渡辺容子 『左手に告げるなかれ』&貴志祐介 『硝子のハンマー』2012/03/16

経済小説として紹介されていた中にミステリーがありました。


スーパーで万引犯を捕捉する女性保安士・八木薔子のところに刑事が現れました。
3年前に別れた、前に勤めていた会社の不倫相手だった木島の妻が殺害されたのです。
薔子は不貞相手として慰謝料を取られた上、会社にはいられなくなり、保安士になったのです。
自分が容疑者の一人であると思った薔子は木島に電話をかけ、自分たちの名誉のために二人で調査をしようと提案します。
勤務先のスーパーを変えてもらい調査を始めるのですが、事件の方に気持ちが奪われてしまい肝心の仕事はさっぱり。万引犯を一人もあげられない日が続きます。
そんな時に彼女と同じように事件を調べている男がいることがわかります。

この本を読むと、保安士ってどういう仕事かがわかります。スーパーの天井付近にある鏡とか何故あるのかなと思っていたのですが、意味があったんです。
これまた「ふむふむ」の世界です。

私ってスーパーで挙動不審な態度を取ると相棒によく言われます。何が入っているかとか産地はどこかとか知りたいので、ラベルをジーと見てから商品を戻したりするからでしょうかね。



貴志さんってミステリーよりもホラー物をよく書くようです。私の嫌いな『悪の経典』の作家でした。
今回の本はミステリーです。それも密室ミステリー。
帯に「防犯探偵・榎本シリーズ」と書いてあるように、防犯ショップの店長で防犯コンサルタントもしている榎本径と弁護士・青砥純子が二人で事件を解決していくというシリーズです。

介護サービスの社長が会社の社長室で死んでいるのが見つかります。エレベーターは暗証番号が必要で、廊下には監視カメラ、窓は防弾ガラスというようにセキュリティは万全でした。
そのため続き扉の隣で仮眠をとっていた専務がやったのではないかと疑われ、逮捕されてしまいます。弁護士・青砥純子は専務の家族に依頼され、専務の容疑を防犯コンサルタントの榎本の助けをかりて晴らしていきます。

この本の「ふむふむ」度は結構高いです。防犯に関して意外と私たちって無頓着ではないでしょうか。
玄関の錠前はいくつありますか?今の家は2つですが、前は1つでした。この本には3つがいいと書いてあります。3つのうち上下の二個だけ開け閉めし、真ん中の鍵は開けたままにしておくのです。ただし、真ん中の錠前だけは、開錠方向が上下逆になるように取り付けるといいんですって。う~ん、なるほど。
知らなかった・・・。あ、でも、もう駄目です。泥棒さんが読んでしまったら意味がないものね。

密室殺人の方は後半に突如として犯人の独白が書かれているので、な~んだとなってしまいますが、それにしても殺人方法を色々と考えなければならない作家って大変だなと感心します。でも、実際にはこんなことしないよなと思いますが。

「防犯探偵・榎本シリーズ」は三作目まで発売になっています。読んでみようかしら。

坂本 司 『先生と僕』2012/03/17



坂本司の日常に潜む謎解き話は好きなのですが、題名が・・・、と思いつつ買ってしばらく置いてあった本です。
しかし、題名に騙されてはいけません。漱石の先生は中年男性ですが、なんとここに出てくる先生は中学生。僕はというと、田舎から出てきて東京の大学に入学したばかり。
なんで中学生が先生?という疑問が湧くでしょう。まあ、都会の中学生は生意気で、田舎者と比べると世の中をよく知っているんです。

伊藤二葉、18歳。人が殺される小説が読めない、極度のこわがり屋。

そんな二葉が同級生の山田に勝手に部活を決められてしまいます。その部活は「推理小説研究会」。
推理小説の定番は人殺し。それなのに、何故断れないのか、二葉。

そんな彼が公園のベンチで出会ったのが、瀬川隼人、13歳、T学園中学校一年。ただいま家庭教師募集中。
隼人に家庭教師としてスカウトされちゃいます。
お勉強のできる彼が、母親を騙すために家庭教師として雇ったのが二葉なのです。
二葉は家庭教師の振りをして隼人の家に行き、一時間自習、一時間隼人にミステリー講義をしてもらうという美味しいバイトです。

