堂場瞬一 『身代わりの空 警視庁犯罪被害者支援課4』2017/08/28



富山空港で旅客機が墜落。
死者が20名、負傷者多数にものぼり、村野秋生たち被害者支援課が総動員され、富山まで派遣されることになりました。
身元のわからない死亡者が一人見つかります。
その男の身元を調べていくと、彼は毒殺事件の容疑者として指名手配されていたフリーライターの本井でした。

被害者でもあり容疑者でもある本井の家族とどう接っすべきか、難しい立場になった村野です。
家族から本井が失踪していた半年間に何をしていたのか、何故富山に行ったのかを知りたいとの要望が出されました。
村野は支援課の範疇を越えて事件に関わっていきます。

支援課、失踪課、追跡調査課、一課が総動員。
うれしいことに、他のシリーズでに出てくる人たちも出てきました。

村野の根底には、
「警察官としてそうすることに抵抗があるなら、一人の人間としてやればいい」
「どんなに大変な仕事でも、その背後には苦しんでいる人がいる。そういう人たちのことを思えば、自分が苦労しているとは思えなくなるのだ」
などという思いがあるようです。
警官らしくないですね。
警官は犯人を捕まえてなんぼの商売ですからね。
被害者家族のためには犯人を捕まえることが何よりも大事だと思い、彼らのことはそれほど考えていないんじゃないでしょうか。

村野はこの事件で支援課の仕事の延長とはいえ刑事の仕事にも手を出しました。
膝の故障はありますが、一課に戻るのか、もしくは誘われた失踪課に鞍替えをしてシリーズも終わりかと心配したのですが、自分の居場所が支援課であるという強い思いを抱いたようです。
シリーズは続くようです。



兄犬はスヌーピー小屋でもひっくり返って寝ていました(笑)。