秋川滝美 『ひとり旅日和 運開き!』2021/12/02



日和26歳、やっと『人見知り女王』から脱皮か!
三作目にして、一人旅も慣れてきました。
それなのに、世の中にとんでもない強敵が現れ、一人旅も板につくようになったというの旅に行けません。
でもせっかく見つけた趣味だから、近いところなら、ひとりなら、さっと行って帰ってくるなら、許されるかも、そう思って行った先が宇都宮。そうです。餃子で有名な町ですね。
ラーメンと餃子って好きな人が多いですよね。
私はそれほどでもなくて、ずっと食べなくても生きていけますけどね、笑。
夫が好きなので、日和の行ったところを参考にして、いつになるかわからないけれど、宇都宮に餃子を食べに行こうかしら。

次に日和が行ったのは和歌山のアドベンチャーワールド
パンダの赤ちゃんが生まれたばかりなので行われた『パンダの親子観覧抽選』に当選しちゃったのです。上野動物園の抽選には外れたのに…。
パンダの赤ちゃんを見るのは今しかない。でも不要不急だよねぇ。
迷う日和。
もちろん両親は行くのに反対です。
でも行きたい…。
この頃メッセージのやり取りをしている、片思いの相手で一人旅の達人の蓮斗に相談してみます。
そして出た結論は、行く。
空港まで父に車で送ってもらい、飛行機に乗り、現地でレンタカーを借りてアドベンチャーワールドに行き、パンダの赤ちゃんだけ見て、どこにも寄らずに帰る。
そこまでして行くか、とは思いましたが。
楽しそうなアドベンチャーワールドでした。

次なる行き先は叔母さんの家です。
叔母の加世は独身で、両親(日和の祖父母)が亡くなった後に秋田県小坂町に引越しました。
この前電話をしてきて、何やらみぞおちが痛いとか言っていたので、母も日和も心配になったのです。彼女は大の病院嫌いです。
そこで日和たちが考えついたのが、旅行のついでに叔母の家に行くという嘘をついて叔母の家に泊まり、叔母を説得して病院に連れて行くという計画です。
これまた蓮斗に秋田に行くと連絡すると、母といつかは行きたいと話していた奥入瀬(おいらせ)を勧められました。
これ幸いと、奥入瀬に行くことにする日和。
(奥入瀬は中学校の修学旅行で行った場所ですが、全く記憶にありません。何を見ていたんでしょうね、笑)

叔母さんのいる小坂町は元鉱山の町で、明治の芝居小屋「康楽館」があり、今でも4月から10月まで毎日公演を行っています。
「明治百年通りの遊歩道」には、その繁栄を物語る数々の洋館が建ち並んでいるそうです。
ここもいつか行きたい町です。

もちろん日和は無事に叔母さんを病院に連れて行くという任務を無事に果たすことができました。

日和が最後に向かった先は、沖縄です。
何で行ったのかは謎です。
10月の沖縄には行ったことがないので、天気がどうなのかわかりませんが、マリンスポーツに縁のない日和はそれなりに楽しんだようです。
本島の観光だけで、美ら海水族館で一日というのが例外ですが、特に目新しいことはしていません。
あ、レンタカーは借りずにバスを使っています。
おばさんは荷物を持ったり、バスを待ったりするのが嫌なので、レンタカー以外は考えられませんが、若ければいいかもね(棒読み、笑)。
そうそう美ら海水族館の「オーシャンブルー」で食べた軽食がまずかったけど、今はどうなのかしら?
私が行った時は有料指定席なんかなかったわねぇ。
そうそう、燃えた首里城はどこまで再建されたのかしら。

読んでいて私としては東北地方巡りをしたいなと思いました。
小坂町と十和田湖、奥入瀬にもう一度行ってみたいんですけど、奥入瀬は日和のお母さんと同じく体力に自信がないから歩けないかも。
来世まで持ち越しとかいうほど行きたいわけではないですが、笑。

