「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」@森アーツセンターギャラリー2010/04/23

前の職場の人と久しぶりに会い、「ボストン美術館展」を見てきました。
急いでいったので、よく場所を見ていませんでした。そのため千代田線に乗ってしまい、乃木坂駅で下車。
よくよく考えてみると、乃木坂はミッドタウンと新国立美術館です。六本木ヒルズは六本木駅ではないですか。
地図を見ても、六本木ヒルズが見当たりません。とりあえず六本木駅の方へ行けばいいのだろうと、歩き始めると、高いビルが見えました。
六本木ヒルズでした。
待ち合わせに遅れること10分。あせりました。

「ボストン美術館展」は16世紀から20世紀に渡り、ヨーロッパで活躍した巨匠47人の作品を一堂に集めた展覧会だそうです。
テーマ別に展示されているので、時代がわかりずらく、薄暗がりで字がみずらいため、いつもはやらないのですが、絵にひっついて見ていました。お客さんが結構多かったので、背の高い私は邪魔だったと思います。
 
まず、「多彩なる肖像画」です。
レンブラント日本初公開の「ヨハネス・エリソン師」と「ヨハネス・エリソン師の妻マリア・ボッケノール」の全身肖像画が展示されていて、下世話ながらこの2枚の絵のためにどれほどお金を払ったのかしらと思いました。そうとうな富豪だったんでしょうね。
ファン・ダイクの「チャールズⅠ世の娘、メアリー王女」を見ている時に、「肩の華奢さに比べ、手が大きいわね」と友人に言うと、デッサンを習っている彼女は、「手は思っているより大きいものなのよ。デッサンの先生に手を小さく描くと、手は大きく描きなさいと、よく注意されるわ」と言っていました。そういえば手は顔ぐらいありますものね。

                                    
政略結婚のために年よりも大人びて描かれたメアリー王女です。一体実際の年齢はいくつだったのでしょう?
肖像画を誰かに描いて貰えるとしたら、誰に頼もうかしら?
レンブラントは写実的なので、嫌ですわ。やっぱりルノワールかな・・・。などと色々な肖像画を見ながら妄想していました。
 
Ⅱ・宗教画の運命
16世紀から17世紀のスペイン画が多いです。
19世紀になると宗教画は好まれず、描かれなくなります。ブーグローは伝統的な宗教画の様式をとりながらも題は「兄弟愛」としています。

 
今日のお気に入りの一枚です。おもわず「かわいい!」と言いたくなる絵です。キスをし合う兄弟と、それを見つめる母の眼差しに愛を感じます。

Ⅲ・オランダの室内
16世紀にオランダで聖像破壊が行われ、教会の内部は真っ白に塗られていたようです。(サーンレダムの絵による)
エマヌエル・デ・ウィッテの絵は、教会内部を描いていますが、なんと墓堀の様子が・・・。教会の床には本当に人が埋まっているんですね。

Ⅳ・描かれた日常生活
ミレーの「馬鈴薯植え」と対照的なルノワールやモネの絵です。モネはめずらしく妻と子供を描いていますが、顔つきなどはよくわからず、彼の興味はやっぱり違うところに合ったようです。



Ⅴ・風景画の系譜
「風景画というジャンルが成立した17世紀オランダから、18世紀ヴェネツィアの都市景観画、19世紀イギリス、フランスの風景画まで、風景画の流れがわかる展示」とのことです。コローの風景画や人物画がありました。

Ⅵ・モネの冒険
この展覧会の見所だと思ったのが、モネです。珍しい雪景色に始まり、フランスの田舎の風景画が10点もあり、彼の風景画の変化がよくわかります。
私が一番好きなのは、「ヴァランジュヴィルの崖の漁師小屋」です。日に照らされ、キラキラ光る海と草の生き生きとした様子がいいです。


Ⅶ:印象派の風景画
シスレー、ゴッホ、ピサロなどの風景画が展示されています。
ひとつ好きな作品がありました。でもどの絵がわかりません。たぶんルノワールの描いたもので、川に写る木の絵だったと思います。出品リストが見つからず、もらって帰れなかったのが、残念です。(すみません。モネの描いた絵でした)

Ⅷ・静物と近代絵画
昔の静物画は分かるのですが、20世紀のは抽象画っぽくてあまり好きではありません。

森アーツセンターギャラリーでこのような展覧会は今までやっていなかったような気がします。これからもやってくれると、六本木ヒルズに遊びに行けるのですが。