そんな二人が出会う日常の謎+読書案内というのが、この本です。

作中に登場する文庫リストなんかもちゃんとありますから、人殺しのないミステリーを読みたい人はリストの本を読んでみるといいでしょう。
定番の江戸川乱歩やシャーロック・ホームズ、私のハンドルネームの元になったシャムネコ・ココ・シリーズ、そして日常に潜む謎の一人者、北村薫などの本が載っています。

これもシリーズ化してほしいですね。

<緑内障>特定遺伝子発見2012/03/18



家の近くの白梅は満開ですが、紅梅はまだ蕾です。

ネットで新聞を読んでいるのですが、緑内障についての記事を見つけました。

「失明の原因になる緑内障になりやすい人は、特定の遺伝子に変異があることを京都府立医大(京都市)が突き止めた。簡単な血液検査による早期発見につながるという」(毎日新聞)

「研究チームは、緑内障患者1244人と緑内障でない975人の遺伝子配列を解析。その結果、患者の大半で、ある特定の遺伝子配列に5つの変異があることが判明した。統計上、変異のある人はない人と比べ、約2倍緑内障にかかりやすくなっていた。変異があると、視神経細胞を維持するためのタンパク質の量が正常に調節されないことが考えられるという」(産経新聞)

遺伝子でこれから罹る可能性のある病気がわかるようになってきたということは知っていましたが、やっと緑内障の遺伝子が見つかったのですね。視野欠損が始まる前から治療を始められると視野欠損を遅らせることができ、失明する人も少なくなるでしょうね。
何年か後に健康診断の血液検査項目に緑内障という項目が付け加えられるかしら。

もう緑内障になってしまった私は視神経細胞の再生医療技術の発達を期待していますが、まだまだ開発途上です。
残念。

経済小説三冊2012/03/19



ビールやウィスキーを販売する会社、スターライトの憧れの宣伝部で働いていた上杉は、有名な広告賞をいくつか貰い天狗になっていました。いい気になって社内や代理店の女に手を出していると、相手が得意先の大手坂類卸の社長令嬢で、会社員としてのあるまじき行動を取ったということで、広島に転勤命令が出てしまいます。
辞めようとまで思いつめたのですが、宣伝部の先輩に諭され、広島行きを決意します。

「営業で売れまくって、宣伝部に凱旋してやる」

しかし、そうは甘くはない。なんと上杉は酒乱だったのです。営業って接待で飲みますよねぇ。

営業マンの仕事を垣間見られるお仕事本です。営業ウーマンは私にはできませんわぁ。


とっても夢のある話です。

お爺ちゃんから相続したアパートの管理人をしつつ、週に二日ほど夜バイトの交通誘導員をしている妹尾順平は吉野家で不思議な紳士に会います。
彼は順平に四百億を出すから三年で東京に鉄道を敷いて欲しいというのです。
戸惑いながらも、その仕事を引き受けた順平は、飲み友達のリエを引き込み、『鉄路プランニング』という会社を設立します。順平は代表取締役で、リエは専務取締役です。
その後、求人広告に応募してきた元国鉄に勤めていた鉄道のプロ、徳武こと徳さんを雇い、交通誘導で出会って頭の回転に感心したミキオを説得し、四人が『鉄路プランニング』のメンバーになりました。

