ジョディ・ピコー 『私の中のあなた』2009/10/11

今日の散歩は、東大の方まで歩き、途中で白山の「江戸蕎麦匠庄之助肴町長寿庵」という長い名前の蕎麦屋に入りました。
私は海老おろしそばを、相棒は十割蕎麦のせいろ大盛り。海老天がとってもサクサクしていて美味しかったです。
それから急に思い立ち、向丘高校の前からバスに乗って東京駅へ。東京駅から有楽町まで歩き、買い物をしてから上野駅アトレのタイ料理屋へ。
これでどれほど歩いたかは・・・?
途中はとバスの前を通ったのですが、繁盛していますね。なんとキティちゃん・はとバスまであって、思わず写真を撮ってしまいました。(写真)かわいいですね。

ハヤカワ文庫の『私の中のあなた』は映画の原作です。
キャメロン・ディアスが初の母親役で出ているのが話題になっています。
自分がどの人の立場に立つかによって様々なことを考えさせられます。

13歳のアナは両親を相手に訴訟を起こしました。
彼女は、姉ケイトが白血病なので、ケイトに必要な治療のためのドナーとなるべく、遺伝子操作によって作り出された子だったのです。
ケイトにアナから提供されたのは、臍帯血、ドナー・リンパ球、顆粒球、骨髄・・・そして腎臓。
自分は一体何者なのか?ケイトに必要なものを与えるだけの存在なのか?

アナは弁護士のキャンベルを雇い、「医療目的のための能力付与」を請求することにします。

兄のジェシーは、親の目がケイトにばかりいき、彼を見てくれないことに絶望し、飲酒、ドラッグ、そして放火とやりたい放題をやってきました。しかし、妹のアナには優しいのです。彼はどうしようもない子ではないですよね。

父親のブライアンは消防士で仕事に熱中することで、家族の問題を見て見ぬ振りをしてきました。
アナが訴訟を起こしたことを聞き、彼はアナのやったことに理解をしめしました。

母親のサラはケイトのために弁護士を辞めました。
家族がケイトのために何かをするのは当たり前という考えの持ち主です。
だからアナが訴訟を起こしたことを信じられず、アナが家族を裏切ったと怒りを覚え、自分自身を弁護するため、弁護士としてアナと戦うことにします。

普通の本では病人のケイトのことに焦点を合わせて書くのでしょうが、この本はケイト以外の人に焦点が当たっています。病気は病人のみならず、その家族にまで影響を与えるのです。

本質的には、自分の身体のことは本人が決めるということに賛成です。
でも、アナのように自分の家族の生死に関わる時は、本当に悩むと思います。
どれが正解ということはないのですから。
残念ながら、本の最後にはガッカリしました。映画ではどう終わるのかわかりませんが、これはないでしょうと思いました。
近いうちに映画を見に行こうかと思っています。
本自体は最後以外はおもしろいので、お勧めです。

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