古内一絵 『最高のアフタヌーンティーの作り方』2021/06/01

古内さんの書いた「マカン・マラン」シリーズが好きだったので、読んでみました。


アフタヌーンティーって好きですか。
私は大好きですが、年に一回も行っていません。
なかなか友だちと日にちと時間が合わなかったりして行けません。
でも、この本の中に独りでアフタヌーンティーを楽しむ人が出てきて、お一人様でもありなんだなとわかったので、コロナがおさまったら行ってみたいです。

桜山ホテルで憧れのアフタヌーンティーチームに異動した遠山涼音は、アフタヌーンティーの企画で頭を悩ましています。
なかなかシェフ・パティシエの飛鳥井達也からOKがでないのです。
彼から嫌われているのかしらとも思ったりもします。
「最高のアフタヌーンティー」とはどんなものなのかしら?と考える毎日です。

アフタヌーンティーの由来や食べ方などが書いてあるので、アフタヌーンティー経験がまだの人がチャレンジする前に読んでみるのもいいかもしれませんね。

涼音の戦時中に浮浪児だったというおじいちゃんの言葉が身に沁みます。

「現実なんてのは、いつだって、厳しいもんだ。それが分かったうえで、美しい面を見るのも一つの覚悟だ」
「人が生きていくのは苦いもんだ。だからこそ、甘いもんが必要なんだ」

本に書かれているように、ワンオペ育児、非正規雇用問題、外国人や性別の差別、ハンディキャップなど現実には色々と問題があります。
そういう中で奮闘している時に、人の優しさに触れたり、気づきがあったりと、良い面を探せば少なくとも一つや二つはあります。
昔を思いだすと、私なんかは嫌な気持ちになることが多いのですが、過去が変らないのなら、良い面すなわち美しい面を思い出した方がいいのかなと思うこともあります。
自分を認めてあげられるのは、結局のところ自分しかいませんものねぇ。

私たちに必要なのは、過去や未来を思い煩うことではなく、心を今に向けること、「マインドフルネス」なのかもしれません。

アフタヌーンティーからとんでもない話になってしまいましたが、本のお話はとても心暖まるものなので、安心して(笑)読んでみてください。

椿山荘を思い出しながら読んでいきましたが、やはりそうでした。
今月のアフタヌーンティーは「メロンアフタヌーンティー」で、7月は「ピーチアフタヌーンティー」です。
イブニングハイティー」も美味しそう(涎)。
外食はまだ我慢。行ける日を楽しみに待ちます。

そうそうポルボロンも気になりました。
スペイン王室御用達グルメストア「パステレリア マヨルカ」で売っています。
お取り寄せしたくなりました、笑。

「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」を観る2021/06/02

1960年代は戦後日本の歴史のなかで社会運動がもっとも盛んだった時期です。
60年代後半には、ベトナム戦争や日米安保条約改定に反対する運動が沸き起こるなか、全国の大学キャンパスを舞台に学園闘争が発生していました。
学生達は学生の権利の拡大や学費値上げ反対、大学施設の管理権などの大学内の問題を取り上げ闘っていました。(東大闘争についてはこちらをご覧ください)
特に1968年はパリの五月革命やプラハの春、アメリカの公民権運動、王子野戦病院反対闘争などが起こり、「政治の季節」と言われていたそうです。

三島由起夫は1925年生まれ。学習院高等科から東大法学部へ進み、大蔵省に入省しますが、次の年に退職し、職業作家になります。
行動する作家で、文武両道、剣道や筋トレを行い、肉体を鍛えていました。
60年代に政治的発言を始め、政治色の強いものを書くようになります。
自衛隊体験入隊を繰り返し、1968年に楯の会を結成します。
1970年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室にて割腹自殺。45歳でした。


1969年5月13日、東大駒場キャンパス900番教室に1000人を超える学生が集まりました。
東大全学共闘会議駒場共闘焚祭委員会主催による「東大焚祭」の討論会に参加するために三島由紀夫が現れます。

三島と全共闘は右翼対左翼、保守対変革というように、全く交わらないように見えます。
学生たちはポスターで三島を近代ゴリラと揶揄したり、三島を殴りに討論会に来たとか言っています。
三島は身近を警護する楯の会の若者は連れてこず、さらしを巻いたお腹に短剣を入れて討論に臨んだそうです。
心配した楯の会の若者たちは三島に報せず、三島を守るために討論会に紛れていたそうです。

この討論会をTBSが撮っていたので、50年経った今、こうしてその時の様子を垣間見ることができます。
討論会のすべてがそのまま観られるのではありません。
以下のように4つの章に分れています。

