漫画版『グーグーだって猫である』を読む2024/02/01



お散歩に行くと、水仙が咲いていました。


ちょっと寒いので、コートを着てお出かけしています。


散歩の後で行った町の神社では、能舞台の上で結婚式をしていました。
前もそうでしたが、神前だと参列者が少ないのですね。



ドラマで観て、漫画はどうなのか知りたくなり、全巻読んでみました。

一巻目。
グーグーが大島さんの初めての猫だと思っていたら、違いました。
サバがいました。
サバが急に亡くなり、茫然自失状態となった大島さんは、ねこを見に入ったペットショップでケージのすみの方にいた小さい元気のない子ねこが気になり、店員さんに話しかけたところ、その子ねこを買うことになってしまいます。
そのねこがアメリカンショートヘアのグーグーでした。
グーグーを間違ってサバと呼んだりするところ、わかります。

読んでいくうちに、グーグーだけが主人公ではないことが判明します。
だんだんとねこが増えていくのです。
一巻では公園で拾ってきたビーを途中から飼い始めます。
先住猫と新入り猫が親しくなるまで、色々と大変な様子に、犬も猫も変わらないのだなぁと思いました。

グーグーとビーでそんなこんなと色々とある頃に、大島さんが子宮筋腫と卵巣腫瘍で入院することになります。
近くに住むNさんが猫の世話を引き受けてくれてよかったですねぇ。
うちはどうなるのか…。
自分の身体がどうにもならないのに、それでも猫たちの面倒をみる大島さんには頭が下がります。

二巻目。
三匹目のねこ、クロ、四匹目のホームレスが飼っていた疥癬だらけのタマが登場。
病後間もないのに大島さんは、疥癬が他のねこにうつらないようにタマを隔離し、獣医に言われたように毎日塗り薬を塗り続けますが、このままで行くと共倒れになると思い、別の獣医のところに行ってみます。
そうすると、注射二本、二週間で治っちゃったのです。
ちゃんと病気の治療方法を調べてから病院に行った方がいいですね。

三巻目。
疥癬が治ったタマの目がよく見えないことがわかります。
そして、よせばいいのに、公園に捨てられていた子ねこを五匹保護します。
アラ、ねこが九匹になったわね。でも、このねこはいいところにもらわれていきました。よかったわね。
この頃、大島さんは引越しして広い家に住みたいと思い始めます。
地縛霊(?)に悩ませられながらも、今の家の近くにいい新築物件が見つかり、無事に引越します。

四巻目では、新居に引越し、庭に餌出しし、ねこさん、カモン状態。
グーグーが病気か、と思ったら、変な健康首輪を装着したため具合が悪くなったらしいです。怖いですねぇ。普通の首輪で我慢しましょうね。
ビーが行方不明になり、猫探偵(三日間で十一万円!)に頼むけど、見つからず、三日間で七万円の探偵に頼もうとした時に見つかるということがありました。
わが家の犬探しに十一万円も出せるか…?
庭に来るノラ猫たちを気遣う大島さん、お仕事をしながらですから、猫愛は何物にも勝る。

五巻目。
小心者のミケマルが家族になり、中型犬のタンタンの里親になります。
しかし、タンタンは猫の額ほどの庭しかない自分の家で暮らすよりも、広い庭があり、家族みんなが大の犬好きの家庭の方が幸せに暮らせるのではないかと思った大島さんは、タンタンを手放すことにします。
その一方、庭に来るノラ猫たちが子どもを産むようになり、大島さんは子猫を自分の家に保護して育て、猫好きの人たちにもらってもらうようにします。
しかし、ご近所の猫嫌いな人にとって、大島さんは迷惑な人なんです。

六巻目。
ルチルが出てきますが、八番目ということ。
わたしが知っているのはグーグーとビー、クロ、タマですから、あ、モーモーもいた。いつの間にか三匹も増えたのね。他のねこの名前はミケマルとクリクリ。アレ、クリクリって出てきたっけ?
もう何匹ねこがいるのかわからなくなりましたので、追うのは止めますわwww。
どうも13匹になったようです。
もうここまで来たら、大島さんは天使に見えて来ます。
どう考えても、わたしには出来ないことをしています。

この巻で終わりです。
というのも、題名で使っているわりにあまり出てこなかったグーグーが亡くなったからです。15歳と8ヶ月だったそうです。
ご冥福をお祈りいたします。

猫愛溢れる大島さんと彼女が出会った猫たちとの生活を描いた作品です。
ねこたちにそれぞれ個性があり、可愛いです。
お気づきのように、ドラマとは全く違います。
ドラマは猫よりも主人公の漫画家、小島麻子に焦点が当たっています。
漫画とドラマは別物。
そう考えると、特にわたしには不満はありません。
猫を主役にドラマが作れるかというと、難しいのではないでしょうか。
アニメとか特撮ならいいかも。

読んでから気づいたのですが、サバの漫画もあるんですね。
『サバの秋の夜長』と『サバの夏が来た』ですって。
アレ、サバが少年の姿をしているような…?

犬もいいんですが、この頃、猫といっしょに寝たいと思い始めました。
だって、子どもの頃に飼っていたのは猫なんですもの。
わんこたちにバレるとまずいので、内緒ですよ。

砥上裕將 『一線の湖』2024/02/02

線は、僕を描く』の続編。


両親が亡くなり、ひとりぼっちになった青山霜介は、叔父の助言により大学へ進学し、水墨画の巨匠、篠田湖山に出会い、水墨画の世界に魅了され、彼の内弟子となる。

湖山の孫、千瑛と湖山賞を競ったが、湖山賞を取ったのは千瑛だった。
それから二年が経ち大学三年となった霜介は未だ自分の進路を決められずにいた。
一方、千瑛は「水墨画界の若き至宝」と呼ばれ、もてはやされていた。
そんな時に、霜介は揮毫会で失敗してしまう。
湖山は霜介に少しの間、筆を置くようにいう。

