ヨルン・リーエル・ホルスト 『警部ヴィスティング 疑念』2023/04/03

警部ヴィスティング・シリーズの中の「未解決四部作」の最終話。


ヴィスティングは休暇中。
どこに行くでもなく、ブラブラとして暇を持て余している。前に息子からもらった歩数計をつけ、休暇中に一日一万歩を目標にしているが、八千歩にもならない。
そんな時にアグネーテ・ロルという女性が行方不明になる。気になるヴィスティングは最新ニュースを見て、情報を入手している。
そろそろ定年退職に備え、傍観者の立場に慣れなければならないと、警察のコンピューターシステムにログインするのは控えている。

娘のリーネはドキュメンタリー映画の制作プロジェクトで出会った二歳年下で離婚歴があり、娘と同じ年の娘のいるセデリク・スミスと交際しており、彼の両親の別荘に招かれ、出かけている。

そんな時に、郵便箱にヴィスティングの住所と氏名が書かれた差出人不明の白い封筒が入っていた。住所と氏名は印刷された文字に見えるが、手書きのものだ。
中に一枚の紙が入っていて、数字が一行書かれていた。
それは昔の分類法に基づいた事件番号だった。
1999年の夏に起った事件であることはわかったが、思いあたる事件はない。
気になったヴィスティングは犯罪記録係のビョルグ・カーリンに電話をして捜査資料の請求をし、事件の内容を電話で知らせてもらうことにした。
それはトーネ・ヴァーテランという少女の殺人事件だった。

1999年7月、十七歳のトーネは行方不明となり、二日後に絞殺死体で発見された。彼女の体内から見つかった精液のDNA型が元恋人ダニー・モムラクのものと一致し、ダニーは逮捕され、禁固十七年の刑を受け、刑期を終えていた。

別の夜、起きていたヴィスティングは郵便箱の蓋が閉じたような音を聞く。
郵便箱の蓋をあけると白い封筒が入っていた。
封筒の中にはヴィスティングが所属する警察署で2001年8月に起きた、ヴィスティングが担当した事件の事件番号が書かれた紙が入っていた。

2001年8月、十七歳のパニッレ・シェルヴェンが失踪した。その二日後、強姦され殺害されたパニッレが発見された。
四日間にわたる徹底的な捜査の結果、ヤン・ハンセンが逮捕された。

ヴィスティングが1999年の事件の関係者のリストをたどっていくと、ヤン・ハンセンの名前が見つかる。

事件の捜査に穴があった可能性に気づいた人物が、考えられる候補はダニー・モムラク本人しかいないが、再捜査をさせるために自分と接触してきたのだろうか…。
ヴィスティングは当時の関係者と会って話をしてみることにする。

二つの事件を調べ始めたヴィスティングのところにクリポスの未解決事件班の捜査員アドリアン・スティレルがやって来る。
彼も上司の指示によりこの二つの事件を調べ始めたというのだ。
ヴィスティングはクリポスに出向という形でスティレルと共に二つの事件を調べることになる。

休暇中だというのに、好奇心をくすぐられたヴィスティングは二つの事件の深みにはまっていきます。刑事の性ですね。
娘のリーネは今回は全く活躍しません。どうしちゃったんでしょうね。彼女の危うい言動が結構好きだったんですけど、笑。
それにスティレルの出番もこれで終わってしまったのでしょうか?
中途半端だわぁ〜。

ヴィスティングはお年なのか、定年後のことを考えたり、ヴァランダーほどではないのですが一緒に暮らす女性がいないことを淋しく思ったりしています。
ヴィスティングもヴァランダーも事件にのめり込みすぎてしまうのが、家庭人としては難点ですよね。
今回は派手なアクションがなく、地道に捜査をしていき、これぞヴィスティングという感じでした。

このシリーズは17冊まで英訳されているようです。ノルウェーで何巻出版しているのかわかりませんでした。
カタリーナ・コード』は12冊目で、『鍵穴』13作目、『悪意』14作目、この『疑念』が15冊目です。他に8作目の『猟犬』が翻訳されています。
できれば一作目から翻訳してくれるとありがたいのですが。
ドラマにもなっているようで、ドラマのヴィスティングはあまりカッコよくないみたいです。それでも見てみたいわ。


<今週のおやつ>


また缶に引かれて買ってしまった…。
この他にもらったお菓子もあり、ダイエットできないですわ(苦笑)。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2023/04/03/9574366/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。