川澄浩平 『探偵は教室にいない』&『探偵は友人ではない』 ― 2024/10/11
第二十八回鮎川哲也賞受賞作。
「第一話 Love letter from…」
北海道札幌市の発寒に住む中学二年生の海砂真史(ウミ)は高身長の女の子で、バスケット部に入っている。
そんな彼女のところに誰からかわからないラブレターが届く。
仲のいいバスケ部の英奈(エナ)や京介、総士に相談できず、困っていると浮かんで来たのが幼馴染みの鳥飼歩。彼とは九年も会っていないが、頭の回転の速さは大人顔負けという奴だ。中学校に入ってから学校に行っていないらしい。
ウミは甘いものに目がない彼のためにケーキを買って会いに行く。
「第二話 ピアニストは蚊帳の外」
合唱コンクールが近付いていた。
京介のクラスで伴奏をする予定だった女子が入院したため、京介が伴奏を頼まれる。しかし、はじめはやる気になっていたが、やらないことにしたと言う。どうも指揮者の望月と揉めたらしい。
しばらくして京介の様子がおかしいことに三人は気づく。
なにかしでかすつもりではないのかと心配した三人は、たまたまやってきた歩に京介のことを話す。
「第三話 バースディ」
総士の誕生日祝いに四人で海に行った。
そんなある日、総士の他校の彼女がウミたちの中学校にやって来る。
ここ一週間で二度、会う約束を急にキャンセルされたことが気になるらしく、他に好きな人ができたのではないかと心配している。
だが、やって来た総士は今までと全く変わらない態度で彼女と接している。
部活のない火曜日にウミが近所のショッピングモールに行くと、そこで同じ中学校の女子と相合い傘で歩いている総士とばったり出会ってしまう。思わず逃げ出すウミ。学校で総士は来週理由を説明すると言うが、そんなに待てないウミは歩に相談しに行く。
「第四話 家出少女」
ウミの父親が歩が夜遅く家に来たことを聞き、そんな男と付き合うなと言ってくる。ウミは頭に来て家を飛び出してしまう。
歩のところにエナから電話が来る。ウミが家出をして帰れなくなっているので、ウミの行きそうなところに心当たりはないかというのだ。
歩はエナとスタバで会うことにする。スタバにはエナの他に京介と総士も来ていた。
四人でウミの行きそうなところを推理することになる。
「第一話 ロール・プレイ」
ウミとエナがバスケットシューズを買いに行ったときに、バスケ部だった二学年上の鹿取一樹と再会する。彼は小学校の塾で飛び級して小六のクラスに入ってきた歩と親しくしていたらしいが、歩とケンカをしてしまい、歩が塾をやめて以来会っていないという。
鹿取の話を聞き、何かおかしいと思ったウミは歩に連絡を取り、鹿取の名前を出してみると、「話を聞かせろ」と呼び出される。
「第二話 正解にはほど遠い」
この頃、ウミはウミのファンだという鹿取一樹の妹の彩香につきまとわれている。
ある日、彩香がウミに、彼女の家の洋菓子店のクリスマス企画でクイズを出題するので協力して欲しいと言ってくる。
ウミのバスケットシューズを貸して欲しいというのだ。そして、特別に先にクイズを教えるので、解いたら、正解者先着十名にプレゼントするのと同じ<お菓子の家>をくれるという。
結局一人では解けず、ウミは歩を頼ることにする。
「第三話 作者不詳」
美術準備室にウミの右手の甲を描いたと思われるデッサンがあった。誰が描いたのか気になるウミ。
四人で初詣に行った日、美術教師の柳井を見つけ、みんなで尾行することにするが、柳井に見つかってしまう。
年が明けてバスケの練習があった日、彩香がやって来てウミに柳井が元旦から四日まで沖縄旅行に行ったと言う。おかしい。ウミたちが柳井に会ったのは三日だ。
柳井に不信感を持つウミだったが、柳井はそれからもおかしな行動をとる。
ウミは歩に相談したいと思うが…。
「第四話 for you」
四人で総士の姉がバイトをしている喫茶店に行くと、彼女が不思議な話をしてくれる。喫茶店の休憩室に、時計が二つあり、出入り口の扉の上の掛け時計は普通に時を刻んでいるが、部屋の隅にある置き時計は二時で針が止ったまま放置されていた。ところがいつからかはっきりしないが、時計が十二時になっているという。
この頃、店長は奥さんの出産のため、いないことが多いが、止っている時計の示す時刻は、奥さんの出産と何か関係があるのか。
ウミは歩に『止っている時計』の謎を書いたメッセージを送ってみるが、返事は来ない。
男子と女子が出てくるミステリというと、小市民シリーズを思い出しますが、高校生の男女ですし、二人がいっしょに推理しています。
このシリーズでは中学二年生で推理するのは歩だけで、ウミは謎を持ってくるばかり。
そもそもラブレターのことを、九年も会っていない子に相談しようなんて思いますか?
そうしないと話が進みませんがww.
しょうもないことが謎になっているなぁなんて思ったり。
まあ、青春ミステリなので、それも仕方ないでしょう。
年を取ると学校時代に何に悩んでいたかなんて忘れていますから。
青春ミステリが好きならいいのですが、そうでなければ読むのを止めた方がいいかもしれませんね。
私のように鮎川哲也賞を取っているから読んでみようかとか、北海道が舞台なので読もうとか思うならいいでしょう。
私は次回北海道に行くときの参考にしようと思って、北海道が舞台の本をできるだけ読もうとしているんです。
この本では四人で海に行く場面が好きです。
余市に行ってみたいと思いました。
円山公園辺りに住んでもいいかな。
ミュンヘン・クリスマス市などやってるのですね。
(なんでミュンヘンかと思ったら、姉妹都市なんですって。今年は11月25日から12月25日まで大通り公園でやります)
北海道牛乳カステラって美味しいのかな。
まあ、こんな感じですwww。
とにかく、中学校や高校時代の甘酸っぱい思いをもう一度と思ったら読んでみて下さい。
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