そんなある日、兄弟子の西濱湖峰に呼び出される。
小学一年生に水墨画を教えるのを手伝って欲しいというのだ。
霜介が訪れた小学校は、亡き母が勤務していた学校で、担任の椎葉朋美は母と親しくしていたらしく、母の死後、彼女のクラスを引継いだという。
体調不良の西濱の代わりに霜介は児童たちに水墨画を教える羽目になる。
しかし、その授業が好評で、学校から引き続き霜介に水墨画を教えて貰いたいと請われる。
霜介は子どもたちに最善のものを伝えられればと思って引き受ける。
子どもたちと接するうちに霜介は思う。

「本当によい授業というのはこういうものかもしれない。彼らが自身で学ぶことに勝るものはない。教えたいという欲求を堪えることのほうが、教えることよりも難しい」
「彼らはありのままを生きているから、生きていることが描けるのだ。そのすべては線の中にあった。彼らが指先から生み出すものが、彼らの存在と違わない。
彼らは自然だった。心を遊ばせ、無限に変化し続けるゆらめきがそこにあった」

そして、霜介は母親の仕事を理解していく。

「母は自分が生きた一瞬や自分自身のために、力を尽くしていたのではない。人を育て、自分自身さえ見ることはないかもしれない遙かな未来に向けて、線を描いていたのだ」
「人は命よりも永く線を描くことができる」

小学校で一年生が描いた指墨画を展示し、その場で揮毫会を行うことになる。
その時の動画を誰かがアップし、話題となり、霜介は大学の理事長から大学学園祭で大揮毫会と展覧会を行うように頼まれる。
しかし、学園祭当日、子どもをかばった霜介は右手を骨折してしまう。
前から不調だった右手には感覚がなくなる。
湖山は霜介に自分の山荘に行くように勧める。

山荘に行った霜介は意外な人と再会する。

始めは二年前と同じように自分に自信がなく、同じ所をグルグル回っているだけのような霜助に、わたしはちょっと失望しました。
しかし、湖山先生は流石です。霜介の才能を惜しいと思っているのでしょう。
霜介を見捨てず、こう言います。

「描こうなんて思うな」「完璧なものに用はない」
「あと一歩だけだ。そこに線がある」

霜介は子どもたちから教えられ、そして、山荘に行き、自然と接するうちに、悟っていきます。

「生きるとは、やってみる、ことなんだ」

霜介はやっと一歩前に進むことが出来、自分の進むべき道を決められたのです。
時間がかかりましたが、回り道は彼にとって必要だったのでしょうね。
その道がどんなものであろうと、彼の家族である湖山会の人たちは受け入れてくれます。
わたしも彼の進む道が予想通りで、納得がいきました。

とにかく最後の湖山の引退式の揮毫会の場面が圧巻です。
絵が目の前で描かれているように、見えるのです。

どんな感じで水墨画を描くか、講談社が動画を載せていました。
ついでに前作の映画の予告編も載せておきます。

「線は、僕を描く」の予告編

映画は観ていませんが、予告編を見ると、登場人物たちがわたしがイメージしたのと違います。流星君は悪くないですが、これは観ないな。
本はとてもいいので、是非お読み下さい。

トリミングに行く♫2024/02/03

この頃、わんこたちと遊ぶママが大変です。

おもちゃの持って来い遊びに毎回兄が参戦するようになり、兄におもちゃを取られるのが嫌な弟が、おもちゃを自分の寝床に持っていくようになりました。
兄は面倒になったのか、弟を追って行きません。
無視していると、出てきて、ママにおもちゃを取ってみろと言います。


取りに行くと、寝床に入ってしまいます。

兄に別のおもちゃを与えると、兄は弟とは違い、おもちゃを咥えてグルグル、グルグル走り回ります。
何が楽しいのか、グルグル回り続けます。


たまに立ち止まり、ママを牽制します。


ママの左側で兄がグルグル回り、右側では弟が取ってみろ状態です、笑。
別の日にはこうなりました。


追いかけると、二人ともおもちゃを寝床に持って行き、離しません。

弟は新しいおもちゃが好きで、音の鳴らないカモシカやサンタたちを追わなくなりました。
前に兄が使っていた海老天を与えると、喜んで咥えましたが、どうもノーズワーク用の人参を狙っているようです。
弟に渡すと壊されそうなので隠していますが、いつまで隠しとけるかしら…。

さて、一月は用事があったので、トリミングに行けなかったのですが、ボサボサなので、二月の最初に予定を入れ、連れて行きました。
わんこたちはトリマーさんと獣医さんが好きなようで、連れて行くと嬉しそうに中に入って行きます。
特に兄はトリマーさんに甘え、トリマーさんも可愛がってくれます。
意外と兄は誰に媚びるといいか、的確な状況判断ができるようですww。


静電気で耳の毛がちょっとボサボサになっています。


弟はあまり乾燥は問題にならないようです。
アラ、お口周りが汚い?


二匹になると、相変わらず弟が兄から離れようとします。


どうしても二匹の間には距離があるようですwww。


前に兄が痩せたので太らせたのですが、それほど太っていませんでした。
二匹とも3.2㎏だそうです。(前回は兄、3.1㎏、弟、3.3㎏でした)

トリミングのお店で撮った写真です。(照明のせいか綺麗に撮れています)


2月ですから、背景がヴァレンタイン模様です。
兄はよくこんな風に左腕を上げます。


奇跡の一枚です、笑。
前回のトリミング後の写真から弟が耳を上げて写真に写るようになりました。
それまでは床にへばりついて耳を伏せていたのに、どういう心境の変化でしょうか。
訊いてみると、おもちゃで音を出しながら撮ったら、立ち上がり、耳を立てたそうです。可愛い舌まで出ていますね(親バカ)。
この顔は絶対におもちゃを狙っていますww。

刑事マルティン・ベック 『消えた消防車』2024/02/05

刑事マルティン・ベック・シリーズの五作目。


1968年3月7日。
午前三時過ぎに一人の男が拳銃自殺をする。
遺書はなかったが、電話の側にマルティン・ベックと書いたメモがあった。
マルティン・ベックはこの男とは面識がなく、自分の名前が描き残されていた理由も思いつかなかった。