26歳の日和のつぶやきがちょっとウザいかもしれませんが、ガイドブックのつもりで読むといいでしょう。
出てくるお酒とか料理を試してみたくなりますよ。

読んだ本と漫画2021/11/20



井上荒野 『あちらにいる鬼』
瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになりましたので、ご冥福をお祈りいたします。
彼女と不倫関係にあった男性と彼の奥様をモデルにして娘が書いたということで評判になった小説を読んでみました。
残念ながらどの人にも私は魅力を感じませんでした。
3人共にまだ深く描き切れていないという感じです。

井上さんの恋愛体験がどのようなものかは知りませんが、彼女の本より瀬戸内寂聴が瀬戸内晴美だった頃の本の方がお勧めです。

山本巧次 『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 8 ステイホームは江戸で』
東京はコロナ禍。関口優佳は江戸へ避難することにします。
もちろん江戸にコロナを持ち込んではならないので、二週間の自主隔離をしました。
江戸では十手持ちの女親分である優佳ことおゆうは、読売が書いていた深川門前仲町の信濃屋の跡目争いに興味を持ちます。
同じ頃、南町奉行所同心・伝三朗からこのひと月ほどの間に、歳が三つぐらいの子どもが消えて、二、三日で戻っているということが続いているので、調べて欲しいと頼まれます。
一見関係なさそうな二つの出来事でしたが…。

なかなか進まないおゆうと伝三朗の仲です。
読んでいてまさか江戸時代に…と思わずにはいられなかったですわ、笑。

友井羊 『スープのしずくの謎解き朝ごはん 7 朝食フェスと決意のグヤーシュ』
理恵は今まで働いてきたフリーペーパー・イルミナの編集部が移籍したため、新しい会社で働き始めました。
仕事内容は同じだと思っていたら、会社主催の朝食フェスの運営をするようにとの業務命令が…。スープ屋しずくも出店することになり、戸惑いながらも、頑張る理恵でしたが、出店を頼んでいたお店から出店を考え直したいという連絡がきます。
スープ屋しずくの店長、麻野の出番です。彼は謎解きが得意なんです。

おゆうたち同様になかなか進まない二人の関係ですが、娘が懐いているので、そろそろどうにかなりませんかね。

≪漫画≫
よしながふみ 『きのう何食べた?(19)』
映画になっちゃったわね。来年あたりにテレビで放送されるのを楽しみにして待ちますわ。ヒットしたのも俳優さんたちが良かったからですね。
レモンパウンドケーキとミートソース、作ってみたいです。

高口里純 『グランマの憂鬱 9』
本当にこういう村があったら、面白いですね。
今回は今流行のYouTuberが村にやって来るということで、危ないことにならないように、村総出で見守るというお話です。
無知は怖いよね。こういう人たちが結構いそうです。
ちょっとマンネリしたかなという感じです。

水凪トリ 『しあわせは食べて寝て待て 2』
一巻で期待したのですが、二巻は肩すかしでした、残念。
もっと薬膳のお話が欲しかった。

広田奈都美 『ナースのチカラ~私たちにできること 訪問看護物語~6』
コロナ禍で葛藤しながらも活躍する訪問看護師たち。
そこにやってきた研修ナースの深原は何故か持田に絡みます。
彼女の母親は難病で亡くなっていますが、そこに何か深い闇がありそうです。

富士屋カツヒト 『19番目のカルテ 徳重晃の問診 4』
総合診療科の必要性が問われます。さて、どうなるのか。
患者が多くて、診察が流れ作業のようになってしまいがちですが、医師が忙し過ぎですよね。