第一章:七人の敵あり 三島の決意表明
第二章:対決
第三章:三島と天皇
最終章:熱情

合間に当時の全共闘の人たちや楯の会の人たち、作家の瀬戸内寂聴や平野啓一郎などのインタビューがおりこまれ編集されています。

かつての楯の会の人によると、三島は青年が嫌いだと言っていたそうです。
彼は青年の物の考え方、すなわち世の中の流行に流れがちで、首から上でしか考えず地に足がついていない、そんな青年が嫌いだったのだと言います。
そういうことを聞くと、ひょっとすると三島は全共闘の若者たちにシンパシーを感じ、期待していたので、この討論会に参加することにしたのではないかと思えます。
三島ほどのスーパースターになると学生を馬鹿にしたり、高圧的になったり、ぞんざいに扱ったりしてもおかしくはありません。
しかし三島は最初から最後まで彼らを対等に扱い、礼儀正しく、時にはユーモラスに、丁寧な語り口を続けています。
どんなに学生が失礼な言動を取ろうが、言葉を荒げることなく接しています。
三島は学生たちと話すことが楽しくてたまらないようです。
討論会後に「ゆかいな体験だった」と言っていたそうです。


学生の一人は娘を抱いて参加していました。
彼は芥正彦で、この頃から演劇をやる超前衛的な表現者として認められていたそうです。
「演劇を変革することは人間の存在を変革すること」
「革命とは最高級の大いなる詩。その超越性をどう一般理論にし、現実化するかというと、まずは演劇からだ」
「芸術家が変革されないところで世の中が変革されない」
など色々と持論を述べています。
時には三島を揶揄したりしますが、対決してやるぞという気負いが見られず、言葉で遊んでいるようにも見えます。
彼が三島と一緒に煙草を吸うところが微笑ましいです、笑。

この頃の学生だったら普通に会話に出るのでしょうが、私のようなノンポリ学生だったものには関係ない言葉が次々と出てきます。
無限定無前提の暴力否定、芸術至上主義、反知性主義対知性主義、他者とは、自然対人間、解放区、「天皇」etc.
あ、ノンポリとは、「政治運動に関心がないこと、あるいは関心がない人」のことです。元々1960年から70年代には「日本の学生運動に参加しなかった学生」のことをこう言ったそうです。(『ウィキペディア』による)


三島は学生たちに「君たちの熱情は信じる」という言葉を残して去って行きます。
彼は「社会を変えていくのは言葉である」ことを信じていたのでしょうね。
1960年代は言葉に力があった時代だったのかもしれません。
この討論会の1年半後に三島は割腹自殺をしています。
実はこの討論会で、この最期を思わせることを言っています。
三島も全共闘も、敗北で終わりましたが、同じ敗北したものとしての違いは、命を賭けるまでの「熱情」があったかどうかのように思えます。

映画の最後に、全共闘の彼らは、彼らの青春をどう総括しているのかを聞いています。これは私も聞きたかったことです。当時、学園紛争をやっていた大部分の人たちが、それを忘れたように体制側に着いたのですもの。(今の70代)
三人の元全共闘が答えています。

木村修(討論会の司会・元地方公務員):
「敗北とは思っていない。一般的な社会風潮に拡散したと思っている」
「自分自身で自分の人生何やってんだろうということもありましたし…。」

橋爪大三郎(東工大学名誉教授):
運動は必ず終わる。どんなやり方でもかまわないから、何があったかは覚えていなければならない。死んじゃうと覚えていられないでしょ。全共闘は自殺しなかった。そこが終わりじゃないから。負けることが必然であれば、負けた後、どうなるかってことを考えきらなければならない。見方によっては私はそれをやっている。(抜粋)

芥正彦(劇団ホモフィクタス主宰者):
「知らないよ、そんなこと。君たちの国ではそういう風にしたんだろ。おれの国ではそうなってないもの。証拠がないだろ。君たちの国におれがいないもの」

木村さんの言葉が一番誠実そう。
大学教授の方は体制側に行っちゃったからねぇ。
この映画が出来るかどうかは、芥が出演するかどうかにかかっていたそうですが、なるほどと思える濃いキャラです。
それにしてもなんか権力の権化みたいになっていますねぇwww。
これで総括できてるかどうかは疑問ですけど。

ここからはバカな女の世迷い言として読むか、飛ばして下さい。
なんで瀬戸内寂聴が出てくるんだと思っていましたが、瀬戸内さんの言うことが映画を観てわかりました。ひょっとして瀬戸内さん、三島に惚れていましたね。
この映画を観るまで、私は三島を作家として認めていても、割腹自殺したことで何やら偏狂的な危ない人だと思っていましたが、見方が変りました。
三島由紀夫はとっても優しい魅力的なカリスマ性溢れる人です。
生きて欲しかったです。

制服フェチではないのですが、今回映画で楯の会の制服を見て、なかなか素敵だと思いました。
ド・ゴール大統領の軍服を作ったことがあるという名テーラー、五十嵐九十九さんがデザインしたと言われていますが、実は彼の師匠のポール・ボークレーのデザインだったとどこかに書いてありましたが。
あの制服は鍛えた身体にしか合いませんね。
三島の美意識に感心しました。

この時代に私は間に合わなかった世代ですので、本や映像でしか知ることができませんが、何かに熱情を注げたということで、羨ましく思うこともあります。
ひょっとして今よりも希望の持てる時代だったのかもしれませんね。
討論に関しては全共闘のごく一部の人としかしていなくて物足りなかったです。
全共闘とは何ぞやが全くわかりませんでしたが、三島がとてつもなく魅力的に見える、生きた映像が見られたということで、満足しました。
この映画では三島が学生たちの上をいっているように見えましたが、実際はどうだったのでしょうね。
当時の人たちが観たら、これは全共闘ではないと言って怒るかもしれませんね。
そもそもこれが全共闘だというものがあったのでしょうか?