同じ日、グンヴァルド・ラーソンは木造二階建てのアパートに住んでいるマルムという男を見張っていた。
突然、その建物が爆発する。
勇敢にもラーソンは一人でアパートの住人たちを助けに行く。
不思議なことに、出勤したという消防車は来ない。
ラーソンは八人もの人間を救出。
焼死者は三人で、その中にマルムがいた。

二月の交通違反のチェックに引っかかった時に、マルムは盗難車を扱う人物としてマークされているバッティル・オーロフソンの車に乗っていた。
姿を消したオーロフソンを捕まえるためにマルムは見張られていたのだ。

マルティン・ベックたちは捜査を始める。
やがてマルムは火事前に死んでいたことがわかり、自殺と見なされ、捜査が打ち切りにされようとしていた時に、国立犯罪技術研究所の鑑識官イェルムから電話が来る。
マルムがマットレスに仰向けに寝ていたのに、背中が異常に焼け焦げていたのは、マットレスの中で何かが燃えたためだという結論に達し、マットレスを調べてみると、何者かが時限爆弾をしかけていたことが判明したという。
火事は付け火だったのだ。

バッティル・オーロフソンを集中的に調べることにするが、彼の行方はなかなかわからず…。

今回は題名の『消えた消防車』に二つの意味があります。
読んでみてのお楽しみ。

今まで登場人物たちのことがあまり詳しく書かれていなかったのですが、今回は色々と書いてあるので、まとめて書いておきましょう。(なにしろわたしがすぐに忘れちゃうのでww)

マルティン・ベッグ
ストックホルム警視庁殺人課主任警視。
小さな運送会社を経営していた父親はオープンで明るい性格で、人に好かれ、よく笑い、冗談をいう人だったが、マルティン・ベックが二十八歳の時に亡くなる。
マルティン・ベックは外見は父親と似ているが、自分は父とは違いかなり退屈な人間だと思っている。
母親はマルティン・ベックに家事をさせず、彼が小遣いを渡したり、今住んでいるホームの支払いをしようとすると断る、かなり頑固な人。彼が警察官になることには反対だった。
彼は上背のある痩せた体、面長で陰鬱そうな顔、額は高く、顎が張っていて不機嫌そうな青い目をしている。
妻のインガと娘のイングリッド、息子のロルフの四人家族。
小言ばかり言う妻にうんざりしている。
娘とは仲がよく、彼女は賢く、大人で、学校も友達関係もうまくやっていると見ているが、息子のロルフは怠け者で内向的、勉強嫌いだと思っている。
十七歳になるイングリッドが近いうちに独立して暮らすと言い出し、「どうしてパパも同じようにしないの」と言われショックを受ける。
暇な時には帆船のモデルを作ったり、読書をする。
フロリダという煙草を吸い、自動車が大嫌い。

ステン・レンナート・コルベリ
ストックホルム警察殺人課警部。
マルティン・ベックの親友。
傲慢な態度に腹の突き出た肥満体をしている。
開けっぴろげで、口が悪いので、人から無神経だと誤解される。
結婚して二年目のグンという妻と六ヶ月になる娘がいる。
彼の望みはいつも妻のそばにいること。
嫌いな奴をいたぶるのが好きで、特にラーソンを嫌っている。
車の運転が乱暴。

フレドリック・メランダー
ストックホルム警察殺人課警部。
警察官だった父から受け継いだヴァルムドウー島にあるサマーハウスは彼の宝物。
結婚二十二年目になる四十三歳の妻サーガと二人暮らしで、子どもは持たないと決めている。妻はケチで、屈強な体格で身長は百八十センチ以上あり、扁平足で、大きな胸はだらりと垂れ下がっている。
メランダーはサーガを美しいと思っている。
彼は四十八歳のスウェーデン一の辣腕警察官だが、無愛想で退屈そうな男に見える。
理論的で、素晴らしい記憶力とどんなときにも慌てない沈着さを持ち、感情的に物事をとらえず、対象となる仕事に対し冷静な距離を保つことができる。
その一方、ユーモアが発揮されるのは稀で、財布の紐が固く、面白みのない男で、素晴らしいアイディアを言うことも、突然のひらめきもない。
何故か必要なときにいつもトイレにいると言われている。

グンヴァルド・ラーソン
ストックホルム警察殺人課警部。
金持ちの上流階級出身で、有名学校へ行ったお坊ちゃまだったが、そのうち一族の問題児と見なされるようになり、父親に海軍に送り込まれる。
海軍も肌に合わず、数年後商船に乗るが、一生を海で過ごすのは気が進まず、一風変わった彼のバックグラウンドが役に立つような仕事を探し、警察官になる。
圧倒的な体躯は人に恐怖を与え、冷たい目で人をにらみつけ、それを得意がっている。
今回の主役とも言えるが、大半の同僚たちから嫌われている。もちろんマルティン・ベックやコルベリも嫌っている。
厳格をモットーとしていて、弱音を吐く人間には我慢がならない。
大抵のことは自分だけの考えで行動し、その方法は型破り。
エイナール・ルンと仲良しで、いっしょに夏休みを過ごしたり、家を行き来している。

紹介したのは主要メンバーと今回活躍した人だけということで、許して下さい。
(活躍というと、マルメ警察の捜し物の名人モーンソンもおちょこちょいのスカッケもいますけどwww)
こうやって書くと、好印象の人物が誰もいませんね、笑。
コルベリの長所ってなんなのかわかりません。わたしが気づかなかったのか、書いてありません。
マルティン・ベックが彼と話しあっている間に考えをまとめることが多いので、それが彼の存在意義ですかね。

残念ながら、この後はスウェーデン語からの翻訳はされません。
翻訳権の問題か?
続きを読みたい方は角川文庫の英語から翻訳した高見浩版をお読み下さい。
古本が苦手なわたしですが、仕方なく古本屋から買いましたので、続けて10作まで読もうと思います。

