メグ・ガーディナー 『メモリー・コレクター』2011/12/16

一冊目の『心理検死官ジョー・ベケット』でも心理検死官の仕事って何?という疑問が解消していませんでしたが、2冊目を読んでも全くわかりませんでした。
この本でジョーは駆け回っているばかり。
う~ん、一体なんなんだろう?
実際の話、心理検死官なんていないし、作家が頭の中で作ったものですから、つじつまがあわないんでしょうね。


飛行機内で暴れた男の対応を任されたジョー。
心理検死官がなんで生きた男を相手にするんだろうという疑問は置いておきましょう。
彼は自分がやった行為を全く忘れています。
記憶喪失?
脳をMRIで調べてみると、とんでもないことがわかります。
側頭葉内側部病変。
側頭葉内側部は事実や出来事を記憶に取り込む働きをしているので、彼は短期間だけなにかを忘れるだけではなく、新しい記憶を形成できないのです。

彼はイアン・ケイナンといい、ナノテクノロジーを扱っているキラ=サイフ社のセキュリティ・コンサルタントでした。
自分の病気を理解できない彼ですが、脳挫傷する前の記憶の、何らかの使命に駆られて病院を抜け出します。
彼を見つけようと、ジョーたちは駆け回りますが、そのかいもなく、そのうち彼と一緒に飛行機にいた人間にも同じ症状がでます。

ミステリーとかサスペンスとかいうよりも、「ミッション・インパッシブル」の女性版を簡素にした物を読んでいる感じです。
前作と同じように心理検死官という文字に惹かれて読まない方がいいようです。