興味を持った方は是非ご覧下さい。
今ならamazon prime videoで無料で観られますよ。

小路幸也 『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン』2021/06/03

東京バンドワゴン・シリーズの新刊で番外編です。
題名がとうとうビートルズから離れてしまいましたね。番外編だから?
グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」はエルトン・ジョンの歌です。
目次を見ると、「第一章 ボヘミアン・ラプソディ」とクィーンも出てきます。
あらら、これからはイギリスのミュージシャンの歌なら何でもよいということになったのかしら?


前回、研人と芽莉依は高校を卒業し、結婚しました。
研人は友人の甘利大と渡辺三蔵と<TOKYO BANDWAGON>というバンドでミュージシャンとしてやっていくことにします。

三月の終わりに、祖父で伝説のロッカーである我南人が研人たちにロンドンでレコーディングをしないかと持ちかけます。
世界的に有名なロックミュージシャンで我南人の友人でもあるキースさんが彼のプライベートスタジオを貸してくれる上に、エンジニアたちのギャラも持ってくれるというのです。
研人たちは大喜び。
イギリスのオックスフォードに住んでいるマードックさんと藍子さんの家から通えないこともないので、彼らの家での宿泊をお願いすることになります。
引率の我南人も入れて4人、いいえ、幽霊になった祖母のサチさんも入れて5人がイギリスに行くことになります。
サチさんって便利なのよ。行ったことのある所だと、すぐに行けるのよ。羨ましいです。

イギリスに着いた次の日、キースさんのスタジオの見学とチェックに行こうという時に警察がやってきます。
<美術骨董盗難特捜班>のロイド警部補と事務官のジュン・ヤマノウエの二人がマードックさんに盗難にあった絵画の、日本への密輸について話を聞きたいというのです。(絵画の盗難で「花咲小路シリーズ」を思い出しちゃいました。でも関係なかったです)
マードックさんはニュースコットランドヤードに連れて行かれますが、それから彼は行方不明になってしまいます。

東京とイギリスの家族と仲間たちがマードックさんの誘拐と美術品盗難の謎に迫ります。
今回は特別にサチさんがジュンとタッグを組み、事件解決へ加勢します。

番外編なので、いつもよりもスラッと読めちゃいます。
たまには谷中を離れてみるのもいいのかもしれませんね。
いつものグダグダした感じがいいということもありますが、来年を待ちましょうね、笑。


お兄ちゃん、弟のようにヤドカリになっちゃいました。


いつもはクッションの上に寝るのに、今朝はクッションの下で寝ていました。
しばらくするとこういう風に顔だけ出しました。
弟だといつものことなのに、兄だと珍しいです。
ベッドとクッションが離れているのが嫌なのかしら?

山本幸久 『神様には負けられない』2021/06/04

この本、面白かったです。
私はモノづくりのお話が好きみたいです。


義肢装具士の専門学校に通う学生三人のお話。
まだ社会には出ていませんが、義肢装具士がどんな仕事かがわかるので、お仕事本にしてもいいでしょう。
専門用語が出てきてわからないことがあるとは思いますが、気にせず飛ばし読みをしても大丈夫ですよ。

パラリンピックなどを見て、義肢をつけた人が走るのを見て驚いたものですが、そういえば義肢を作っている義肢装具士について考えたことがありませんでした。
数少ないのですが、専門学校で学べます。
公益社団法人日本義肢装具士協会のリンクページに養成校が出ていましたので、興味のある方はここをご覧下さい。
義肢装具士の英語表記は「Prosthetist and Orthotist」で”PO”と略し、「海外では義肢の専門家をProsthetist、装具の専門家をOrthotistと呼び、個別の資格としている国」があるそうですが、日本では1つの資格にしており、国家資格です。
コツコツとモノづくりができる仕事だと思っていましたが、HPに「コミュニケーション・スキルが重要」と書いてあり、なるほどと思いました。
詳しくは「公益社団法人日本義肢装具士協会」HPをご覧下さい。

二階堂さえ子は26歳、七年間勤めた内装工事会社を辞め、渋谷医療福祉専門学校に入り義肢装具士を目指しています。
高校を卒業して入学してくる子が多いので、さえ子は年齢的に自分が浮いた存在だと感じています。
実習は班に分れて作業をします。同じ班にいるのは、さえ子とは違った意味で異端な二人です。
戸樫博文はコミュ障気味だけど実技がダントツでウマく、手先が器用で工具の扱いにも慣れている工業高校出身の男の子。都内の義肢装具会社でバイトをしています。
永井真純は髪の毛の色がよく変わり、耳と鼻にピアスをしている、言葉遣いが荒く、歯に衣着せぬ物言いの女の子。見かけによらず無遅刻無欠席で真面目に授業を受けています。義肢装具士になりたいという本気度は、誰よりも勝っています。
この三人が、最初は上手くいくんだろうかと心配でしたが、実習が進むにつれ仲間意識が芽生え、色々なことを経験して成長していき、最後はいつか一緒に義肢装具制作会社をつくろうという話になっていきます。