ドラマ「À TABLE! ~歴史のレシピを作って食べる~」第1~6話を観る2024/02/06

東京も雪が積もりました。
弟を庭に出すと、嫌がり、すぐにリビングに入ります。


兄はしばらくいましたが、写真を撮った後すぐに雪のないところに行きました。
わが家のわんこたちは雪が嫌いみたいです。

「ママ~!つめたいですぅ。プンプン」by わんこたち

ママは道産子なので、東京の交通機関が動かなくなるのが不思議です。
これぐらい雪国では大したことないのです。
そんなママが前回の大雪の時(2018年だったっけ?)に滑って頭を打ち、救急車に乗ってしまいました。
それ以来、雪の日は外出禁止ですwww。

ドラマを見出すと、続けて見るようになります。
猫から離れ、食いしん坊なので、料理関係のドラマを観てみることにしました。
名建築で昼食を」(大阪編はこちら)や「ちょこっと京都に住んでみた。」の制作チームが、歴史料理研究家(というのがあるのね)の遠藤雅司さんのレシピ本『歴メシ!決定版 歴史料理をおいしく食べる』を原案にして作ったドラマです。
誰の料理が出てくるのか楽しみです。


第一話:マリー・アントワネット
藤田ヨシオとジュン夫妻は吉祥寺から徒歩20分のイギリスに行った夫の親戚宅を借りて住んでいる。
彼らは毎週、井の頭公園の動物園にいるゾウの花子を見に来ていた時に出会ったらしい。マニアックな趣味と話が合い、結婚したようだ。
ヨシオは長野の漬物会社勤めており、単身赴任していたが、リモートワークができるようになり、東京に戻り、必要に応じて長野に行くという生活をしている。
ジュンは大学職員。
歴史上の人物が何を食べているか調べている大学教授からレシピをもらい、二人で作ってみることにする。
もっと歴史を勉強しておけばよかったという二人に共感します、笑

<マリー・アントワネットのレシピ>
・牛肉とキャベツのトマト煮込み
・ヒラメの元祖ホワイトソースがけ
・マグロのマリネ
・フランス産白ワイン。

ワインは交互に取り上げられた人物にちなんだ1500円以内のワインを買うことになっている。
「マリー・アントワネットはじゃがいもの広告塔だった」か。

第二話:ユリウス・カエサル
ヨシオは漬物メーカーに勤めているが、実家は漬物屋。漬物屋を継ぐつもりだったが、姉が漬物屋を継いだ。実家から漬物が届く。

<カエサルのレシピ>
・サラ・カッタビア(古代ローマ風チキンサラダ)
・プルス(古代ローマ風リゾット)
・古代ローマ風牛のステーキ
・イタリア産赤ワイン

カエサルは味音痴で借金王という綽名があったそう。
送られてきた漬物でコーヒーを飲んでいるけど、美味しいのかしら?

第三話:ソクラテス
ジュンの姉の子、サラがやって来る。彼女は東京の大学で哲学を学んでいる。
小難しいことを喋る女の子だが、ヨシオを慕っている。
ジュンは少しサラが苦手だ。

<ソクラテスのレシピ>
・キタロス(カレイの香草焼き)
・トロネ風サメのステーキ
・クランべー(アテナイ風キャベツのサラダ)

料理にアサフェティダ、異名「悪魔の糞」というスパイスを使っていますが、どんな香りで味なのか、試してみたいような、したくないような。
古代ギリシャではチーズに混ぜて食べていたそうです。

第四話:ビスマルク
量子力学好きのサラに感化されて、量子力学の本を読み、パラレルワールドについて考えるジュンは、クルミの中の宇宙を想像する。
ヨシオが早く長野から戻ってくる。
教授からどんな人物のレシピを渡されたか、彼も興味があるみたいだ。

<ビスマルクのレシピ>
・スペアリブのロースト シュバイネハクセ風
・ライネヴェーバー・クーヘン(シャガイモ入りオムレツ)
・リンゼンズッペ(レンズ豆のスープ)
・ドイツ産白ワイン

18世紀、じゃがいもは寒さに強く、収穫率も高かったので、豚の餌になり、豚肉が安くなり、庶民でも豚肉が食べられるようになった。
ビスマルクは大食いで太っていたので、ダイエットをさせられていた。大の卵好きだった。
ドイツに「ジャガイモでフルコースが作れなければ嫁に行けない」ということわざがある。
産業革命は食生活革命?

第五話:アレクサンドロス三世
最近、ジュンは祖母が好きだった映画「男はつらいよ」にハマっている。
この頃、映画の好みが変わってきたと思う。
5歳年下のヨシオは子どもみたいなことを言っていて変わらない。
ジュンは40歳を過ぎて現実的になってきたと思う。

井の頭公園ではインコ対カラスの縄張り争いが起きているらしい。

<アレクサンドロス三世のレシピ>
・オリューザ マケドニア風リゾット
・エンドウ豆の卵とじ
・鶏肉のオーブン焼き にんにくとガルムソース
・煮込みリンゴのハチミツ漬け
・インド産白ワイン

アレクサンドロス三世は20歳で王になり32歳で熱病で亡くなる。
酒豪で1回に13リットルもの酒を飲み、酒癖が悪かった。りんごが大好物。

第六話:ヴィクトル・ユーゴー
大学時代の友人で、大手出版社の雑誌編集者のサキが遊びに来る。
自分も出版業界に勤めたかったジュンは、仕事が楽しそうなサキがうらやましい。
サキとヨシオは昔から話が合う。
二人でジュンの知らない話をされると、ジュンは疎外感を覚えてしまう。
ジュンの行ったことのないフランスの話で盛り上がっている二人を残し、一人で買物に行くジュン。
いつもの野菜の直売販売所で買う野菜を選んでいると、そこのおばさんに「全部同じだよ。取ったものを買いなさい」と言われる。

