桜木紫乃 『凍原』&『無垢の領域』2016/04/11

本が溜まってきたので、とりあえずサラッと書いておきます。

桜木さんの本がおもしろかったので、次にミステリ仕立てのものを読んでみました。


舞台は釧路湿原。
同じ北海道内なのに、違った文化がありますねぇ。
釧路に近い親戚の家に風邪気味で遊びにいったら、咳がひどくなって大変だったのを覚えています。
湿気って喘息を招くのでしょうか?

小学生の少年が行方不明になります。
彼を最後に見た同級生は、彼が湿原の方へ向かっていったと証言しました。
湿原の谷地眼に落ちたのではと思われ捜索したのですが、見つかりませんでした。
それから17年が経ち、その少年の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任しました。

湿原で他殺死体が見つかります。
死体は男性で、青い目をしていました。
彼は常にカラーコンタクトをして青い目を隠していたようです。
松崎は先輩刑事、片桐周平と共にこの事件を捜査していきます。
事件は混乱の時代の樺太を生き抜いた女が関係していました。

道産子なのに知らなかった北海道の歴史の重さを感じました。


図書館のロビーで書展を開いた、書道家の秋津龍生の前に不思議な女性が現れます。
その女性は図書館の館長、林原信輝の妹、澄香でした。
澄香は25歳ですが、障がいがあり一人では生活ができず、書道家であった祖母に育てられていました。
しかし、祖母が亡くなったため、兄である林原のところに引き取られたのです。
林原は図書館の館長になったばかりで、独身。
人と同じことのできない妹をもてあましつつありました。

秋津は元書道家で今は寝たきりになった母を介護する生活を送っていました。
彼はどの会派にも属さず、創作を続けてはいるが、認められないことに苛立ち、書道教室を細々と営んでいますが、学校の養護教諭である妻、怜子に金銭的に頼っていました。
自らの書展で澄香の並々ならぬ書の才能を垣間見た秋津は、澄香に書道教室の手伝いをしてもらうことにします。
これが後の悲劇の始まりでした。

人はこのように色々なことを考えながら生きているのですね。
私はもっと単純に考えているような気がしますが・・・(恥)。
『シェルタリング・スカイ』が非常に印象的に使われています。
もう一度、映画を見たり、本を読んだりしてみようかしら。

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