さて、一体東京のどこに鉄道を敷こうというのでしょうか。

一つのプロジェクトをどういう風に進めていくのかということがわかる小説です。
これも立派なお仕事本です。


先に紹介した二冊に比べると、ちょっとスケールの小さな本です。

主人公は書店に勤める27歳の亜紀という結婚したばかりの女の子。
コネ入社の上、煮え切らない同じ書店に勤めている彼氏を振って、漫画雑誌の編集者と結婚したため、書店に勤める女の子たちからシカトされ、いじめを受けていました。
書店の仕事が好きだからと、いじめをする人たちと同じ土俵に立とうとはせずに頑張る亜紀です。
40歳独身父一人の副店長、理子はそんな亜紀が大嫌い。亜紀のところにきた結婚祝いのグラスを、ある理由から壊して捨ててしまったりします。

ここで気が付きました。著者の碧野圭って『辞めない理由』を書いた人ではないですか。
普通の職場って彼女の描くようなことが普通にあるんでしょうか?
私って恵まれているらしく、こういうことってない職場なんですが。

このままで行くと、よくあるお局様と若い子のバトルという暗~い話になってしまうと思っていると、違う展開になりました。

店長に抜擢された理子は自分の店が3月で閉店になることを知ります。どうせなくなる職場だから女に任せておけという発想なのか。
自分たちの働く場を失くしたくない理子と書店員たちは一致団結して売り上げを伸ばそうと頑張ります。そうすれば閉店しないと社長が約束したからです。
あんなに亜紀を嫌っていた理子も背に腹は替えられぬ。
亜紀の売り場改革案や人気漫画家のサイン会など、ユニークな企画をしぶしぶ取り上げるようになります。

いつも行く書店ってこんな仕事があるんだ。ふむふむ。
結局いじめのある職場って暇なのね、と思ってしまう私です。
残念なことに、上杉や順平と比べると理子も亜紀も魅力がないです。
亜紀はキャピキャピしすぎで、理子はなんでこんなにギスギスした嫌味な女なのか。

文庫本は『書店ガール』と改題してあり、書店もペガサス書店吉祥寺店になっています。内容も微妙に変わっているところがあるそうです。

三冊の中では一押しが『東京箱庭鉄道』です。
本当にこの本のようなことが計画されていたら・・・と思うと楽しくなります。私は実際にこういう計画があったのかと思ってしまいました。

大沼紀子 『真夜中のパン屋さん』 1&22012/03/20

寒い日が続き、なかなかダウンを離せません。でも、春は側まで来ています。桜の蕾も出てきていますし、二日前には蕾だった近所の梅が咲きました。


紅梅かと思っていたのですが、白梅でした。

我が家の鉢植えも花が咲きました。思い出のシクラメンは今頃花が咲いています。


このシクラメンは三年目です。花屋のと比べると、花も小さいし、形も悪いのですが、思い入れが違います。


鉢植えのシロバナジンチョウゲの花も咲き始めました。

さて、本の話ですが、本屋で題名を見てチェックしていた本です。なにしろパン屋の話らしく、美味しいもの好きの私としては、どんなパンが出てくるのだろうと興味があったのです。
2作目も出たので、売れているのだと思い買って読んでみました。


「都会の片隅に真夜中だけ開く不思議なパン屋」がありました。
このパン屋のオーナーは元国連職員の暮林で、不器用なので上手くパンが作れません。彼の片腕のパン職人として元ヤンキーで元ヤリマンの弘基がいます。そして、他の登場人物として、ひょんなことからパン屋に居候をすることになった女子高校生の希実とパン屋に来る変ったお客さんたち。

これらの人たちを巡るアレコレが書かれた物語です。

メインになるのが、希実の家庭のおかあさんのことと暮林のパン屋を開くきっかけ話、元ヤリマン弘基の元カノたちとの騒動です。
それぞれに深い事情というものがあり、心の傷を持った同志が肩を寄せ合い生きています。

私としては弘基の作ったクロワッサン、食べた~い。

このパン屋のコンセプトは「誰かの傘になれるような、店」だそうです。
この「誰かの傘に」というのが色々なことに広がっていきますね。

現代社会は家庭の崩壊が始まっていて、無理に崩壊した家庭を維持しようとする必要はなくて、こういう風に血が繋がっていなくても気の合う同志が家庭を作っていってもいいのかなと思いました。