<ヴィクトル・ユーゴーのレシピ>
・オニオンスープ
・羊肉の煮込み クスクス添え
・ジャガイモとアスパラガスのスフレ
・リンゴとお米のオーブン焼き

フランス革命で王族や貴族が亡命し、仕事を失った王宮料理人が街角に出てレストランを開くようになったので、王宮の味を庶民も味わえるようになった。

ユーゴーの名言。
「人は強さが欠けているのではなく、意志を欠いているのだ」

ジュンは「環境や年齢によって考え方は変わっていく。世界が広がると、価値観も変わる。わたしは意志を持って人生を選んでいるのだろうか」と思う。
何か不穏な雰囲気のジュン。

ヨシオが北海道の赤飯の話をしていました。
わたしが北海道から東京に来て驚いたことは、東京の人は雪が降ると傘をさすことと、赤飯に小豆が入っていることでした。(他にもあったと思うけど、今は思いつかないわ…)
そうです。北海道の赤飯には甘納豆が入っているのです。
気持ち悪いですって。いいえ、美味しいですよ。
北海道に行ったら是非食べてみて下さい。

吉祥寺が住みたい街ランキングの上位だというのがうなづけますね。
そこそこ都会で緑豊かなところがいいです。
そういうところに最後の引越をしたいもんですが、先立つものがないわ(泣)。

夫婦二人でいっしょに料理をするところがいいですね。
ヨシオはジュンの気持ちにちょっと無頓着だけど、大事に育てられた性格よさそうなおぼっちゃまで、ジュンは色々と考え過ぎなところがあります。
ヨシオが年下だから、頼りないのかな?
二人とも自然体の演技で、台詞に不自然なところがありません。
市川実日子さんと中島歩さんの演技はあまり見たことがないのですが、役柄にピッタリで、特にわたしは中島さんの竹野内豊っぽい声が好きです。
そうそう、ドラマで二人が使っているコーヒーカップが面白い形です。


絶対わたしだったらカップを倒して、コーヒーをぶちまけてしまいますわww。

家のインテリアも素敵です。
古い家なんですが、バチッと決めていなくて、物がゴチャゴチャ置いてないところがいいです。


築50年以上かという感じの家ですが、キッチンとリビングの戸を取っ払って広々と見せています。照明がレトロっぽくて素敵です。


キッチンもいかにも昭和という感じです。
コンロの火がつきにくいのが玉に瑕。早く買えよといいたいですわ。
でも、ジュンが火をつけるたびにヨシオが「リスペクト」って言う微笑ましい場面が見れなくなるから、このままでいいか。

後半の第7話から12話までは明日にでも書きます。


<今日のおやつ>
久しぶりのお取り寄せおやつです。


ヴァレンタイン用のケイタマルヤマのクッキー缶です。
缶のデザインは趣味ではありませんが、ヴァレンタイン用なので、買ってみました。

ドラマ「À TABLE!~歴史のレシピを作って食べる~」第7話~12話を観る2024/02/07



第七話:レオナルド・ダ・ビンチ
サキが来てから家の空気が違うことに気づくヨシオ。
ちょっと意地悪くサキとフランスの話をしてしまったことを後悔しているが、解決策は思いつかない。

<レオナルド・ダ・ビンチのレシピ>
・インゲン豆のミネストラ
・イチジクの温製サラダ
・鶏肉ソテーの教皇風
・イタリア産白ワイン

レオナルド・ダ・ビンチはメモ魔。健康のためにワインを水で薄めて飲んでいた。
ルネサンス期にクロスやナプキンが白になり、手を洗うという習慣ができた。
肉を食べ過ぎて、貴族達が病気になったので、野菜を食べるようになった。
「最後の晩餐」で弟子たちは椅子に座っているが、当時のエルサレムの人たちにはそういう習慣がなく、床に座って食べていた。

第八話:リチャード三世
ジュンは職場の大学で文学部西洋史学科の教授、浜口あすかの補佐をしている。
彼女はジュンの大学の先輩で、レシピをくれるのが彼女だ。
彼女は28歳の時に数学の研究者と結婚し、息子を出産をするが、夫はずっとアメリカに住んで研究を続けているので、キャリアを積みながら息子を一人で育て上げた。

<リチャード三世のレシピ>
・中世風アーモンドライス
・レンス豆とラム肉のスープ仕立て
・南アフリカ産白ワイン、ぶどうジュース

リチャード三世の遺骨が2012年、英国中部の町レスターの駐車場で見つかる。
骨から彼が何を食べていたかわかった。
(「ロスト・キング 500年越しの運命」という映画になっています)

ガスコンロの調子が悪い。
ご飯の後、ヨシオは車で長野へ行く。
ジュンは「見えている世界は本当の世界とはかぎらないらしい。わたしの見ている世界はもしかしたらヨシオと違うのかもしれない」とも思うし、「離れた場所で同じ月を見ている、それでいいんじゃないか」などとも思う。

第九話:マルコ・ポーロ
ジュンの叔母のヒロコが急にやって来る。
彼女は北海道の暮らしを嫌い、国内を放浪し、気ままなひとり暮らしをしているので、問題児と言われているが、ジュンはヒロコが好きだ。
彼女は沢山いろんなことを知っていて、教えてくれる。
ヨシオと昔の料理を作っているというと、「変わっている」と言われたが、どちらが変わっているんだか。
ヒロコはヨシオに会いたがるが、ヨシオは長野に行っていていない。

<マルコ・ポーロのレシピ>
・クィンキネッリ(14世紀ヴェネツィア風ラヴィオリ)
・マリ・マクル・サハイジ(13世紀塩漬けマグロの素揚げ)
・大麦のカーシャ
・フビライとの宴 馬乞(14世紀モンゴル風猫耳麺)
・日本産赤ワイン

マルコ・ポーロは24年間アジアの各地を回っていた。日本には来ていない。

ヒロコからジュンはこう言われる。
「人目を気にするのは自分に従っていないからだよ」
「どう生きるべきか、そんな難しいこと考えても仕方ないって」
「幸福は人格である」
「人の傷みを理解した上で決断するのが大人だと思っている」etc.。

