堂場瞬一 『空白の家族 警視庁犯罪被害者支援課7』2020/09/06



警視庁犯罪被害者支援課シリーズの第7弾。

人気子役タレントが誘拐され、支援に乗り出す村野。
彼女の父親は、十年前に村野が関わっていた未公開株詐欺事件で有罪になった仲岡泰治でした。
仲岡は警察にとっては「ありがたい相手」で、心証をよくするために仲間を売った「ふざけた野郎」で、悪い印象しかない男でした。
裁判中に離婚しているので、娘とは会えないはず。
娘の誘拐の話を聞いた仲岡はしつこく電話をしてきたり、家の周りをうろついたりし、捜査の妨げになる恐れがあります。
仕方なく支援課で仲岡を引き受けることにします。
しかし、前の事件で仲岡といろいろと因縁がある村野は、誘拐事件から外れるようにと、新しく支援課の課長になった桑田から言われます。
そんなことで引き下がる村野ではありません。
直接的に支援に参加しませんが、バックアップに乗り出します。

同じ日の夜に杉並区でマンション火災がありました。
62歳の一人暮らしの女性が亡くなりましたが、家族が彼女の遺体引き取りを拒否しています。
困った所轄が支援課に電話をしてきたため、手の空いている村野が家族説得に当たることになります。

一見関係なさそうな誘拐と火災でしたが、村野が独自に捜査を始めると、やがて奇妙な接点が浮かび上がってきます。

支援課は課長が代わり、新しい課長から村野は「厄介者」と思われているようです。これからぶつかることがなければいいのですが。
新しいメンバーの川西はマニュアル人間で、IT畑を歩いて来た事務職員。
自分は刑事ではないので、現場には出る必要がないと思っています。
村野が説教をしようとすると、露骨に嫌そうな顔をして逃げていきます。
人出が足りない支援課ですから、これからどうやって支援現場に引きずり込もうかと思案する村野でした。

何かと単独行動が多い村野ですが、大友刑事(アナザーフェイス・シリーズに出てきます)の助けもあり、今回も事件の解決に貢献しますが、捜査一課に戻らないかとの誘いがきます。
これで支援課シリーズも終わりになるかと思ったら、村野は一筋縄ではいきませんね。
村野は30代ですよね。それなのに、この頃親爺臭が強くなってきましたね。
大友は相変わらず若々しいイケメンパパなのに。

次回は川西が何かやらかすことを期待しています。
もっと大友刑事の出演希望(笑)。