角川庭園と大田黒公園に行く2012/03/21

角川庭園と大田黒公園へ行ってきました。
天気もよく暖かかったせいか、人が今までよりもいます。特に角川庭園なんて見るところもないし、庭も狭いわりに人が多いです。
子どもを連れたお母さんが、「ここ(角川庭園)は朝前を通るので気になっていたのよ」なんて大声で言いながら歩いていました。

入り口の猫柳がよりも大きくなっています。


この前は倒れていた水仙が起き上がっていました。


馬酔木の花が咲いています。


水琴窟の音を聞いてみるために、右側にある柄杓を使って、水を真ん中の石が四つあるところにかけてみました。


意外と周りがうるさいので、音が良く聞こえません。

前は大きい部屋で何やらやっていたのですが、今回は茶室が使われていました。


前に咲いていた梅が枯れて、別の梅が満開になっています。


大田黒公園に行ってみました。ここもいつもより子供連れが多く、子供が走り回っていました。


池をきれいにしたので、底の石までよく見えます。鴨がいません。どこに行ったのでしょう。
池のあずま屋の側にに白梅と紅梅が咲いていました。


ピンクの洋館のお化粧直しも終わったようですが、あまり変わったようには思えません。ペンキを塗り直したのでしょうか。


珍しくピアノのある部屋の雨戸がしまっていました。


洋館の後ろにある空地のようなところに梅が咲いています。




入り口の石畳の横にある竹林の中に鳥がいました。キジバトはわかるのですが・・・。



どなたかの家のミモザが黄色くなっていました。


神田明神散策2012/03/22

この前4時過ぎに神田明神に行くと、あかりちゃんがいませんでした。
そういうわけで、今日はお昼に行ってみました。
門の左端にある白紅梅は白梅が咲いていました。


門から入るとスカイツリーが見えています。


あかりちゃんはお姉さんに撫でられていて嬉しそう。


お姉さんがずーと撫でているので、なかなか写真も撮りずらいです。
撫でている方の顔がわからないので載せました。


用事を終えてから再度あかりちゃんに会いにいきました。なかなか人気者のようです。いつ行っても人が頭を撫でています。
撫でる人がいなくなっても写真のように頭を出したままなので、私も撫でてあげました。撫でられるのに慣れているらしく、微動だにしません。
駿馬になるのかと思っていたのですが、ただのポニーのようです。
それでなければ都心で飼えませんものね。

屋上庭園に行ってみました。この庭園、冬は枯れた植物ばかりの寂しい庭園です。一人の若い女性が変な運動をしています。
私が来ても無視してやっています。ジロジロ見るのもなんですから、見なかったふりをして私は写真を撮り始めました。
が、私の側まで走ってきたりします。早々に引き揚げました。

屋上庭園ではピンクの八重の梅が咲いています。


ぼけ(たぶん)も花が開き始めています。


下の植え込みに黄色い花(たぶんミツマタ)が咲いていました。


家に帰る道すがら、これまた変な鳥に出会いました。
羽をずーと広げたままなのです。鷺の一種でしょうか?白鷺は二羽いたのですが、黒い鷺っているのかしら?


口を開けています。側には誰も(鳥が)いません。このポーズを1分以上しています。


黒いので鴉かと思ったのですが、違うようです。


こういう鳥です。鶏冠のようなものが頭にあり、結構強暴そうな目つきをしています。ひょとして鴨でしょうか?