第十話:ベートーベン
仕事から帰ってくると、ヒロコはコンロがつかないので、昼は朝の残りのパンを食べたという。

<ベートーベンのレシピ>
・卵とパンスープ
・カースヌーデルン
・いちごのシャーベット
・オーストリア産ワイン

ベートーベンは偏食家。レストランで会食ができなくなり、自分で料理をしたが、まずかったと友人が言っている。

ヒロコはジュンに北海道にたまには帰ってあげなといいに来たらしい。
ジュンが結婚しようと思ったことがあるかと訊くと、ヒロコは「ある」と答え、こう言う。
「愛することって努力と知性が必要なの。自分自身を愛してあげて初めて人を愛せるのだと思うよ。自分を愛するには努力が必要。人を愛するには知性が必要。その両方がわたしには足りなかったの」
「知性と知識と教養は、もう全然違う。知識はただものを知っているということ。知性はそれを使って相手を幸せにしようと思うこと。教養はその自分の信じている知性が本物かどうか、自ら疑うこと」
深いですね。

ジュンは昔、エッセイストになりたかったようだ。
ヒロコは書けばいいと言うが、ジュンは遅いと言う。
するとヒロコは「遅すぎることはない。わたしはまだまだやりたいことがある」、「成功の反対は失敗ではなくって、行動しなかったこと、でしょ」とジュンに言う。

第十一話:クレオパトラ
浜口教授に肌が荒れていると言われる。
彼女は「一人で考えても答えはでないし、時間だけが解決してくれるってこともある。悩むことにかけてはもう天才的よ」などとサラッと言う。

二人でおやつを食べている時にジュンが「ずっと離れているって…」と訊こうとしたら、「一人でいるのがさみしいから結婚した訳ではないんだよね。だから離婚しようと思わなかったというだけ」と言って浜口は去って行く。

<クレオパトラのレシプ>
・キュレスティス(パン)
・モロヘイヤスープ
・牛肉のロースト&ボイル
・ジョージア産赤ワイン

玉ねぎは魔力のある特別な野菜と思われていて、ファラオの墓からも沢山発見されている。

とうとうコンロがつかなくなった。買い換え時か…。

第十二話:メソポタミア文明
ヨシオは来週ずっと長野だ。コンロがつかないのでカセットコンロを使い、明日、コンロを買いにいくことにする。

<メソポタミア文明の人たちのレシピ>
・古代小麦とラム肉のシチュー
・アカル(ビール風味のパン)
・メルス(古代メソポタミア風ガレット)
・ワイン1:ビール2の比率にハチミツ、ミントを入れた酒

もともとメソポタミア文明があった辺りは塩分の多い不毛の湿地帯で、人々は川魚を食べていたが、そこに灌漑や排水技術のイノベーションが起り、農業地帯に変わった。小麦や米、大麦などの穀物、ネギ、ニンニク、キュウリ、カブなどの野菜やりんごなどの果物を栽培し、羊や山羊、牛、豚などの家畜も飼っていた。鶏肉も食べられており、ガチョウやアヒル、雉鳩はご馳走だった。
彼らの食事に欠かせないのがパンとビールで、麦芽からパンを作り、それと水を混ぜて自然発酵でビールを作り、三度の食事でビールを飲んでいた。
調理法をいくつか発明し、そのレシピを楔形文字で粘土板に記録した。その粘土板がイエール大学に保管してある。
居酒屋もこの頃からあった。

ジュンはヨシオにコンロをなかなか買わない理由を言う。
「世の中ってすべて運命で決まっているんじゃないかって思ってて。だから、ガスコンロが壊れるのも、買い換えるのもあらかじめ決まっていて。だとしたら、わたしが決められることなんて、何にもないんじゃないかって思って。だからちょっとだけ運命に逆らってみた」
コンロごときで、考えすぎではないでしょうかね、笑。
この後、ヨシオがすごいことをします。なんとチャッカマンでコンロの火をつけたのです。
「買い換えるのも、使い続けるのも、ジュンの自由」
「自由意志か運命か、それは決めなくてもいいんじゃない。選んだのかもしれないし、選ばされたのかもしれないし。だってさ、過去のことは変えられないし、未来のことはわからないでしょ。こんなこと考えてきた人は長い時間の中でいっぱいいたし、これからもいっぱいいるんだろうね」
ヨシオ、ナイスフォロー。


ジュンはヨシオとの生活が幸せ過ぎて、不安になっていたのでしょうか。
なにしろ「いいことの後に悪いことが起こる」が座右の銘で、来るかどうかわからない不幸を考えてしまい、恐れる人ですから。

料理のレシピはドラマに出てきませんが、昔の人は結構いいもの食べていたんだなぁと思いました。
甘味はハチミツでつけ、肉は羊が多そう。
塩はいつから使われるようになったのかしら?
レシピはinstagramで見られるみたいです。アカウントを持っている方は見てみてください。
わたしはレシピ本『歴メシ!決定版 歴史料理をおいしく食べる』を図書館から借りようと思って予約しました。
出てくるワインの銘柄は紹介されていないみたいです。

女性たちがなかなかいい味出してます。
特に浜口教授(神野三鈴)とヒロコさん(安奈淳)が素敵でした。
彼女たちみたいに年が取れたらいいですね。
それにしても登場する男性がヨシオだけなのは何ででしょうね。
他の男性は名前だけの登場の、ヨシオの会社の後輩の使えない奴だけでしたww。

そうそう、音楽もドラマにピッタリでいいです。
「名建築で昼食を」と「ちょこっと京都に住んでみた。」も担当している、ベンジャミン・ベドゥサックという人ですね。どういう人なんでしょう。

