新井容子 『40代初産をはじめた女性たち』2007/05/08

本当によくこういう人たちを探し、インタビューをしたものだと感心しました。

40代で初めて出産するということを聞くと、どういう女性だと思いますか?
キャリア・ウーマンで、仕事に追われていて、一息ついた時に生もうと思った人。
なかなか子供ができず、不妊治療をしていて、やっと出来た人。
ここらへんが多そうですね。
ところが、この本に出てくる人たちは、一筋縄に行きません。波瀾万丈の人生を送っています。
彼女たちは1960年から65年に生まれた女性たちです。
大企業は親元から通わない女性を雇わなかった時代です。
などと言っても、今の20代の人には信じられないでしょうが、女性は事務職だけの募集などという時代でした。
80年代半ばまで、「クリスマス・ケーキ」という例えがありました。わかりますか?
25日を過ぎると、クリスマス・ケーキが売れ残るように、女性が25歳を過ぎると売れ残るということです。
失礼な例えですね。

この本を読んでいて不思議に思ったことがあります。
子供ができないことにこだわることです。
できないならできないでいいし、子供のいないという生き方もあるというように思えないということが、私にはわからないのです。
自分の身体に強い負担をかけてまで、不妊治療をやっている女性が何人かでてきます。
何故そこまでこだわるのでしょうか。(私には子供はいませんので、あしからず)
女は子供がいないと女ではないとか、夫婦に子供ができて一人前とかいう、世間からの刷り込みでしょうか?
結局のところ、何歳で子供を産もうが、産むまいが、それもその人の生き方なのです。
こういう本が書かれない社会に、早くなることを願っています。

でも、どうにかなりませんかね、政治家さん。
産みたいと思えないのが、現代です。
子供の産みやすい、そして育てやすい社会にして下さいよ。
とついでに文句を言いたくなりました。