東野圭吾 『真夏の方程式』2012/03/23



小学五年生の柄崎恭平は、大阪に新しい店を出すことで忙しい両親から、夏休み中、玻璃ヶ浦で旅館をしている叔母一家のもとでお世話になるようにと言われ、一人で電車に乗っていました。
電車の中で携帯を使ったことを咎められた時に助けてくれたのが、物理学者の湯川でした。
湯川は玻璃ヶ浦の海底資源開発の説明会に招かれていたのです。
恭平が世話になる『緑岩荘』に湯川も宿泊することになりました。

説明会があった日の夜、『緑岩荘』に宿泊していた男が行方不明になります。彼は次の日に堤防から落ちて死んでいました。この男は警視庁捜査一課の元刑事だったため、玻璃警察署と県警以外に警視庁まで捜査に加わることとなり、解剖が行われ、死因が一酸化炭素中毒であることがわかります。

事件の起こった『緑岩荘』に湯川が泊まっていることを知った警視庁は草薙を派遣し、湯川と協力して独自の捜査を行うようにとの指令を与えます。
湯川の性格をよく知っている草薙は不可解とも思える湯川の指示にも文句も言わずに従います。

子どもは「行動が論理的ではないからストレスを感じる」から嫌いという湯川が、恭平君の勉強を見てあげたり、一緒に実験をしたり、船に乗れない恭平君にあるものを見せるためにがんばったりしています。
知らず知らずのうちに事件に加担してしまった少年に対する優しさでしょうか。

最後が甘いという思いもあります。人間に人間が裁けるのか。難しいものがあります。
論理的である湯川が人情に厚いところが弱点と言えば言えるでしょうか。

「気になる、というのは知的好奇心が刺激されていることを意味する。好奇心を放置しておくことは罪悪だ。人間が成長する最大のエネルギーが好奇心だから」

湯川の言葉です。
この頃、好奇心を持てない人が多くなったように思います。
何事にも好奇心を持てるかどうかが心の若さに関係しているようです。

五木寛之 『親鸞 激動篇』2012/03/24

親鸞』から約2年。名を四度変え、親鸞になったところまでが前の本でした。


親鸞は35歳の時に流罪で妻・恵信の故郷越後に流され、五年後に赦免がくだります。
40歳以降の赦免後の親鸞の活動が主な内容になっています。
越後では恵信との間に2人の子をもうけ、昔としては珍しい男女対等な夫婦関係を築いています。

現在の日本の仏教は政治から遠ざかっているようですが、この頃の仏教は政治と密接に結びついているようです。
親鸞はその外にいようとしてもいられない現実があります。
ひょっとして親鸞の生きていた頃の仏教界ではインドのアンベードカルや彼の後継者である佐々井秀嶺のような人は珍しくなかったのかもしれません。

念仏は奇跡を起こすためのものではない。この親鸞の思いがすべてを語っています。

前作に比べると、それほど面白みが感じられませんでした。次作の都の京に戻ってからの親鸞がどう活躍するのか、楽しみです。


晴れの日の梅もいいのですが、雨に濡れた梅も趣があります。
写真が小さいので、花が濡れているのがわからないかしら・・・。




ミモザは黄色く色づいています。


桜は蕾さえ芽生えていません。引越をする前に桜を見たかったのですが・・・。


サントリー武蔵野ビール工場見学会 ①2012/03/25

サントリートピックス」さんの招待により「ザ・プレミアム・モルツ講座―ビールの最高峰を目指すつくり手たち―」に参加してきました。

サントリーの武蔵野工場はJR南武線か京成線の分倍河原駅からバスで5分ほどのところにあります。
分倍河原駅南側駅前ロータリーからシャトルバスがでており、ビール工場見学はインターネットから申し込みができます。
無料でできたてのビールが飲めますので、ビール好きにはたまらないでしょう。
アレ?なんでお酒に弱い私が行ったのかって。工場見学をしたかったのですよ。

分かりずらかったのですが、駅に続く階段を降り、少し離れた小さな公園のようなところにバス亭はあります。



ブログを書いている約30名ほどの男女(女性が多いかな)、見たところ主に30代~40代(もちろん20代や50代ぐらいの人もいますが、ちらほらです)が招待されていました。
見ていると、仲間らしい人が多く、みんな楽しそうにおしゃべりをしています。後で聞いたところによると、そういう人たちはtwitterをしていて、知り合いの知り合いがたくさんいたのだそうです。
みなさん、始めて会ったわりに仲良さそうです。

寒い中、10分ぐらい待って、やっとバスが来たので乗ります。サントリーの社色って水色ですか?それともプレミアム・モルツの色?