是非シーズン2もお願いしたいドラマです。

アーナルデュル・インドリダソン 『悪い男』2024/02/08

アイスランド・ミステリ、犯罪捜査官エーレンデュル・シリーズの七作目。


レイキャヴィクのアパートの一室で、若い男の死体が見つかる。
刃物で喉を切り裂かれており、レイプドラッグのロヒプノールを所持していた。
死体は女性用のTシャツを着ており、ベッドルームの床にコンドームが落ちていた。殺される直前に性行為をしていたらしい。
彼はバーかレストランで女性にクスリの入った飲み物を飲ませ、意識を失わせ、部屋に連れてきてレイプしたのか。
現場にはレイプの被害者のものらしい一枚のスカーフが残されており、何か香辛料らしきものの匂いがした。
レイキャヴィク警察犯罪捜査官のエリンボルクはその匂いがタンドーリ・チキンのものだと気づく。

やがて殺されたはアパートの住人で三十歳になる電気通信会社の技術者、ルノルフルで、口の中にロヒプノールを詰め込まれているのがわかる。
彼はレイプの常習犯で、これは被害者による復讐なのか?

エーレンデュルは東フィヨルド地方へ行くといって出かけてから行方不明。
エリンボルクがシグルデュル=オーリと共にこの事件を扱うことになる。

殺された男には悪いのですが、因果応報と言えます。
彼にレイプされた女性と家族のことを思うと…。

捜査官のエリンボルクは四十代の女性で、テディというパートナーと同居しており、彼の姉の子を養子にし、彼との間に十代のニ人の息子と一人の娘がいます。
(アイスランドでは婚外子が約七割だそうです)
自動車修理工場の共同経営者であるテディは料理が出来ず、料理本を出すほど料理が得意な彼女が事件の捜査で忙しいと、テイクアウトしてばかり。
ジェンダー平等世界一位の国でも料理は女性が担当している率が高いのかしら?
養子の息子は実の父親と暮らすためにスウェーデンへ行ってしまい、それから長男とは、反抗期なのか、上手くいっていません。
唯一、優等生の娘が彼女の味方です。
子どもに関する心配事は日本とそんなに変わらないですね。
子どもたち、特に彼女の娘の未来に幸あれと祈らずにはいられません。

心配なのはエーレンデュル。
彼のシリーズなのに、なんで主人公が不在なんでしょう。
エリンボルクは彼のことを、「過去から自由になれない、いや自由になりたくない、考えが古く、態度も古臭い。世の中の価値観がものすごいスピードで変化している間も、古い考え、古い習慣にしがみついてきたに違いない」などと思っています。ちょっと酷いわねぇ。
彼女にとってはエーレンデュルもシグルデュル=オーリも好感の持てない変わり者なんですよ。
とにかくエーレンデュルが二週間も教会前にレンタカーを放置しているというのが気になります。
次回にその謎が明かされるのかと思ったら、次はシグルデュル=オーリが主人公で、この事件と同時期のことなんですって。
早くエーレンデュルに会いたいです。

このシリーズは1、2巻目が翻訳されていませんし、この後に6冊あるようですが、ちゃんと翻訳されて出版されるのか心配です。
マルティン・ベック・シリーズみたいにならないことを祈っていますわ。

柚月裕子 『風に立つ』2024/02/09



小原悟は困惑していた。
父の孝雄が補導委託を申し出たというのだ。

補導委託とは、「家庭裁判所が少年の最終的な処分を決める前に、民間のボランティアの方に非行のあった少年をしばらくの間預け、少年に仕事や通学をさせながら、生活指導を行い、更生への手助けを行う制度」。

孝雄は岩手県盛岡市にある南部鉄器工房『清嘉』の親方で、職人は悟と健司、研磨専門のアルバイトひとりだ。
悟は補導委託に反対だったが、健司と昨年結婚して家を出ている妹の由美は賛成していて、悟の話を聞こうともしない。

一ヶ月後、仙台家庭裁判所の調査官である飯島久子が預かる少年の庄司春斗と父親の達也、母親の緑を連れて来た。
春斗は16歳。彼の非行が始まったのは高校に入学してからで、万引きや自転車の窃盗などの問題行動が収まらなかったので、高校は退学処分となった。
父親は仙台市で弁護士事務所を構えており、母親は専業主婦だという。
悟は春斗にはできる限りかかわらないと決めていたが、彼の両親を見て、自分の先入観に気づく。
非行少年というだけで、親のネグレクトや貧困などの家庭環境が悪いのではないのだ。

それにしても何故孝雄は補導委託を申し出たのか。
自分の子供には手をかけなかったのに、どうして他人の子供の面倒を見る気になったのか。
孝雄は家族に対してはいつもぶっきらぼうで、態度も冷たかった。
それなのに、春斗には口調が穏やかで、態度も優しい。
いったいどうしたというのだ。

春斗と工房で働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の気持ちはだんだんと変化していくが…。

今回出てくる父親は二人とも不器用で、思いが子供に届いていません。
子供には親の気持ちが、近すぎて見えていなかったり、子供の気持ちを考えずに強制しようとするので、子供の負担になっていたり…。
最後は上手くいってよかったのですが、実際にはこんなに上手く行くことなんて、滅多にないだろうと思います。

親との関係に悩んでいる人は悟に共感できるかもしれません。
心暖まるお話を読みたい人にはピッタリの本でしょう。
でも、ゴメンナサイ。
柚月さんのファンの方には物足りないでしょうね。
わたし、何も意外性がなく、みんないい人というお話が読みたいとは思いません。
残念ながら、この本はわたしが望む柚月さんの本ではなかったです。


<今日のわんこ>


この頃、兄はよく寝ます。
今年で12歳。人間で64歳ですから、立派なシニア犬です。
食い意地だけは、ママと同じで、あります、笑。

マルゴ&ジャン・ル・モアル 『ブルターニュ料理は死への誘い』2024/02/11

フランスのコージーミステリの新シリーズ。


フランス、ブルターニュ地方のリゾート地ロクマリア村の住民たちは、村で最も金持ちの農場経営者、ジョルジュ・ラガデックが狙っていたケルブラ岬邸を誰が購入したかに興味津々。
屋敷を買ったのは、カトリーヌ・ヴァルトというアルザス地方出身の五十一歳のバツイチ女性。
妹亡き後、新しい土地で人生をやり直そうと思い、この村でアルザスの郷土料理のレストランを開くことにしていた。

