一色さゆり 『ダ・ヴィンチの遺骨 コンサバターⅤ』』2024/03/21

「コンサバター」シリーズの五作目。


糸川晴香は二ヶ月前に相棒のケント・スギモトに呼び寄せられてルーブル美術館の所蔵作品などの修復に関わったが、すべてはダ・ヴィンチに向けての予行演習だったという。

ルーブル美術館の館長ルイーズが、専門がイタリア・ルネサンスという男性キュレーター、ルカを晴香とスギモトに紹介してから、ある絵を見せた。
それはレオナルド・ダ・ビィンチが最晩年に描いたことで知られる≪大洪水≫の連作に酷似していた。

            ≪大洪水1≫ 1527~1518年

ルーブル美術館で働く清掃員が収蔵庫で見つけたというのだ。
たまたま収蔵品から抜け落ちたのか、それとも誰かが置いたのか。
関係者しか立ち入ることのできない場所にあったので、館内のスタッフ全員が疑わしいため、部外者であるスギモトと晴香に調査を依頼することにしたという。

≪大洪水≫という題名がつけられた連作の素描は十六点が存在し、うち十一枚はシリーズとしてまとまっており、現在はロイヤル・コレクションの一部として英国ウィンザー城で管理されている。

スギモトたちはこの作品に指紋のような痕跡があるのに気づく。
彼らはレオナルド研究の第一人者であるアンドレア先生に会いに行き、指紋の照合の協力を頼むことにする。
というのも、彼が調査していた≪荒野の聖ヒエロニムス≫にレオナルドの指紋が残されていたからだ。

          ≪荒野の聖ヒエロニムス≫ 1480年

だが、アンドレア先生は指紋鑑定の依頼を引き受ける代わりに、彼の屋敷の書斎から盗まれた重要な研究資料を探し出すという条件を出す。
犯人は暗号のようなメッセージを残していったという。

暗号を解いたスギモトは捜し物の書物を見つけ、アンドレア先生が認知症を患っていること、そして一足先に指紋を鑑定していたことを見抜く。
アンドレア先生はレオナルドの素描を鑑定する手がかりとなる、スギモトたちに捜させた紙のウォーターマークの標本を渡し、その本のつづきはフィレンツェのレオナルドの故郷であるヴィンチ村のサン・ジョバンニ図書館にあると教える。

スギモトたちはヴィンチ村へ向かう。
しかし、このあいだの大雨で川が氾濫し、蔵書を保管している地下室が浸水したため、書庫にある資料の閲覧はできない。
司書から水に濡れた本を修復する技術も知識も足りないというのを聞き、スギモトと晴香は修復作業を手伝うことにする。

偶然出会った少女カテリーナから明らかになる『アカデミー』と呼ばれる秘密結社の存在。
そして≪大洪水≫らしきドローイングの黒い影が血痕であるらしいということがわかる。
この血痕はレオナルドのものなのか?

スギモトは闇市場に広いコネクションを持つヘルにボーン・ドクターを探して欲しいと頼む。
スギモトたちはヘルとボーン・ドクターと共にレオナルドの遺骨を求め、レオナルドの終焉の地、フランスのアンボワーズへ向かう。

         ≪洗礼者聖ヨハネ≫ 1513~1516年

はたして遺骨は見つかり、DNA鑑定ができるのだろうか。
話は意外な結末へ…。

レオナルド・ダ・ヴィンチについて詳しく書いてありますので、興味のある方は是非読んで見て下さい。
わたしは≪大洪水≫などという連作の素描のことや、彼がイタリアではなくフランスで亡くなったなんて、全く知りませんでした(恥)。

謎が解けたのはいいのですが、ちょっと終わり方がお粗末な感じで残念でした。
ヘルやボーン・コレクターなど、もっと違った感じで使えなかったのでしょうか。
まあ、このシリーズは絵画についての知識を広げるために読んでいるようなものなので、いいのですけどねww。
次はどんな話題なのか、楽しみに待ちますわ。


<昨日のわんこ>
雨が降らないうちにお散歩に行ってきました。


風が強かったですが、それほど寒くなかったです。


この頃、兄がよく水を飲みます。


今朝はママが二匹をお散歩に連れていきました。
いつもは一匹ずつです。
というのも、○んちを拾う祭にリードを離してしまったことがあったり、取ってる時にウロウロ動いて取りにくかったりするので、二匹いっぺんに散歩をしていなかったのです。
しかし、世の中には便利なものがありました。
ショルダー・リードです。
使ってみると、両手があくので、○んちを取るのも楽ですし、犬に引っ張られた時の衝撃が手や腕、腰にきません。
大きい犬の場合は急に引っ張られると危ないので、くれぐれも気をつけてくださいね。
もちろん歩くときは常にリードを手に持って、犬たちが歩行者や車・自転車の邪魔にならないようにしています。
わんこたち、特にヨーキー弟は二匹いっぺんにお散歩に行けるので、気にいっているようですが、兄は微妙です。
今日は最初に弟の足拭きをしたためか、ご機嫌斜めでした。
のんびり歩きたいのに、弟がズンズン行くので嫌なのかな?

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