A.S.スタカート 『淑女の肖像』2011/02/07

探偵レオナルド・ダ・ヴィンチ』で30代のダ・ヴィンチが出てきましたが、この本はその続きにあたるものです。2009年9月に発売されていたのに、気づかなかったようです。



ダ・ヴィンチの弟子のディノはダ・ヴィンチの発明した装置を持って工房に帰る途中に、スフォルツァ城の塔から転落死した女性を見つけます。彼女は女伯爵カテリーナの侍女でした。
彼女の死を怪しく思ったダ・ヴィンチは塔の部屋を調べ、残されていた侍女の履物と四枚のタロットカードを見つけました。
ディノはふたたびダ・ヴィンチの片腕となって働くことになります。

しばらくして、カテリーナの乳母だったリディアの死体が見つかります。彼女は何か薬物で殺されたようでした。

ダ・ヴィンチはディノを女装させ、侍女としてカテリーナの元へ送り込みます。

実はディノは女性でした。父親から無理やり結婚させられそうになり、家から逃げ出し、男装してダ・ヴィンチの弟子になっていたのです。久しぶりに女性用の服を着て喜ぶディノ、本名デルフィーナでしたが、彼女の前にイケメン騎兵隊の隊長、グレゴリオが現れたことから、心を乱されることになります。

ダ・ヴィンチは絵だけではなく、色々な発明もしていました。本の中にダ・ヴィンチが計画した仮面舞踏会の様子が出てきます。出席者はみんなタロットカードに関する仮装をし、余興としてダ・ヴィンチが発明した機械仕掛けのライオンが登場します。本当にこういう舞踏会が開催されていたのでしょうか。

何故ダ・ヴィンチに謎がわかったのか、不思議なところもありますが、ルネッサンスの人々の様子が興味深く、おもしろく読めました。
昨年1月に第三作目が発売されているということなので、早く翻訳してもらいたいものです。


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