カトリーヌは早々に村の人たちと親しくなる。
イギリス人でレストランの隣にある食料品店のオーナー、チャールズ・ハイベリーとは恋の予感。
ミニスーパーの店主ナターシャ・プリジャンはカトリーヌに嫉妬心丸出しだった。

カトリーヌはレストランで使う地元の高品質の食材を卸してくれる信用のおける生産者を探した。
問題はシェフだ。
困っていると、イヴォンヌ・ル・モアルが来て、彼女の孫のエルワンを雇ってくれと頼まれる。
エルワンはジョルジュ・ラガデックの息子で、父親とは上手くいっていない。

レストランの開店披露パーティの日にエルワンが行方不明になり、万事休すとなったが、親切な住民たちの助けでどうにかなる。
心を入れ替えたエルワンはシェフを続けることになり、レストランは順調だったが、とんでもないことが起る。
冷蔵庫が何者かに故意に壊されたのだ。
そしてその十日後、金曜日のシュークルートの夕べに、<皇帝風シュークルート>を食べた元町長ジャン=クロード・ケレとその子分のジョルジュ・ラガデック、ジョルジュの長男のマチュー・ラガデック、ケレの缶詰工場の元工場長マルク・デュブールの四人が吐き気を催す。
その翌日にケレが死亡し、遺体から強力な催吐剤が見つかる。

レストランは営業停止になる。
ナターシャはケレの親戚だったこともあり、ここぞとばかりにカトリーヌがケレを毒殺したと糾弾する。
他の住民たちは父親と兄に恨みを持っているエルワンが仕返しをした、ラガデック親子が村に迷惑をかけたことを根に持った誰かが代償を祓わせようとした、妻の浮気を知った男が復讐したなど色々と推察を言い合っている。
そんな中、<ウエスト・フランス>紙にロクマリア村の住民を侮辱するような記事が載る。

憲兵隊が捜査をする一方、カトリーヌたちの無罪を信じる<ウエストフランス>紙の記者ヤン・ルムールは独自に事件を調べ始めるが…。

コージーミステリというと、アメリカという感じで、フランスのは初めて読んだと思います。
そういえばフランスのミステリって、この頃読んでいないような…?
わたしが知らないだけかもしれませんが、あまり翻訳されていないのかしら?

このミステリは初めがとっても読みにくく、読むのを止めようかと思いました。
でも、ヒロインのカトリーヌが出てくる辺りから気にならなくなりますので、少しの我慢を。

アメリカのコージーミステリのヒロインって年をとっていてもせいぜい30代ぐらいですが、さすがフランス、ヒロインが50代です。
それに年下の女性に嫉妬されているんですから、アムールの国は違いますね。
何歳になっても恋に現役なんですね。
フランスというと、人は人と割り切っていて、あまり他人のことに首を突っ込まないような印象があったのですが、小さな村になるとどこもいっしょなんでしょうか。噂話がすごかったり、人間関係がややこしかったりしています。
いい人はもちろんいますが、あ~、やだ、こんな村には住みたくない、とわたしなんか思ってしまいますww。

シリーズ物ということなので、カトリーヌはこれからもナターシャに悩まされるのでしょうね。
記者のヤンとの関係の変化と彼女がどうやって屋敷を買えるほどの大金を稼いだのかが今のところ気になります。

そうそう、フランスの警察制度が変わっています。
都市部が内務省管轄下の国家警察で、地方は国防省管轄下の憲兵隊が担当しており、国家警察は文民警察官で、国家憲兵隊は軍人により構成されている。
コミューンは自治体警察を設置できる。
警察活動は司法警察活動と行政警察活動に分れている。
司法警察活動には犯罪被疑者の追跡と逮捕などがあり、司法警察活動を行うのは司法警察官と司法巡査、司法巡査補で、逮捕と捜査令状の執行は司法警察官だけが完全な権限を持ち、司法巡査はその補佐を行う。
日本とは違う制度ですね。

二巻目の『Une pilule difficile à avaler (飲み込むのが難しい錠剤) 』は、一巻の終わりからするとエルワンの過去が主となりそうなのですが、あらすじを読むと、カトリーヌが海岸に打ち上げられた死体を見つけるようです。麻薬と関係がありそうということは…。
フランスでは「プレッツェルと有塩バター」シリーズとなっていて、四巻まで出版されているようです。

連休のわんこ2024/02/12

三連休は用事があるので公園には行かず、わんこたちは家付近をお散歩します。
わんこたちはみんなで一緒にお散歩ができて、嬉しいみたい。


グイグイ行きます。(ママが前に行くと着いてくるのです)


今回は珍しくおやつを持っていきました。
休憩時におやつを見せると、顔を向けてくれます。


見て下さい。いつも不細工なムッとした顔をしている兄が笑っています。
おやつが大好きなんです。
食べた後もおやつをくれないかとしばらくママの方を見ていました。
さすが食いしん坊くん。

<三連休のおやつ>
一日目はパパが出先でケーキを買ってきました。


残念なことにイチゴが酸っぱく、中に入っていたのがいよかん(?)みたいなみかんだったので、あまり好きな味ではありませんでした。(コラコラ)

二日目はミスタードーナツがゴディバとコラボしているというので、買物に出たついでにドーナツを買ってきました。


可愛らしいですね。
味はものすごく甘いわけではないのでいいのですが、ゴメン、わたしふわふわよりも普通のオールドファッションのような固いドーナツの方が好みです。

「ママ、いいかげんにしてください。僕たちにはいつものボーロしかくれないのに。プンプン」  by わんこたち

「ゴメンナサイ。贅沢はいいません」

三日目は君たちを置いて、これからママとパパは美味しいものを食べに行きます。
楽しみだわ~♡。