わってくるか、考えるだけでもわくわくしてきます。
お勧めです。