コロナ禍で働いている医療従事者の方々、ありがとうございます。
コロナ患者が少なくなった今、十分お休みになってください。

何と言っても『きのう何食べた?』は大好きです。
ドラマもいいけど原作も読んでくださいね。
医療を扱った漫画はどれもいいですよ。


弟犬はカモシカが気にいっています。


こういう風に噛みついています。
歯が鋭いのですが、このおもちゃは破れません。
兄はかみずらいのか、見向きもしません。
もっぱらハンカチです、笑。

夏川草介 『臨床の砦』2021/11/13



この本はコロナ診療の最前線に立つ医療関係者の闘いを描いた作品です。
フィクションという形を取っていますが、夏川さんは長野県の現役の感染症指定医療機関に勤めている医師ですから、リアルな医療現場の様子が描かれています。

北アルプスのふもとにある小さな総合病院、信濃山病院は感染症指定病院として、専門の呼吸器内科医はいませんが、専門外の内科医と外科医が集まった混成チームで、一年近くコロナ診療を続けています。重症患者は筑摩野中央医療センターに受け入れてもらっています。
初めは正体不明だった感染症に向き合い、命がけのぎりぎりの状態でなんとか持ちこたえていましたが、年末から様相が大きく変わり始めます。

「圧倒的な情報不足、系統立った作戦の欠如、戦力の逐次投入に、果てのない消耗戦」
「かつてない敵の大部隊が目の前まで迫っているのに、抜本的な戦略改変もせず、孤立した最前線はすでに潰走寸前であるのに、中央は実行力のないスローガンを叫ぶばかりで具体案は何もだせない」

「感染症のスタッフは明らかに疲弊していますよ。誰が誰だかわからないまま通り過ぎていく患者、大量の高齢者の介助、想定外のコロナ患者の看取り、そして必死にがんばっても終わりの見えない果てしない業務…」

「周辺の感染症専門病院やその他の大規模専門病院からはことごとく患者の受け入れを拒絶され」、「憶測に基づく苛烈な風評被害にさらされ、他院からの医師派遣も中止され、病院の職員というだけで接触が拒まれた…」

「コロナ診療における最大の敵は、もはやウイルスではないのかもしれません。敢えて厳しい言い方をすれば、行政や周辺医療機関の、無知と無関心でしょう…」

不思議なことに第5波は医療崩壊を叫ばれながらも、終息しつつあります。
第6波は来るとは言われていますが、備えはできているのでしょうか。
今回なんとかなったから、次も大丈夫などと楽観的になっていなければ良いのですが…。(信用できないよね)

一人でも多くの方がこの本を読んで、コロナと闘っている医療現場への理解を深めてもらいたいです。


この頃、楽しみにしているのがコンビニスイーツ。
こんな可愛いのを見つけました。


ファミマのすみっコぐらし和菓子。

桐野夏生 『砂に埋もれる犬』2021/11/08

題名の『砂に埋もれる犬』はスペインの画家ゴヤの絵からきているそうです。
有名な「黒い絵」の中の一枚です。


スペイン語の題名はただの「El perro(犬)」。
実はこの絵は「聾者の家」の壁に描かれていたのを切り取り、キャンパスに保存したものです。もとの絵の犬の目線の先には大きな崖と2羽の鳥がいたそうです。
犬は砂に埋もれているのか、大きな岩の後ろにいるのか…。
かつては「流れに逆らう犬」とも呼ばれていたそうです。


12歳の小森優真は住居が定まらず、毎日の食事も満足に食べられず、母の亜紀からは疎んじられ、母の男たちからは虐待され、苦しまされてきました。
学校ではいじめられ、引越ししてからは母が手続きをしないため学校にも通っていません。
亜紀はいつも男に依存し、彼女が選ぶ男はみな暴力をふるい、亜紀に飽きると未練もなく彼女を捨てます。
それでも亜紀は働かず、次の男をさがし、子どものいる家には帰ろうとはせず、刹那的な生き方をしています。

そんなある日、空腹に堪えきれなくなった優真はいつも行くコンビニの店長の目加田に思い切って廃棄する弁当をもらえないかと頼みます。
優真のことを可哀想に思った目加田は人には言わないことを約束をし、弁当とおにぎりを渡します。