読んでいて、コミュニケーションの取り方が難しいなと思いました。
身近に義肢装具をつけている人がいない場合、ついつい知らず知らずに言ってしまいがちな言葉ってあるじゃないですか。
本の中にも出てきましたが、「すごい」とか「大変そう」、本人に向かって言いませんが「かわいそう」とか「気の毒」etc.
傷つける気がないのに、相手がどういう風に受け止めるかわからずに、つい言ってしまいがちですよね。
できればどういう言葉が頭にきて、傷つけられるのか、そして言葉以外で、どういうサポートが欲しいか、いらないか、何らかの方法で教えていただけるとありがたいです。

バリアフリーに関して言うと、バリアフリーとはいいながら、全くなっていないことってよくありますよね。
足を怪我した時につくづく思いました。
JRや地下鉄の駅はバリアフリーと言いながら、なってないんですよ。
階段を上がる時よりも下る時の方が大変なのに、エスカレーターが上りしかなかったり、エスカレーターやエレベーターの場所がわかりずらかったり、あってもホームの端の遠くにあって、改札口まですごく歩かせられたりするんです。
膝が痛い時に痛感しました。

山本さんの作品で読んだのは、『凸凹デーズ』と『カイシャデイズ』、『ある日、アヒルバス』、『天晴れアヒルバス』などで、すべてお仕事の本です。
私は気がつかなかったのですが、本の中に出てきた人たちが出てきているそうです。
どの本も面白いので、高校生や大学生のこれから仕事を決めようと思う人、読んでみると参考になりますよ。
仕事をしている人も、他の仕事のことがわかって目から鱗ってことがあるかもしれません。
知らないことって沢山ありますから。


トリミングで写してくれた写真です。


弟はいつも耳を寝かせ、ふせをして写っています。
変ですねぇ。ママが写すとこんなにならないのに。
「写されるの、怖いですぅ」と言っているようです。
実はビビリの弟なのです。せっかくの耳が、残念です。


お兄ちゃんはお座りして写っています。
ちょっと怒った感じかな?兜が似合いそうなりりしい姿です(親馬鹿)。
「僕写真嫌いだけど、我慢します」って言ってます、笑。

アリスン・モントクレア 『ロンドン謎解き結婚相談所』2021/06/05



第二次大戦後のロンドンで、アイリス・スパークスとグウェンドリン(グウェン)・ベインブリッジは<ライト・ソート結婚相談所>を二人で開業することにします。

アイリスは小柄でブルネットの髪をしたケンブリッジ大学卒業の頭脳明晰な女性で、戦時中にスパイ活動をしていました。そのためか数カ国語が話せ、格闘技が堪能な、結構無鉄砲なところのある女性です。
一方グウェンは上流階級に属する女性で、金髪で背が高い戦争未亡人。
夫の死のショックでしばらく療養所に入っていました。
息子が一人いますが、療養所に入っている間に息子の監護権が夫の両親に認められることになったため、仕方なく義理の両親の邸宅に住んでいます。
グウェンは人の内面を見抜く優れた目を持っています。
二人は友人の結婚式で出会い、意気投合し、結婚相談所を開業することにしたのです。

ある日、高級服飾店店員の美女、マティルダ・ラ・サルが入会しに来ます。
アイリスとグウェンは彼女に会計士のリチャード・トロワーを紹介しますが、マティルダが何者かに殺害されてしまいます。
容疑者として捕らえられたのが、リチャードでした。
彼は彼女と会う予定でしたが、デートをキャンセルするという手紙を受け取ったと言っているとのことでした。
彼が犯人ではないと確信した二人は、真犯人捜しに乗り出します。

前に紹介した『ロンリーハート4122』でも結婚相談所が出てきますが、戦後イギリスでは結婚相手を探すのに、相談所を使うことが多かったのでしょうか?
日本にはお見合いおばさんがいるのでいいのですけど、笑。
お話自体はこちらの方が面白いですよ。

動と静、肉体派と頭脳派という二人の違いがいいです。
おしとやかで、自分の意見を言わなかったグウェンがだんだんと自己主張していくところが読み応えがありました。
シリーズは三巻まで出版されているようです。


今週のおやつは出産祝いのお返しに頂いたカステラです。


趣味なのか、桐の箱にスヌーピーの焼き印。
嫌な予感してきました。カステラを出すと、またスヌーピー。


どこを切ればいいのか、迷いましたが、昼食がわりに食べようと思ったので、スヌーピーの頭と胴体を真っ二つに切りました。
恥ずかしながら、姪の趣味みたいです。
おばさんには焼き印のない、普通のカステラがよかったですわ、笑。