硝子の大きい窓の中に見学コースで見ることのできる醸造タンクがあります。


道をまっすぐ行ったところが出荷場だそうです。土曜日だからか人が少なく、トラックもあまり走っていません。


サントリー色(と無理やり決めてしまいました)のバスです。


バスから降りて入り口から入ると、ゴリラが迎えてくれます。


サントリーってラグビーが強かったんですね。このゴリラ、欲しかったのですが・・・。


入り口を入ってすぐ左側に売店があります。売店は後ということで、エレベーターで三階に行き、「ザ・プレミアム・モルツ講座」を受けます。

最初に「サントリートピックス」の方とサントリーの人からの挨拶がありました。
この後、醸造技師の山寺さんから「つくり手の思い」を語っていただき、映像を見ました。


山寺さんは入社4年目の若手のホープです。技師になるには官能試験を受けたそうです。ビールを作る人が味や匂い音痴だったら話になりませんものね。


どんな方か顔を見たい人もいると思うので、一番よく撮れている写真を載せておきます。
彼は私生活では、ビールを飲む時は、サントリーのビール以外は飲まないそうです。仕事で比べる意味もあり、他社のビールを飲むそうです。
ビール会社の人は他社のビールは飲まないという噂は本当だったのですね。

武蔵野工場で1963年にビールの製造が始まり、この時に壽屋からサントリーに名前を変えたそうです。
何故サントリーという名前にしたかというと、「赤玉ポートワイン」(懐かしい)の「赤玉」を太陽に見立て、社長の名前の鳥井をつけたんだそうです。もともとはウィスキーの名前だったそうな。(Wikipediaによる)
恵比寿ビールがあるんだから壽ビールでもよかったような気がします。レトロな感じで。

「ザ・プレミアム・モルツ」は2005年から発売していて、昨年は過去最高販売数だったとのこと。
そんな中で新しい「ザ・プレミアム・モルツ」に挑戦したのですね。
より一層、”華やかな香り”と”深いコクと旨み”を追求したのだそうです。

どうやって改良したかというと、まず二条大麦麦芽に二条大麦麦芽の一種である「ダイヤモンド麦芽」をプラスしました。



二条大麦麦芽を口に含んで噛んでみると、少し苦味が感じられました。ダイヤモンド麦芽はほうじ茶のような香りと甘さがあるように思いました。(どうかな・・・?)

この麦芽に天然水(100%です)を加え「麦汁」を作ります。
ここが他とは違うのですが、「ダブルデコクション製法」で、徐々に温度を上げて煮詰めていくのと共に、全体の麦汁の30%を2回100℃で沸騰させるのだそうです。

この麦汁に欧州産のファインアロマホップを最初と最後の2回に分けて入れていきます。ちなみにサントリーはチェコのホップ農場の支援をしているそうです。



左が「アロマホップ」で右が「ファインアロマホップ」です。
香りを嗅いだのですが、続けて嗅いだせいか、私には2つの違いがわかりませんでした。
ホップを2回に分けて入れることにより、ビールに良質な苦みと華やかな香りが加わるそうです。

天然水を100%使用しているのは、天然水に入っているミネラル分がビールの旨みを引き出すからだとのこと。
(天然水で気になったのが、昨年のセシウム事件ですが、ちゃんと検査しましたよね?)

説明を大分はしょりましたが、このようにして作ったのが「ザ・プレミアム・モルツ」です。
ヴァイタートリンケン」(飲み飽きないおいしさ)を目標に、品質を下げないように毎日官能検査を行っています。一週間で半製品100種、製品60種を検査しているそうです。

 飲み始めは華やかな香り→深いコク→きれいな余韻→飲み終わり

ビールも考えられて作られています。

次は工場見学と試飲です。