そんな頃に優真は母の亜紀が泊まりがけの仕事だと嘘を言って、恋人の北斗とラウンドワンで遊んでいるのを見つけます。
母親に激しい憎しみを感じる優真。

優真が親から虐待を受けているのではないかと疑惑を抱いていた目加田は、左目の下に青痣を作った優真が現れた時、躊躇せず警察に報せます。
優真は保護され、施設で暮らせるようになります。

それから一年が経ち、重度脳性麻痺の一人娘が亡くなり、目加田夫婦は優真を引き取り育てることにします。
暖かい寝床と食事、学校にも通えるというのに、優真の心は満たされません。
普通の家庭が手に入ったのに、学校では相変わらず友だちができないのです。
何か違う、欲しかったのはこんなものではなかった…。
いつしか同じクラスの女の子に対する憧れが捻れた欲望へと変わり、彼の出自を知り、見下す同級生に対する憎悪がつのり、彼のためだと言い説教する目加田に対する殺意が芽生えてきます。
そして…。

490ページが短く感じるほどで、すぐに読み終えました。

虐待の連鎖は止められるのでしょうか。
なかなか難しいと思います。
優真のような虐待を受けている子は、もちろん育ってきた家庭によって違いますが、私たちが当たり前だと思っていることを知らないことがあります。
例えばお店で物を取ったり人の家の敷地に入ったりすると犯罪になること、お風呂の入り方、身支度の仕方、食べ方、挨拶の仕方等の日常的なこと、人とのコミュニケーションの取り方 etc.。
思春期で、それでなくても自尊心の低い優真ですから、里親になった目加田・夫のように言われると、反発し、そういうことを言う目加田を恨みたくもなりますよね。(ちょっと疑問に思ったのは、こんなに簡単に里親になれるんでしょうか)
目加田夫婦は善人ですが、善人であるだけに困った人たちでもあります。
優真の持つ闇を軽く考え、自分たちの力でどうにかできるなんて思っていますもの。
いつ優真が爆発するのか、ビクビクしながら読み進んでいきました。
あっけない終わり方でがっかりする人もいるかもしれませんが、私は微かな光が見え、よかったと思います。
「わからない」からこそ互いに手探りをしながら、少しずつ信頼と愛情を育てていければ…と思えたからです。


我家の犬たちはおやつを探して奮闘しました。


弟も登場。


クンクン匂いを嗅いでいますが、なかなか見つけられないみたいです。


弟はすぐに飽きてしまい、カモシカを咥えていなくなってしまいました。
兄はいつまでもおやつを探しているので、ママはおやつが見つかるようにちょっとズルしました。
弟の使った後は唾液で濡れているのが気持ち悪いです(ゴメン)。

読んだ本と漫画2021/11/06

この頃海外ドラマを見るようになったので、なかなか本が読めません。
原則としてミステリー以外の文庫本はまとめて紹介します。


坂井希久子 『すみれ飴 花暦居酒屋ぜんや』
ぜんやシリーズはお妙と只次郎が結婚をした前回で終わったと思っていたら、続きが出たようです。
新しい主人公はお妙と只次郎が養い子として引き取ったお花です。
お花の母親は鬼畜のような人で、お花に心理的かつ肉体的虐待をしていました。
娘を吉原に売れば金になるのに売らなかったのは、娘が衣食住に困らなくなるのが許せなかったかららしいです。変な理由ですね。
最後にはお花を捨て、男と駆け落ちですから、呆れた人です。
善人を絵に描いたようなお妙と只次郎ですから、お花を大事にしてくれますが、お花は母親に虐待を受けていたため、彼らの気持ちを素直に受けとめられません。
いつ嫌われ、捨てられるかとビクビクしながら暮らしています。
いつもお妙たちのことばかり考え、彼らの役に立ちたいと思い行動します。
そういうお花がお妙たちには痛ましいのです。
何でも好きなことをしたらいいと言われても、何が好きなのかもわからないお花。
これからどういう風に成長していくのかが今後の楽しみです。

