「犬の裁判」を観る ― 2025/06/03
「Le procès du chien」は2024年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を受賞した映画です。
役名は「コスモス」ですが、サーカス犬でグリフォン種の「コディ」という名前だそうです。
2023年には「落下の解剖学」に出演していたメッシ君が取っていましたね。
難しい役をちゃんと演じていました。
我が家のわんこたちに爪の垢を煎じて飲ませたいですw。

裁判で負けてばかりの弁護士アヴリルは、弁護士事務所の所長から次の裁判で負けたら首だと言い渡される。
ところが彼女のところにやって来たのは、三度も人を噛んだというオス犬コスモスの弁護だ。
断っているというのに、視聴覚障害のある飼い主のダリウシュはしつこく、彼女がやるというまで諦めない。
仕方なく弁護を引き受けるが、本来なら犬は物として見なされる。
しかし、犬は「物」ではないというアヴリルの主張が認められ、とうとう勝つ見込みのない犬が被告の裁判で戦う羽目になる。
有罪なら、飼い主への罰金1万フランとコスモスの安楽死が確定する。
コスモスの被害にあった女性はポルトガルからの移民である家政婦。
コスモスが餌を食べている時に彼に触ってしまい、顔を噛みつかれ、大きな傷を負ってしまった。
どうもコスモスは食べている時に邪魔されると、噛みつくようだ。
それだけではなく、裁判が進むうちに、コスモスは女性だけを噛むことがわかる。
犬の権利から安楽死問題、障害者の差別問題、移民問題、性差別問題・・・まで広がり、裁判はカオス状態に突入していく。
さて、結末は・・・。
ホント、予告編だけではわからないものですね。
後からわかったのですが、この映画は法廷コメディだそうです。
フランスのコメディはとんでもないものだとわかっていたので、前もってわかっていたら、見なかったかも。
でも、わんこが出るので、見たかも。(どっち?)
スイスが舞台で実話に基づいていると言いますが、いつのお話なんでしょうね。
ほぼ裁判は怒鳴りあいで、耳栓が必要でした(嘘)。
つくづく日本語って静かな言語だなぁと思いました。
自分の主張したいことを相手が聞いていようがなかろうが、とにかく主張するのです。論点がずれようが、お構いなしです。
まさかフランスやスイスでは実際の裁判もこうなのか。
いろいろと考えさせられることはあったのですが、言葉のやり取りがすご過ぎて、飛んじゃいましたww。
被害者側の弁護士の女性(ポスターの右端の女性)が怖かった。
つくづく人間って醜い生き物だなぁと思いました。
犬の裁判の他に上司のセクハラまがいの言動や市長選挙がらみのこと、隣の家庭のDV、必要のないセクシー場面…と盛り沢山で、ちょっとまとまりに欠けていた感じがあります。
コディくんは達者な演技でした。

でもねぇ、人に向かって唸ったり、吠えたりしている怖い顔が映っているし、特に森の中でアヴリルとコスモスが争うシーンがとても嫌で、私は見たくなかったです。
気をつけて観て下さいね。
そうそう、犬の食事中に触っちゃいけないことは当たり前のことだと思ったのですが、そうでもないのでしょうか。
みなさん、食べている時は絶対に犬に触らないで下さい。
うちの兄犬は唸りました。この頃は取られないことがわかったのか、唸らなくなりましたけど。
そういえば映画の中に、フィンランドにある男性二人が経営する凶暴な犬を保護する施設が出てきましたが、本当にあるのでしょうか。
映画館はほぼ満席で、笑い声が起こる映画ですが、人を選ぶと思います。
私は特に見なくてもよかったなと思いましたが、好き好きなので、フランスのコメディが大丈夫という方は見てもいいでしょう。
映画としては、「落下の解剖学」の方が断然面白いので、オススメです。
コメント
_ ろき ― 2025/06/04 22時41分39秒
_ coco ― 2025/06/05 13時06分57秒
コディくん、可愛いけど、歯をむき出して怒る場面があり、演じるのが大変そうです。本当に俳優さんを噛んじゃいけないしね。
もともとオオカミですから、本能を刺激しちゃいけませんよね。
いっしょにいてくれてありがとうと思って付き合うぐらいがいいのかも。
もともとオオカミですから、本能を刺激しちゃいけませんよね。
いっしょにいてくれてありがとうと思って付き合うぐらいがいいのかも。
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でもフランス語の怒号が飛び交う法廷物か~やめておこうかww
動物は常に自然にふるまっているんだから罪はない。周囲の人間が悪いんですよね。