ネレ・ノイハウス 『森の中に埋めた』 ― 2020/11/08
刑事オリヴァー&ピア・シリーズの八作目。

オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインは、この頃、頻繁に7歳の娘・ゾフィアの世話を押しつけられている。
元妻のコージマは自分の母親が遺言を変更し、オリヴァーに屋敷を相続させることにしてから、何かというとオリヴァーにゾフィアを押しつけてくるのだ。
ゾフィアは躾がされていないらしく、おしゃべりで気のそまないことがあればすぐ癇癪を起こし、オリヴァーを困らせる。
付き合っているカロリーネとは微妙な感じで、その理由のひとつがゾフィアの存在か…。
二ヶ月半後に長期休暇を取ることにしている。
後任の捜査十一課課長にピア・ザンダーを推薦しているが、まだ警察本部の判断が下っていない。
電話が来たのは夜中の3時頃。
ゾフィアがいたため、仕方なく娘を連れて事件現場へと向かう。
ビルタールヘーエの森のキャンプ場で火災が起きたというのだ。
爆発音がした後にキャンピングトレーラーが炎上したようで、調べてみると放火の痕跡があり、男の遺体が発見される。
ピアとオリヴァーは捜査を始める。
キャンピングトレーラーの持ち主を調べると、ローゼマリー・ヘロルトのものだった。
彼女はオリヴァーが基礎学校の時の級友の母親であり、ボーデンシュタイン家の家政婦をしていたので、彼は彼女のことをよく知っていた。
ホスピスに入っている彼女に会いに行くと、その日は眠っていたため会えず、次の日に彼女は何者かに殺害されてしまう。
そして、様子のおかしかった元主任司祭がオリヴァーに会いに来た後に、首を吊って亡くなっているのが見つかる。
次々と起こる知り合いたちの殺害に、オリヴァーは幼い頃の事件が関係しているのではないかと思い始める。
1972年8月、オリヴァーが11歳の時、親友のアルトゥールとオリヴァーの飼っていたマクシという狐が行方不明になる。
アルトゥールはソ連からやってきたので、村の子どもたちから目の敵にされていた。そのためオリヴァーは毎晩彼を家まで送り届けていた。
しかし、オリヴァーの家に新しいカラーテレビが来た日、大好きな番組を観たかったオリヴァーはアルトゥールをひとりで帰宅させる。
アルトゥールはその日、行方不明になる。
それ以来、オリヴァーはアルトゥールが行方不明になった責任が自分にあると思い、苦しんでいたのだ。
すべてを明らかにすべき時が来た。
オリヴァーは真実に辿り着けるのか・・・。
どの国でも村の人間関係は複雑に絡み合っていますね。
何かあっても外には隠そうとする。
そのため真実はいつまで経っても闇の中。
過去と直面するのは辛いけれど、今回の事件があったからこそオリヴァーは未来に向かっていけるでしょう。
次はピアが主役の番です。
片腕であるオリヴァーがいなくなり、ピアはどう活躍してくれるのか?
新人君が頼りになりそうです。
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