桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』2014/03/21



休みで私が家にいると、元気マックス。
一人で遊んでくれず、ずっとこちらを見てアピールしています。
抱くとペロペロ攻撃が始まります。
本を読むご主人様の足元で静かにフセをしている犬にはいつなるのかしら?



この本も本屋大賞ノミネート作です。
それじゃないと絶対に手に取らない本です。
読んでみて、「意外とおもしろいじゃないの」と思いました。

女三代のお話です。

”辺境の人”に置き去りにされ、村の若夫婦に育てられた万葉は、製鉄業を営む旧家赤朽葉家の大奥様のタツに気に入られ、赤朽葉嫁に輿入れします。
万葉は文盲でしたが千里眼で時に未来が見える人でした。
第一部は1953年から1975年が描かれており、この万葉の話です。

第二部は1979年から1998年、万葉の四人の子の話になります。
一番目の子は泪という男の子で、万葉はこの子を産む時に彼の一生を見てしまいます。悲しい運命の子です。
二番目の子が毛鞠という女の子で第二部の主役です。
彼女はスケ番でレディースの頭でブイブイいわせ、その後売れっ子漫画家になります。
三番目は鞄という女の子でアイドル志願のぶりっ子。
四番目は孤独という男の子で、大人しくてひ弱な引きこもりです。
この他に腹違いのねとり女の百代がいます。何故か毛鞠には彼女が見えません。
 
この時代は記憶にあるので、懐かしく読めました。
スケ番なんて、いたわねぇ・・・。

第三部は毛鞠の娘でこの本の語り部の瞳子が主人公です。
祖母の万葉が死ぬ間際に言った「私は人を殺した」という言葉の謎を解いていきます。

日本の戦後とシンクロするように物語は進みます。
ガルシア・マルケスの『百年の孤独』に影響されているというのも頷ける内容です。