ほしおさなえ 『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』2021/06/06

金継ぎとは、割れたり欠けたりした器を、漆を使って修復する伝統的な技法です。
今回はこの金継ぎにまつわるお話です。


高校二年生の真緒は五年前から祖母の千絵の住む大森の家に暮らしています。
両親は三歳の時に離婚しており、母はホテルのコンシェルジュの仕事をしています。
そろそろ進路を決めなければならない時期ですが、まだ真緒は何がやりたいのかわりません。

明日から春休みという時、千絵からなにをするつもりかと聞かれ、真緒は思いつきで千絵の金継ぎの仕事をして見たいと言ってみました。
千絵は承知し、その日から教えてくれました。

千絵によると、金継ぎは真緒のひいひいばあちゃんから教わったそうです。
千絵の母の実家は飛騨高山の漆器の店で、漆があったので、祖母はお得意様に頼まれ、繕っていたそうです。
漆の器は男の仕事で、千絵は器を塗ってみたかったのですが許されず、祖母から金継ぎを習ったのでした。

金継ぎの仕事は真緒に合っていたようで、千絵の手伝いは続いていました。
夏休みに入り、千絵が買い物に出たあと金継ぎの部屋を掃除していて、道具のはいった棚の引き出しを開けてみていると、漆のかんざしを見つけます。
千絵にかんざしのことを聞くと、知り合いの職人さんが作ったもので、売り物ではないということでした。
かんざしを見ながら、千絵は「もう一度、高山に行きたい」とつぶやきました。
この言葉を聞いた真緒は千絵を連れて高山に行くことを思いつきます。

高山では千絵の過去の記憶を辿ることになります。
そしてこの旅は漆を巡る旅へと続きます。

昔はなれなかったものにもなれる今の時代。
選択肢は沢山ありますが、それだからこそ迷うのでしょうね。

壊れてしまったものは元通りにはならないけれど、金継ぎをして修復することはできます。
人間関係も同じと思いたいですね。

金継ぎの仕事と漆に関して知らなかったことがわかるお話です。
漆は植えてから10年以上経たないと採取できないし、採取した後、枯れてしまうので伐採するそうです。とても手のかかることですね。
こういう伝統工芸は残して欲しいですね。
私が若かったら、職人として弟子入りしたいぐらいです。
向いてるかどうかはなんとも言えませんけど、笑。

他のほしおさんの本と同様にしみじみとした心暖まるお話です。
特にYA(ヤングアダルト:中高生世代)の方に読んでもらいたい本です。

ほしおさなえ 『銀塩写真探偵 一九八五年の光』2021/06/07

紫陽花も色々な花の形がありますね。


下の紫陽花と同じ種類でしょうか?
丸く咲いていないので、違う種類にみえますが、よくよく見ると似ています。
下の花の倍以上の大きさでした。


青いので、よく見ずに通り過ぎていましたが、花の形が違うことにやっと気づきました。
調べてみると、島根県で作られた「万華鏡」という種類みたいです。
(違っていたら、ごめんなさい)



ほしおさんが探偵物を書くなんてと思って読んでみました。

真下陽太郎は恋ヶ窪高校一年生。
小学四年生の時に、父の茂の両親と同居するために西国分寺に引越してきました。
しかし母と祖母の仲が悪く、家には居場所がありませんでした。

陽太郎は写真部で、9月に新校舎へ引越すため、夏休みに部室の大掃除をしていました。
作品と私物を分けていると、大判の古いモノクロ写真がいっぱいに詰まっている箱を見つけます。
見てみると、なんとも魅力的な写真でした。
昔の写真部のことを知っている教師に聞くと、その写真は辛島先生の作品だとのこと。
十年以上も前に暗室があった頃、恋ヶ窪高校出身の写真家が、暗室作業を教えに来てくれていたことがあり、辛島はその一人で、恋ヶ窪で写真スタジオをやっているそうです。
陽一郎は強引に連絡先を教えてもらい、辛島に会いに行くことにします。

辛島曰く、「フォトグラフ」とは「ギリシャ語で『フォト』は『光』、『グラフ』は『描く』。つまり『光が描く』という意味だ」と。

彼に暗室作業を教わった陽太郎は、彼から写真を習いたいと強く思い、思いきって弟子入りを申し出ます。
最初は躊躇していた辛島でしたが、やがてカメラをすぐに手に入れ、大学に入ったら自分の暗室を作ること、そして毎日必ず三十六枚撮りフィルム一本写真を撮ることを条件に、スタジオの暗室を使わせてくれ、仕事がない時に教えてくれることになります。

ある日、ひょんなことから陽太郎は辛島の秘密を知ることになります。
その秘密とは…。

カメラにもとづく探偵なんて、どんななのか、気になりませんか。
ヒントは暗室です。
とここでネタばらしをしなくても、他でバレていますので、知りたい方は他をあたってくださいませ、笑。

本格的ミステリーかと思ったら、ほしおさんですもの、ファンタジー(SF?)よりの心暖まるお話になっています。
今の若者はフィルムのカメラなんてわかんないでしょうね。
内容は若者向きですが、フィルムカメラを懐かしむという意味で、40歳以上(たぶん)の人が読んでも面白いと思います。
ほしおさんの作品としては他のものをお勧めしますがね。

