古内一絵 『さよならの夜食カフェ マカン・マランおしまい』 ― 2019/01/30

一時止んでいた朝の五時の無駄吠えが始まりました。
ハウスに閉じ込めておくと吠えないので、私が寝る時に戸を閉めるようにしていたら、いつもは寝ないツリーで寝始めました。
寝ているところを撮ろうとしたら、起きてしまいました。
写真を撮ったのが嫌だったらしく、次の日からはハウスで寝ていました。
眠いのを起こされるのは誰でも嫌ですものね(笑)。

とうとう『マカン・マラン』も終わりです。
恐れていたシャールさんの病気の再発はなく、ホッとしました。
彼(彼女?)はいつもカフェにいて欲しいですものね。
4つのお話が入っていますが、最初の「さくらんぼティラミスのエール」を読むと、自分がもう大人であることが切実にありがたく思いました。
無理をして亡くなった母が行きたかったという私立のお嬢様高校へ通っている女の子のお話です。
若いと自分のことばかり考えてしまい、他の子のことまで気が回らなかったりしますものね。
そのために仲違いをしたりして。
それが今やいじめにまで発展してしまったりするなんて・・・。
こういう話を読んでいると心が痛いです。
ホント、大人でよかったわぁ。
彼女にかけるシャールさんの言葉がいいです。
「自分を憐れむ暇があったら、私は自分を元気にするほうを選ぶわ」
「人と人がつき合っていく限り、仲違いとか、勘違いとかは、決してなくなることがないの。どれだけ歳を重ねても、人間関係は悩ましいものよ。完全な友達なんて、どこにもいないわ。でもだからこそ、私たちは思いやりを学べるのかもしれないし」
「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる、それこそが、大人の嗜みというものよ」
大人になっても色々とあり、落ち込むことも多いけど、でも生きていると同じようにいいこともある。
私のような年齢になり、どこにも属さないと、もう怖い物なんかなくなる。
しがみつかず、逃げ出せばいいんだもの。
後は自分をどれだけ楽しませられるか、それだけ。
おもしろい言い回しだなと思ったのが、「不安と戦うのは、筋トレみたい」と「心の筋力」という言葉です。
真似したいのは「三つの感嘆」です。
どういう場面でシャールさんが言うかは本を読んでのお楽しみに。
淡々と日常を生きていると、感情が安定してしまうような気がします。
どんな些細なことでもいいから感動できたら、心が若いままでいられると思います。
最後に。
表紙はガレット・デ・ロワ。
フランスの新年のお菓子です。
シャールさんはこう言います:「人は己の人生の王様だ」。
ちょっと心が悲しくなったら、もう一度読んでみたい物語です。
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