堂場瞬一 『時限捜査』2024/04/05

「検証捜査」シリーズの四作目。


大阪府警梅田署署長の島村保は明日で二年間に渡る署長としての勤務を終える。
次の異動では警察学校長に就任し、それが警察のキャリアの終点となる予定である。
そんな日に、同時多発的に事件が起る。
最初に大阪のシンボル、太陽の塔が燃え、次に大阪市中央公会堂で火災が発生し、続いてUSJの入り口にある地球儀が燃やされ、最後はあべのハルカス。
島村は気になり、自分の管内を一回りしてこようと思い、パトカーに乗り込んだところに銃声が聞える。
電話をかけてきた警備課長の増島によると、十二時ちょうどにJR大阪駅構内で発砲事件が発生したというのだ。

JR大阪駅の時空の広場にあるカフェにライフル銃を持った者たちが男女各一名を人質に立て籠もる。具体的な要求はない。
目的は何なのか。愉快犯なのか、それとも…?

しばらくしてから犯人と名乗る人間から電話がかかって来る。
駅の構内に爆弾をしかけた。
要求は現金十億円と逃走用のヘリとパイロット。

そんな頃、警視庁捜査一課の神谷悟郎は殺しで呼び出される。
被害者は伏見史郎。元自衛官で、五年前に大阪府警に逮捕されていた。

やがて東京と大阪の事件の繋がりが見えてくる。
島村は後一日だけの署長在任中に事件を解決できるのか…。

『検証捜査』での島村のことはあまり覚えていません(恥)。
後から来て、犯人の取り調べをした人ですよね。
彼がこんなに人間味溢れる人だとは思いませんでした。
彼は上司の鏡です。
息子さんとの関係も微笑ましいです。

日本の立てこもり事件は時間がかかって大変ですよね。
人命第一だから仕方ないのでしょうが、外国のように短時間でスパッといかないものでしょうか。
本では人質のことは初めから分かるし、読んでいてもどかしいところがありましたが、臨場感あふれる最後で、楽しませていただきました。

テレビドラマのことは全く知らなかったのですが、2017年にテレビ東京で『検証捜査』をドラマにしていたのですね。
神谷悟郎役が仲村トオルだなんて、カッコよすぎじゃないですか。
神谷より年齢的にはやや上のようですけど。(仲村さんは今年58歳ですって。見えないわぁ)
「アナザーフェイス」の大友鉄役の方が合っていそう、なんて思ったら、なんと2012年にテレビ朝日系で大友鉄をやっていました。
わたしは時代に遅れてますねぇwww。

最初の方で『凍結捜査』を紹介してしまったので、「検証捜査」シリーズも後一冊。(シリーズとは言わないみたいだけど、便宜上シリーズにしときます)
舞台は海外のようです。