椹野道流 『モンスターと食卓を 3』
法医学者の杉石有は恩師から託された美青年・シリカと暮らしています。
彼には辛い過去がある様子が見られ、自らも過去のトラウマを抱いた有はシリカのことを黙って見守っていくことにしていました。
しかし…。

不思議な青年シリカの過去がだんだんと暴かれていきます。
美味しいお料理が出ると思って手に取りましたが、椹野さんの本ですからだんだんと怪奇じみてきました。
このままで最後までいくのか、どんでん返しがあるのか…?

喜多みどり 『弁当屋さんのおもてなし(9)しあわせ宅配篇3』
6月の北海道。『くま弁』の配達の仕事も順調な雪緒。
店長のユウと千春の結婚記念日が近付き、店の常連たちが集まり結婚記念パーティを開催することになります。黒川が発起人となり、ユウと千春が料理を作り、雪緒が二人を喜ばせるサプライズを考え、楽しいパーティになりそうです。

こんなお弁当屋さんがあれば、週に一回以上使いたいですね。
雪緒は一体何をやりたいのかがよくわかりません。回りを見回せば、彼女のことを思ってくれているいい人がいるのにね。

次は漫画です。

荒川弘 『百姓貴族 7』
北海道の農業高校の様子を描いた『銀の匙』の作者で、自らも農業高校を卒業し、七年間自宅で農業に従事していた荒川さんが描いた北海道の農家のあるあるです。
これを読むと、農業って面白そうと思いますが、体力のない私には無理だ・・・とも思います(軟弱)。
農業にあこがれるあなた、一度読んでみてください。

堀田あきお&かよ 『おふたりさま夫婦、老活はじめました。どうなる!?わたしたちの老後』
そろそろ老後のことを考えなければと読んでみました。
コロナ禍でよかったことの一つはお葬式が簡素になったことです。
昨年親戚に家族葬をするから葬式に来なくていいと言われました。コロナ禍だから人数を少なくするために、家族以外は断ったようです。これがスタンダードになればいいのですが。
うちは直葬で、お墓はいらないから樹木葬にしようと話しています。
話すだけではなくて、ちゃんと遺言書にでも書いて置かなければ…。

二階堂ヒカル 『あおざくら 防衛大学校物語22』
夏季定期訓練が始まり、いよいよ船の上での訓練になります。
近藤をライバル視する嫌な奴の登場で、近藤ピンチ!
真のリーダーシップとはなど色々と考えさせられます。
自衛隊について知りたい方、読んでみてください。

福丸やすこ 『一杯のしあわせ 1&2』
食べ物に潜む思い出を描いた作品。
思い出すたびに幸せな気分になったり、ちょっぴりおセンチになったり…。
こころに染みる物語です。

石塚真一 『BLUE GIANT EXPLORER 4』
アメリカ大陸を巡る旅で、いよいよロスに到着。
ヨーロッパで認められていたのに、アメリカでは大のような音は嫌われるようです。ロスは耳障りのいいジャズ好みなんですね。
いつアメリカで大は認められるのか、次回に期待します。

医療関係の漫画
荒井ママレ 『アンサングシンデレラ 7』
水谷綠 『こころのナース夜野さん 4』
薬剤師と精神科ナースのお話。どちらもお勧めです。

幻想的な世界の漫画
猪川朱美 『鵺の絵師 10』
今 市子 『百鬼夜行抄 29』
こういう感じの漫画、大好きです。妖魔のいる不思議な世界が好きな方向きです。

漫画はどれも面白かったです。


トリミングで顔の毛を短くしてもらったら、ちょっと目がぎょろ目になって、可愛くなくなった犬たち。


弟は相変わらずトナカイを咥えていますが、咥えたままだとママが遊んでくれないことを覚え、トナカイを持ってきては床の上に置くようになりました。
(唾液がベットリついているので、ジュータンが汚れますぅ)
こうなるまでに二、三週間かかりました(ママは疲労困憊、笑)。

