山本幸久 『寿フォーエバー』2014/09/18

山本さんと言えば、『会社デイズ』や『凸凹デイズ』などのお仕事本で(私の中では)有名ですが、今度は結婚式場で働くウエディングプランナーが登場します。


何年か前に、若い女性たちの間でウエディングプランナーになりたい人が増えていると聞いたのですが、今もそうでしょうか?
人様のお祝い事をお手伝いするというのは気持ちのいいものです。
でも、いいとこばかりではないと思いますよ。
優柔不断なお客様とか、コロコロと言うことが変わるお客様なんかに当たると、大変ですよね。
ウエディングドレスは、私は一人で試着しに行ったのですが(これも珍しいらしいです)、なんと、おばあちゃんとお母さん、彼氏、妹などの家族を引き連れて来ている人がいましたよ。
家族がでしゃばってくると、決まるものも決まらなくなってしまいそうですわ。

主人公のウエディングプランナーの井倉靖子はアラサーの恋人いない歴が長い女性です。
一緒に働いていた女性が結婚退職をしてしまったため、超ド派手婚を一人で受け持つことになります。
実は彼女にはなんでも後回しにするという悪い癖がありました。
やるべきことを書き出して優先順位を決めるなんて、仕事上の初歩だと思うのですが、それができないのです。
そのためピンチに陥ってしまうのですが、同僚に助けを求めるということができません。

そういえば、旅行会社の若い社員が遠足のバスの手配を忘れていて、それがばれないように、学校に生徒を装って自殺するというような手紙を出したという事件がありましたね。
この人は間違いに気づいたらすぐに上司に相談し、どうにかしようと思わなかったのでしょうかね。
お客に迷惑をかけるよりもいいと思うのですが。
そんなに怒られるのが嫌だったんでしょうか?
いいじゃん。若いうちの過ちなんか。年取ってから笑って部下に言えるわよ。
変なプライドが邪魔ですね。

恋愛も仕事もパッとしない靖子ですが、超ド派手婚にかかわり、サプライズ婚をプラニングしていくうちに仕事に生きがいを感じてきます。
運が上向けば、縁もやってくる。

実際はこんなに上手くはいきませんが、でもハッピーになれたらいいですね。
お仕事本としては、ちょっと物足りないですが、面白く読める本です。

気になったんですが、タンパンマンってアンパンマンのパロディですか?