碧野圭 『菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそかに香る』2018/06/16




ランチだけの小さな食堂、菜の花食堂で、瓶詰を作って売ることになりました。
初めは2種類のピクルスから始め、ジャムなども増やしていく予定です。
靖子先生の他に香奈さんが菜の花食堂を手伝っています。
優季は月に二度、助手として料理教室を手伝っていましたが、瓶詰を作り始めると今までのように片手間に手伝っていられません。
優季は派遣の仕事をどうしようかと悩んでいます。
正社員にという話が出てきたのです。
そういう時に靖子先生が言いました。

「好きなことばかりできる人間はなかなかいない。だけど、ほんとうに大事な感情は手放しちゃいけないわ。こころが喜ぶことをしていれば、面倒なことも面倒ではない。ひとつひとつのことが、意味のあることになりますから」

正社員ならお金に困らないからと堅実な人生を歩んでいっても、堅実な人生を捨て、こころが喜ぶことをしても、どちらがいいか、誰も答えを出せません。
どちらを選ぶかは、その人次第。
やってしまって後悔するのか、しなくて後悔するのか、どちらがいいかも同じく、その人次第。
言えることは、何でもやってしまえばどうにかなるもの。

優季は勇気を出して一歩を踏み出します。

もちろん、靖子先生の日常の謎解きもありますよ。
読むたびに食べ物をちゃんと作んなきゃと襟を正される本です。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2018/06/16/8895689/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。