桜木紫乃 『ブルースRed』2021/10/28

『ブルース』のその後。


血の繋がらない父である景山博人が亡くなり、彼の代わりに釧路の町を裏側から牛耳る景山莉菜。
町は変っていき、彼女の影響力もだんだんと衰えていく。
彼女の望みは博人の血をひく武博を立派に育て、官僚から国会議員にするということ。
そのためには邪魔ものたちを排除することも厭わないし、必要なら自分の命すら捨てる。
そんな彼女が最後に身を寄せた場所とは…。

姐さん、と呼びたくなる莉菜です、笑。
実際の釧路に彼女のようなフィクサーがいたのかしら?
私のような一般人には関わりを持つことがない女(ヒト)ですね。
桜木さん曰く、「守りたいものがあれば、いくらでもワルになれる。そんな女を書きました」。
本の中では博人に「男と違って女のワルには、できないことがない」と言わしていますが、莉菜が惚れた男たちのためにやることは、「ワル」ができることではないです。
私には悲しい女の性(サガ)のように思えました。

帯には最高傑作とか書いてありますが、それほどではなかったです(ゴメン)。
なんか今までの作品とは違い、釧路の荒涼とした感じが少なく、莉菜には最後まで感情移入ができませんでした。
女のアウトローは小粒になりがちなのかしら。
終わり方がちょっと残念でした。莉菜は人とはつるまないと思うんだけど…。

原田ひ香 『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』2021/10/26



題名に「その通り!」と言いたくなりますよね。
親元を離れて暮らしている人なら身に染みるお話、六話です。

私も大学から上京し、年に一回か二回ぐらいでしたが、母親からの小包が届いていました。
送ってもらって一番嬉しかったのが、じゃがいもです。
家は農家ではないので、お店から買って送ってもらっていました。
今では考えられませんが、昔のスーパーのじゃがいもは茹でると筋があり、美味しくなかったのです。
よく塩茹でしてバターをつけて食べていました。あ、そうそう、バターも北海道の「雪印バター」や、たまに「トラピストバター」などが入っていました。
ジンギスカンもありがたかったですね。私の好きなのはタレに漬けてある松尾ジンギスカンです。
食べ物と言えば、第二話にでてくる甘納豆入りのお赤飯も美味しいですよ。(いももちは記憶にないけど…)
お赤飯と言えば甘納豆が当たり前だったので、東京で小豆のお赤飯を見て驚きました。
それに納豆と言えば醤油バターだったのに、夫に嫌な顔をされました。
読んでいて顔をしかめた方、試して下さい。美味しいですよ。
北海道のソウルフードと言ってもいいぐらいです、笑。
もう小包は届くことはなく、今から思えば、なんでこんなの送ってくるのと思うこともありましたが、親の心子知らずとはよく言ったもので、今になるとありがたかったですね。

地元岩手第一主義の母親からの小包、キャリア志向の母親からの小包、実家からと偽った小包、農家からのお母さん小包、毎年送ってくる謎の羅臼昆布の小包、亡くなった母から届いた最後の小包。
登場人物たちにはそれぞれ家庭の事情があり、送られてくる小包に喜んだり、戸惑ったり、悪態ついたり…。
なんのことのない小包からこういう奥の深いお話ができるのですね。
読み終わると、ふと母親に電話をしたくなるかもしれません。是非電話をしてください。
子どもにダサいから何も送らなくてもいいと言われていても、送り続けてください。
いつか思いが届くかもしれません。

