馳月基矢 『儚き君と 蛇杖院かけだし診療録4』&『風 蛇杖院かけだし診療録5』2024/03/31

「蛇杖院かけだし診療録」シリーズの四冊目と五作目です。


旗本の次男坊の長山瑞之助は悪いかぜにかかり、医師から匙を投げられたのにもかかわらず、蛇杖院で助けられたことから、小児科医への道を歩むことにした。
今は蛇杖院で見習い医師として働いている。

ある日、瑞之助は蛇杖院の僧医である岩慶に連れられ、蛇杖院のある小梅村から武蔵国多摩郡日野宿の石田村にある千波寺にやって来た。
千波寺で世話をされている全身の力が失われていく病に冒されたそよという患者を、蛇杖院で預かって面倒を見ることになったので、迎えに行ったのだ。

おそよの病の進行を止める手立てを探すが、見つからない。
瑞之助は日中はおそよの側にいて、できるだけおそよが痛みを感じないようにと心を砕いていた。
彼の献身ぶりを見て、蛇杖院の人々は心配するが、瑞之助は意に介さなかった。

蛇杖院が流行り病の源になるとか、おそよが患う奇病についての嫌な噂が広がっていく。

おそよは呉服を商う加賀屋の一人娘だったが、十年前に疫病神強盗に入られ、店の者たちは皆、殺され、おそよだけが助かった。
その時に賊を引き入れた小卯吉という男がおそよが蛇杖院にいるという噂を聞き、十年前の復讐を企てていた。
奉行所はかつて見逃した小卯吉が再び暗躍しているのを知り、悪党どもを一網打尽に捕らえようと画策していた。
おそよは自ら囮になることを申し出る。

瑞之助は自らの思いを封印し、おそよとはあくまでも医師見習いと患者として接しようとしていましたが、おそよはどうだったのでしょうね。
おそよとの悲しい別れを通し、彼は医師として、一回り大きくなれたのかもしれません。


瑞之助の姉の和恵が手紙を寄越し、正月五日に会うことになる。
やって来たのは和恵と姪の喜美、そして喜美の許嫁の沖野駒千代。
駒千代は病弱で、重篤な喘息に苦しんでいるので、蛇杖院で療養させて欲しいというのだ。

駒千代の面倒を瑞之助が見ることになるが、駒千代は瑞之助とは口をきこうともせず、言うこともきかない。
瑞之助は彼をどう扱ったらいいかわからず、振り回されて疲弊するばかりで、治療は進まない。

そんな頃、蛇杖院に対して恨みを持つ者たちが、蛇杖院を潰そうと謀を巡らしていた。

果たして瑞之助と駒千代の心が通い、治療がうまくいくのか?
そして、蛇杖院はどうなるのか…。

たびたびおそよの面影を思い出す瑞之助。
彼はやっと自分の気持ちと素直に向き合えるようになりました。
小児科医になりたいとは言っていましたが、駒千代のような性格がひにくれている(ゴメン)子どもと接するのは初めてなので、大分苦労します。
仕方がないですね。
これからも色々な患者がやって来ますから、頑張りましょうね。

一人の患者と真摯に向き合う瑞之助を描くのはいいのですが、二冊共に最後に大捕物がありました。
このパターンは次も続くのでしょうか?
特に捕物はなくてもいいような感じですけどね。

シリーズの最初から載せておきます。

④『儚き君と 蛇杖院かけだし診療録』
⑤『風 蛇杖院かけだし診療録』


<今日のわんこ>
残念ながら、パパが公園に連れて行ってくれませんでした。


それでもお散歩は楽しいみたいです。


20度を超えると暑く、暑さに弱いヨーキーはハァハァしてます。

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