コルム・トビーン 『ブルックリン』2021/06/08

映画『ブルックリン』の原作を読んでみました。
2009年に刊行されています。


1950年代、アイルランドには仕事がなく、多くの人たちはイングランドに出稼ぎに行っていました。
田舎町エニスコーシーに住むアイリーシュの三人の兄達もそうでした。
アイリーシュ自身も仕事がなく、簿記と経理事務の勉強をしていました。
30歳になる姉のローズは事務の仕事につき、母と妹を経済的に支えながら、趣味のゴルフに勤しむ生活をしていました。

ある日、ケリーズ食料雑貨店の店主のミス・ケリーから呼びつけられます。
アイリーシュが数字に強いと聞き、日曜日だけ働いて欲しいというのです。
仕事がないので働くことにしますが、ミス・ケリーは人使いが荒い上に給料は安いのです。
特定のお客たちへの贔屓は日常的で、批判も物ともしません。
というのも日曜日の朝に開いている店は町ではここだけだからでした。

妹のことを思いやった姉は、アメリカに行かせることにします。
アメリカで百貨店に勤めることになりますが、大人しく消極的なアイリーシュはアメリカの生活に馴染むことができず、しばらくしてホームシックにかかってしまいます。
しかしフラッド神父のおかげでブルックリン・カレッジの夜間クラスで学べることになり、忙しい思いをしているうちにホームシックから立ち直ることができました。
それからしばらくして2回目に行った教区ホールのダンスの会で、イタリア系移民のトニーと出会い、付き合うことになります。

やっとアメリカでの生活に慣れた頃、ローズが急に亡くなってしまいます。
すぐにはアイルランドに戻らず、試験を受けて、資格が取れるのがわかってから、アイリーシュはアイルランドに一時帰国することにします。
トニーはアイリーシュが戻って来ないことを恐れ、結婚しようと言い出し、アイリーシュは承諾します。

久しぶりの母との生活は息がつまるようでした。
友人のナンシーと会うことにしますが、ナンシーはジョージと結婚することになっており、ジョージと行動を共にしています。
ジョージにはナンシーの妹に振られたばかりのジムがいつも着いて来ます。
昔ダンスパーティで会ったことのあるジムは愛想が悪く、悪い印象しかありませんでした。
しかししばらくジムと接するうちに、アイリーシュは彼に好意を持つようになります。

いつしかブルックリンでの生活は遠ざかり、夢の世界のように思えてきました。
アメリカに行く前の彼女は何者でもありませんでしたが、アメリカから帰って来た彼女には魅力があり、その魅力がすべてを変えたのです。
愛していると思っていたトニーも、愛していないということに気づきます。
このままアイルランドにいてもいいかもしれないと思い始めたアイリーシュ。
しかし、ミス・ケリーからの呼び出しが来ます。
そこでわかったのは、ミス・ケリーと下宿の家主のミセス・キーホーはいとこ同士で、彼女たちはアイリーシュが結婚したことを知っているということです。
アイリーシュは家に帰るとすぐに明後日の船の予約をします。

彼女はトニーのもとに戻るのでしょうか。それとも…。

映画と違うことが幾つかありましたが、それほど大きな影響はありません。
ローズは自分の病のことを知り、閉鎖的な町と母親の呪縛からアイリーシュを解放しようと思ったのかもしれませんね。
アイリーシュは流されやすく優柔不断な性格なので、後で後悔することになっています。
映画ではトニーのもとに帰りますが、小説ではどうなるのかは書いていません。
アイルランドとイタリアはカトリックですから、離婚は難しいでしょうね。
はたして彼女は自分の居場所を決められるのでしょうか。

映画と同様にクリスマスの場面が好きです。


今週のお取り寄せ。
銀座ハプスブルク・ファイルヒェンのオーストリアの伝統的なクッキー、テーベッカライ グロース。


柔らかいクッキーです。
紅茶でもコーヒーでも良いようです。

暑くなってきたので、兄はヘソ天をやり始めました。


まあ、大胆、笑。

大崎梢 『めぐりんと私。』2021/06/10

『本バスめぐりん。』に続くシリーズ第二弾。


移動図書館、愛称「本バスめぐりん」に乗り込んでいるのは、65歳の運転手のテルさんと、二十代の図書館司書のウメちゃん。
テルさんは前回は新人運転手でしたが、今回はもう新人ではなく、ベテランの域に達しています(たぶん)。
今回のお話は移動図書館にまつわる思い出の中の謎解きです。
テルさんとウメちゃんは脇役で、めぐりんの利用者が主役のお話、5編です。

「本は峠を超えて」…何故亡夫はヒバの見える一軒屋に住みたかったのか。
「昼下がりの見つけもの」…小学校の時に無くしたはずの図書館の本が家の天袋に隠してあった理由は。
「リボン、レース、ときどきミステリ」…ミステリ好きの営業部の男子は何故話しかけてきたのか。
「団地ラプンツェル」…引越していった友人の残した暗号の表すメッセージとは。「未来に向かって」…故郷の移動図書館が廃止されるのは何故か。
簡単に紹介してみました、笑。