原田さんがなんで北海道のことを知っているのかと思ったら、旦那さんの転勤で帯広に住んだことがあるそうです。納得。

お勧めの一冊です。

読んだ本2021/10/22



髙森美由紀 『山の上のランチタイム』
青木美玖は元柔道部。足腰の強さだけがアピールポイントという女の子。
おっちょこちょいでよく失敗をやらかし、詳しくは書いてないけれど、このために仕事を解雇されたらしい。一体何をしでかしたのやら。
常連の佐々木さんから、活きのいい仔熊みたいだと言われて、いい気になっています。
ひょんなことから葵岳の登山口にあるレストラン『コッヘル デル モタキッラ』で働くことになります。
そのレストランには都会から故郷に戻ってきたイケメンオーナー兼シェフの登磨と彼の甥でこれまた美少年の中学二年生で不登校、お手伝いの明智瑛太がいます。
レストランは地元の食材を使った確かな味の創作料理と弁当を提供することで話題になり、町外からもお客がやってきます。
実は美玖、登磨に片思いなんです。

レストランに来るお客と葵岳で母親を亡くした美玖、そして登磨の作る美味しい食事が織りなす心暖まるお話です。

史夏ゆみ 『イダジョ!完結篇』
初期研修が終わり、そろそろ専門研修を決めなければならなくなった安月美南は消化器外科か救急科のどちらにしようかと悩んでいます。子どもがいるから夜勤のある救急科は無理かな…。
そんな頃、助手をした手術の後、朋欧大学から派遣されている北崎医師から「オペが向いていない」と言われへこむ美南。
オペに向く、向かないとはどういうことなのか…。
パートナーの影見に、こう言われたのは美南の何かが決定的にだめだったんじゃないか、彼の言いたかったことは別にあり、どこかにある問題を直さないと本当に『向いていない』人になっちゃうんじゃないかと言われます。

医師になるのも大変ですね。一人でも多くの患者を救うために頑張ってください。
女医さんは出産が一番のネックですね。病院は働き方改革、進んでいないのかな。

松岡圭祐 『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』
東京ディズニー・ランドの裏側を描いた作品。
19歳の永江環奈は東京ディズニーランドでカストーディアルキャスト(掃除スタッフ)としてアルバイトをしています。
両親は清掃のバイトではなく、もっとちゃんとした仕事に就けと五月蠅く言ってきます。
環奈自身も自分の仕事に誇りが持てないでいました。
そんなある日、テーマパークの顔として内外で活躍するアンバサダーに挑戦することにします。カストーディアルキャストでアンバサダーなった人はいませんが、周囲の応援もあり、夢に向かって頑張る環奈。
そんな頃、何者かが夜のディズニーランドに潜んでいるらしく、キャストたちは探し回ることになります。

主人公が卑屈すぎるところが、何か嫌でした。
そういえばディズニーランドにずっと行っていないなぁ…。

風野真知雄 『わるじい慈剣帖七』
孫の桃子ちゃんは歩けるようになりました。じいじは心配なので、ある物を作らせ桃子が怪我をしないようにします。よく考えると関心しました。
桃子のことだけを考えていたいのに、南町奉行所の定町回り同心の雨宮五十郎に頼られ、事件が起るたびに相談されるようになってしまいます。
いい加減にしてほしいと思いつつもついつい事件を調べてしまうじいじこと愛坂桃太郎でした、笑。

安定した面白さのシリーズです。

ほしおさなえ 『言葉の園のお菓子番(2)孤独な月』2021/10/15




亡き祖母が通っていた連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉。
まだ連句の用語や規則を確実には覚えていませんが、連句会に通うのは楽しいです。
持ち物は歳時記と筆記用具だけ。年齢も職業もさまざまな、ふだんの生活では知り合えないような人たちが集まってきます。
一葉は祖母のメモに従いお菓子を持っていきます。
9月は上野の「うさぎや」の「どらやき」、10月は西巣鴨の「土佐屋」の「いもようかん」、11月は「銀座清月堂」の「おとし文」、12月は富山県高岡市の「不破福寿堂」の「鹿の子餅」、1月は…。

