エリザベス・キューブラー・ロス 『永遠の別れ』2007/04/09

死に至る人の心の動きを研究した『死ぬ瞬間』を書いた、エリザベス・キューブラー・ロスが、デーヴィッド・ケスラーと書いた、彼女の最後の本です。
ロスはこの本を書いてからしばらくして、永遠の眠りについたのです。

この本は、愛する人に死なれ、残された人のことを書いた本です。
私たちはいろいろな喪失体験をします。
その体験はそれぞれ違っても、悲しみは同じです。
しかし、悲嘆の期間は、人それぞれで、死んだ人を弔うのに、長短はないのです。
次の言葉を私たちは忘れてはいけないと思います。

「悲しみが存分に表出されたとき、その悲しみは終わるのだ。流されない涙は消えるわけではない。悲しみはからだとこころのなかに残っている。」

いつまでも悲嘆にくれている人に対し、私たちは冷淡になりがちです。
しかし、悲しみを味わい尽くさない限り、その悲しみは癒えないのです。
「悲嘆のなかにも生にむかって変容する力がある」のです。

いつか来る、愛する人との別れのために、一読する価値のある本です。