移動図書館について調べてみました。
19世紀中頃、イギリスで馬車による巡回図書館が誕生し、アメリカでは1905年にメリーランド州の図書館で始められ、自動車輸送が発達した第二次世界大戦後に盛んになったそうです。
英語ではbookmobile(BM)とかmobile libraryと呼ばれており、アメリカで普及したスタイルが日本に導入されたので、直訳して自動車図書館、自動車文庫と呼ばれていました。
日本での移動図書館は1948年の高知県立図書館が最初で、そのすぐ後に鹿児島県立図書館、1949年には千葉県立図書館が導入したそうです。
昔は「建物の役割を車が担っていました」が、今は「図書館の遠い地域に便宜を図るため」という意味合いになっています。
現在は342の移動図書館が稼業しているようで、思っていたより多いですね。
(「日本大百科全書」、「Wikipedia」より)

そうそう最後の章「未来に向かって」が、図書館司書になりたいと思っている人に役立つと思います。
司書の資格は大学の取得コースや通信で取れます。しかし司書として就職しようとすると、大変なのです。
全国規模でも、公共図書館や大学図書館、企業図書館では、年に数カ所、ほんの数人しか正規職員の求人がありません。
たいていの人は非正規の司書になり、下手をすると時給が最低賃金(今なら1013円)より少し多いぐらいです。
なかなか現実は厳しいですね。

これから移動図書館は廃止に向かうのでしょうか?
「未来のために、多くの市民が図書館に親しめる機会を守るために」、移動図書館の形が変っても、その理念は存在し続けていくのでしょうね。


さて、我家の犬たち。


お兄ちゃんは利口です。
犬部屋からの脱走を企てること2回。
柵の端を押せば出られるとわかっているらしく、ママが気づかないうちに部屋から出ていました。
その時、弟は何をしていたかというと…。


「ヘヘ~、僕はお兄ちゃんを売りました。ママちゃん、お兄ちゃんが抜け出そうとしていますよ、ワンワンワンワン」

そうです、彼はいつもと違う声で吼え、ママにお兄ちゃんの脱走を報せたのです。

「恋愛適齢期」&「また、あなたとブッククラブで」を観る2021/06/11

ダイアン・キートンが主演の映画をまとめて2本、紹介します。
や~、彼女って女の私から見ても魅力的です。
年を取って、なお一層魅力が増したという感じです。
でも、この2本、なんで出演したのと言いたくなりましたけど、笑。


「恋愛適齢期」
ダイアンに対するのが、あのひねた(私の印象)男、ジャック・ニコルソン。
そして、何故かキアヌ・リーブスが好青年の医師の役で出演しているのです。
もったいないぞ、キアヌ。
もったいないがもう一つ。なんでダイアンのヌードがあるのでしょう?
映画は2003年だから、ダイアンは57歳。あなたは見たいですか?

ハリー・サンボーン(ジャック・ニコルソン)は63歳、レコード会社の共同経営者で、独身、プレイボーイ。ただし対象は30歳未満の若い女性のみ。
彼の今回のターゲットはマリンという女性。
二人で初めての夜を向かえるために、マリンの母で54歳、バツイチの人気劇作家であるエリカ・バリー(ダイアン・キートン)の浜辺の別荘に行くことにします。

別荘に行き、ハリーが冷蔵庫を見ていると、なんとやってきたのがエリカと彼女の妹のゾーイ。
驚いたエリカが警察に電話していると、マリンが現れ、納得する二人。
結局夕食を4人で取る羽目になってしまいました。

食事の後、台所に来たマリンに何であんな男と付き合うのかと問いただしていると、叫び声が聞こえます。
急いで行ってみると、ハリーが心臓発作を起こして倒れていました。
何とか命をとりとめたハリーですが、退院したいと騒ぎ出し、退院したとたんに病院の外で倒れてしまいます。
ハリーの主治医のマーサー(キアヌ・リーブス)は、自分の家に帰りたがるハリーに、看護付きで病院の近くにしばらく滞在するようにと指示します。
そんなわけで、ハリーはしばらくエリカの家に滞在することになってしまいます。
結局、みんなは帰り、エリカが一人でハリーの面倒をみることに。

ハリーは我が儘いっぱいの奴です。
病気なのに葉巻を吸うし、看護師を即、別荘に着いた途端に首にします。
ハリーを診察に来たマーサーは彼に2週間はセックスをしないようにと釘をさしますが、さて、どうなるのか。
実はマーサーはエリカの大ファンで、この機会を生かし、エリカを食事に誘います。

二人で過ごすうちにいつしか心を通わせるハリーとエリカ。
そこに入りこもうとするマーサー。
さて、どうなる?