勤めていた書店が閉店し、次なる仕事を探しながらポップの仕事を細々としていましたが、連句会で嬉しい出会いがありました。
「ひとつばたご」の前身『堅香子』で祖母と何度もいっしょに巻いたことのある川島久子という歌人が久しぶりにやって来たのです。
彼女は一葉が祖母とよく行っていた明林堂という書店が改築してブックカフェとしてオープンし、書店員経験のある人を探していることを教えてくれたのです。
人と人の繋がりが新しい仕事へと橋渡しをしてくれました。

別れがあれば出会いもある。悲しみがあれば、喜びもある。これから生まれる命もあれば、もう帰らない命もある…。
祖母のおかげで様々な人たちと繋がり、人生の機微に触れていく一葉。

航人さんの言葉が身に染みます。
「人はみんなひとりで、集まったからと言って孤独でなくなるわけじゃない。みんな月のように遠くからほかの人を照らすだけ。でもそんな光があれば生きていける」

前回は月ごとのお菓子がまとめて書いてあったのですが、今回は物語を読まないとわからないので、すぐに探せるように書いて置きました。
美味しそうだから機会があったら食べてみたいです、笑。

読んでいると連句をやってみたくなりますが、なかなかできないものですよね。
普段から言葉をどれぐらい大切に使っているかが問われます。
全ての月のお菓子がわかってしまったので、続きはあるのかしら?
一葉も落ち着いてしまったし…。

青山美智子 『月曜日の抹茶カフェ』2021/10/12



『木曜日にはココアを』の続編です。

川沿いの桜並木のそばに「マーブル・カフェ」があります。
月曜日が定休日。
その定休日にふと訪れると、「抹茶カフェ」になっていました。

今日はツイていないなとマーブル・カフェに寄ろうとした携帯ショップの店員の美保。
定休日だと気づいて帰ろうとすると、一人の女性が店から出てきました。
声をかけると、「お休みだけど、やってますよ。行ってみたら?」と言われ、行ってみると、マスターがドアを開けてくれました。
抹茶カフェのメニューは二種類、薄茶か濃茶。
よくわからなくて、濃茶を頼んでしまいます。とても飲めたモノではありません。
スマホの使い方を教えたことがきっかけになり、いつしかマスターとお茶を点てていた若旦那と話すようになり、ツイてないから、最高にツイているに変ります。

さて、お話はここから始まり、妻を怒らせてしまった夫、ランジェリーショップのデザイナー兼店主、商社マンとの結婚を止めた女性…と舞台が東京から京都、そして東京となり、月ごとに次々と人と人が繋がっていきます。

コロナ禍で人と接することが少なくなっていますが、この本を読むと、人はいつも誰かと繋がっているんだよと励まされている気がします。
今孤独を感じている人がいたら、美味しいお茶とスイーツをそばに置いて『木曜日にはココアを』とこの本を手にして、人との繋がりを感じてもらいたいです。
短編集で一話が短いですから、すぐに読めちゃいますよ。

マスターが不思議な人で、もっと彼のことが知りたいなと思いました。
今度は彼から始まるか、彼で終わるお話しでも書いてくださいませ。
ココア→抹茶と来たから、次は何だろう?
カプチーノ、ラムネ、パパイアジュース、ミルクティー、ジャスミンティー、梅昆布茶、タピオカミルクティー、ミルクセーキ、テキーラ、ソルティドッグ、ぜんざい、汁粉…?全部長いわね。
『日曜日はテキーラ日和』とかいう題名だったら、雰囲気が変ってしまいますね。ラムネかソーダでお願いしますwww。


「僕たちはお水で大丈夫です」by 兄&弟


ママは午前中は死んでるので、お昼頃になってしまったお散歩です。
暑かったね、ゴメン。
久しぶりの二匹とママ・パパのお散歩で喜んでいる犬たちです。
写真を見ておわかりのように、兄は絶対にカメラの方を向きません。微妙に視線をずらします。
何ででしょうね。まぶしいのが嫌いなのかな?