今野敏 『仁俠楽団』 ― 2022/07/30
仁俠シリーズの最新刊。

このままでは潰れそうな出版社、私立高校、病院、銭湯、映画館を次々と再建していった阿岐本組ですが、今回は今までとは様子が違います。
なにしろ相手はオーケストラですから。
阿岐本組の面々はクラシックなんか知らないし、楽器が弾けるようには思えませんもの、笑。
今回、永神のオジキが持ってきたのは、年末の定期公演間近の、北区赤羽に本拠地があるイースト・トウキョウ管弦楽団の内紛を収めるという仕事でした。
親分の阿岐本雄蔵と代貸の日村誠司が出張り、ヤクザだとバレないようにことを上手く運ぶことになります。
そのためコンサルティング会社の社員を装いますが、親分はナイスミドルだけど、日村はどう見ても…。
話を聞くと、古株と若手のメンバーたちの対立が、新任の常任指揮者の就任に際して激しくなったようです。
そんな中、指揮者のエルンスト・ハーンが何者かにより襲撃されます。
目撃者はいないし、怪我もたいしたことがないので、所轄の警察は事故で処理しようとします。
しかし、ハーン氏が納得しないと言うので、警視庁捜査一課の刑事・碓氷がやって来ます。
親分と碓氷が仲良くタッグを組みます。
心配性の日村はヤクザと警察が組んでいいのかと心配しますが…。
犯人捜しは簡単、オーケストラやジャズバンドに関する蘊蓄も深くないので、そこは期待しないで読んでください。
今まで活躍していた若衆たちの出番がとっても少なくて残念でした。
そうそう日村の頭の回転が悪いのが気になります。これじゃあ阿岐本組をしょっていけないわぁ。
ひょっとして次の仕事はステージマネージャーの片岡さんに頼まれ、マンネリ化を打破するために、日村の恋物語になるのかしら?
次も出たら読みますけど、初めのころの勢いがなくなったのが心配です。
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