ハリー役のジャックがいけ好かない男かと思っていたら、最後の方ではなんとも言えない恥じらいを見せ、驚きました。
「63歳になって初めて気づいた。恋をしている」なんて、普通の男には言えませんわね。
エンドロールでは「La vie en rose」を歌ってます、笑。
恋に恥じらう男の一番は、私の中では「恋に落ちて」のロバート・デ・ニーロですが、二番目にジャック・ニコルソンを入れますわ、笑。

おじさんとおばさん(おじいさんとおばあさん?)の恋愛なんか見たくもないと思うかもしれませんが、演技の達者な人たちですから、見ても損はしませんよ。
何度も言いますが、キアヌは、2003年にはもう売れてたのに、なんでこの映画に出たのかしら?

これまた何度も言っていますが、ダイアンの服装が素敵です。
白いTシャツ、白いタートルネックのセーター、白いカーディガン、生成りのパンツ、薄い水色のセーター…すべてを素敵に着こなしています。
うらやましいです。

コメディなので、楽しく笑って、そして最後は胸キュンとなってください。
この映画はジャックを観る映画ですね。



『また、あなたとブッククラブで』
この映画も読書会のお話です。読書会って欧米では流行っているのでしょうか?
私の知り合い(70代)は国立大学の国文科卒で、大学の同級生と未だに年に数回読書会をしているそうです。さすが国文科。(今はしてるかな?)
その人以外で読書会をしているなんて、聞いたことがないですわぁ。

出てくる女優がすごいです。
ダイアン・キートンを筆頭に、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェンです。
メアリーさんはよく知りませんが、色々な映画に出ているようなので、有名な女優さんなのでしょうね。
久しぶりにキャンディス・バーゲンを見ましたが、いい年の取り方をしていますね。ちょっとふっくらしましたが、素敵です。

ダイアン(ダイアン・キートン)、ビビアン(ジェーン・フォンダ)、シャロン(キャンディス・バーゲン)、キャロル(メアリー・スティーンバージェン)の四人は月一回の読書クラブを楽しみにしています。
読者会と言っても、ワイン片手に食事やおしゃべりを楽しむって感じです。

ダイアンは40年連れ添った夫を亡くし、まだその悲しみから抜け出していません。
ビビアンは複数の男性との関係を楽しんでいる、ホテル経営者。
シャロンは離婚のトラウマに苦しんでいる、連邦判事。
キャロルは夫婦の危機に直面している専業主婦。

ビビアンが新しく選んだ本が、『Fifty Shades of Grey』。
女子大生が若く有能だけどサディズムな大富豪の男性と知り合い、彼とSMの主従契約を結ぶという恋愛小説らしいです。(私、読んでないので知りません)
アメリカではベストセラーになり、日本でも出版されています。
最初は難色を示す3人でしたが、読んでいくうちに…。

ある日、ダイアンはアリゾナにいる娘たちに会いに行くため、飛行機に乗ります。
その時に隣に座っていた男性に粗相をしてしまいますが、それをきっかけに話が弾みます。
帰りの飛行機でCAにアナウンスで呼び出され、何だろうと思ったら、彼女の住所と電話番号、メールアドレスを聞かれます。
なんとこの前の男性はパイロットだったのです、笑。
こんなナンパしてもいいのかしら。
その後、ダイアンとパイロットのミッチェルは仲良くなり、ミッチェルの豪邸で過ごしますが、娘達が電話が繋がらないことを心配して、警察に連絡し…。
ちょっと娘達は母親に過保護気味です。

ビビアンのところに昔付き合っていて、プロポーズもされたことのあるアーサーがやって来ます。
どうもアーサーはビビアンに未だ未練がありそうです。
アーサーは再度プロポーズをするのですが…。

ビビアンの服装がすごいです。


見てください。ニーハイブーツを履いてるおばあさんっていますか。
この時、ジェーンは80歳を越しているのよ!
何歳になってもジェーンってボンデージ・ファッションの似合いそうな肉食系女子ですね。(「バーバレラ」の印象が強くて…)

シャロンは連邦判事。
元夫が若い女性と婚約したと聞き、出会い系アプリに登録してしまい、アプリにはまってしまいます。おいおい、仕事中にやるなよ!
メッセージを寄越した男性の一人、ジョージとデートをすることにしますが…。
奥手に見えた彼女も肉食系女子でした、笑。

キャロルと夫ブルースとの仲は冷え切り、キャロルは欲求不満気味。
ダンス大会に参加することを口実に夫とダンス教室に通うことにします。
夫はとっても嫌そうですが、ダンス大会で…。

4人の女性が本を媒介に、新しい人生を歩み始めるというお話です。
コメディですが、際どい下ネタもありで、アメリカの女性って肉食系ねってつくづく思いました。
私はキャンディスの見かけとのギャップ、アプリにはまり、車で…というところが気に入りました、笑。
あ、体型が一緒なので、ファッションを参考にしようかしら。

男性たちの紹介もしておきましょう。
ミッチェル役がアンディ・ガルシア、アーサー役がドン・ジョンソン、ジョージ役がリチャード・ドレイファス、ブルース役がクレイグ・T・ネルソンです。
みなさん、色々な映画で活躍なさっていますが、今回は残念ながら女性の勢いに負けてますわ。

2本の映画は強くおすすめはしませんが、興味が持てたら見てみてください。
面白いですよ。